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[米国]
オラクル、「Fusion」の進捗状況を明らかに──プロジェクトにまつわる“俗説”を払拭
(2006年01月19日)
米国オラクルは1月18日、同社の次世代スイート「Fusion」の戦略説明会を開き、顧客、パートナー、マスコミ関係者など約1,000人の聴衆を前に、Fusionの技術に関する詳しい説明を2時間半にわたって行った。その冒頭で、オラクル社長のチャールズ・フィリップス氏は、Fusionプロジェクトにまつわる“俗説”の払拭を試みた。
フィリップス氏が挙げた第1の俗説は、“Fusionでは、「Oracle E-Business Suite」「PeopleSoft Enterprise」「JD Edwards World」のアプリケーションのコードが結合(マージ)される”というものである。同氏は、「コードをマージするわけではない」と述べたうえで、「Fusionは、既存のアプリケーションからアップグレード可能な業務アプリケーション群からなる新しい製品と認識してもらいたい」と強調した。
Fusionでは、これまでにオラクルが買収したすべての主要製品から選んだ最良の技術から、単一のエンタープライズ・スイートが作成される。だが、それを実現するための前段階として、同社はすでに、新しいミドルウェア統合プラットフォーム「Oracle Fusion Middleware」を開発し、提供を開始している。
Oracle Fusion Middlewareの目的は、同じツール・セットを使って単一の開発環境を構築することにある。これにより、ピープルソフト製品またはJ.D.エドワーズ製品を導入しているユーザーがFusionに“アップグレード”する際、同じ技術を使って行うことができるという。なお、ピープルソフトおよびJ.D.エドワーズのアプリケーションは、Oracle Fusion Middlewareのプラットフォーム上で動作することが保証されている。
また、Fusionには単一のミドルウェア・プラットフォームが提供されるため、当面は今回のプレゼンテーションのデモで示されたとおり、オラクルの3つのエンタープライズ・スイートは、データを共有できるほか、ある程度相互運用が可能となる見込みだ。
フィリップス氏が挙げた第2の俗説は、オラクルが白紙から作業を始めている、あるいはすべてのアプリケーションを書き直しているというものだ。しかし、そうした俗説に対して同氏は、「E-Business Suiteは、新しいアプリケーション・スイートをサポートするデータ・モデルであり、機能追加で拡張している」と否定した。
ところが、今回の説明会では、オラクルのアプリケーション開発担当上級副社長のジョン・ウーキー氏が、アプリケーションの書き直しに関してフィリップス氏のコメントと矛盾する発言を漏らす場面もあった。
ウーキー氏は、オラクルがどうやってビジネス・プロセスとBI(Business Intelligence)の洞察能力を結びつけようとしているのかについての説明で、「それを実現するために、当社はアプリケーションの大部分を書き直している」と語った。同氏は、「目標は、企業の経営陣がビジネス・プロセスをリアルタイムで変更することが可能なBIサービスとイベント対応アプリケーションを開発することだ」と述べたうえで、BIを利用して、メーカーが納期、コスト、破損率などに基づいて配送業者を決めるロジスティックス業務の例を挙げた。
白紙から作業を開始しているにせよ、大幅にアプリケーションを書き直しているにせよ、今回の説明会の目的は、オラクルが次世代バージョンのスイートをSOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)で開発しており、それらのアプリケーションをモジュール型のビジネス・サービスとして設計しているということを明らかにすることであった。しかしながら、出席したアナリストの大部分は、それはSAPがNetWeaverでやろうとしていることとほとんど変わらないとの見方を示した。
また、今回の説明会のもう1つの目的は、Fusionの開発はすでに「中盤」に差しかかっているということを顧客やマスコミに伝えることであった。予定どおりに作業が進んでいるという同社の主張は正しいように思われたが、懐疑的な見方を示すアナリストもいた。例えば、米国エンタープライズ・アプリケーション・コンサルティング代表で市場アナリストのジョシュ・グリーンバウム氏は、「Fusionプロジェクトが半ばまで完了しているというフィリップス氏の発言は、言い過ぎではなかろうか」と述べた。
「たしかに、総合アプリケーション構築の一部の作業は順調に進められており、その出来栄えも良さそうだが、今後、同社が取り組まなければならない作業は山ほどあるはず」とグリーンバウム氏は指摘している。
なお、今回の説明会では、米国シーベル・システムズの買収や、同社製品を製品ラインに取り込むまでのスケジュールなどについては言及されなかった。
一方、今後のアプリケーション・ロードマップとして、2007年にJD Edwards Worldスイートのメジャー・リリースが行われるという計画が明らかにされた。
Fusionスイートに関する作業は、2008年までにすべて完了する予定であり、その時点で、JD EdwardsおよびPeopleSoft製品のユーザーは、Fusionにアップグレードできるようになるという。
ただし、Fusionにアップグレードする際には、既存のアプリケーションにどのようなカスタマイズが施されたかを詳しく確認する必要がある。というのも、そうした機能がFusion製品の標準機能に組み込まれているかもしれないからだ。そこで、オラクルでは、アップグレードに着手する前にそうしたカスタマイズ内容の一覧を作成するためのツールを、Fusionスイートに標準搭載する予定としている。
(InfoWorld オンライン米国版)
- 米国オラクル
- http://www.oracle.com/
「Project Fusion」、製品提供フェーズへ──。情報時代のアプリケーションの実現に歩を進めたオラクル


【Oracle OpenWorld San Francisco 2005リポート】































