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[米国]
「市民の監視には、法律による歯止めが必要」──米国プライバシー擁護団体が指摘
(2006年02月22日)
米国の法律は、ITを駆使して市民を“スパイ”する政府機関の能力向上に追いついていない──米国ワシントンD.C.に本拠を置く非営利のプライバシー擁護団体「CDT(Center for Democracy and Technology)」は2月22日、同日付の報告書でそう指摘した。
今日、米国政府機関が国内監視の動きを強め、インターネットの検索記録まで入手しようと試みるなか、従来のプライバシー関連の法律では、政府機関があらゆる種類のデジタル記録にアクセスしようとしていることに対して、的確に対処できない、とCDTは主張している。
CDTのポリシー・ディレクター、ジム・デンプシー氏は、「あらゆる観点から見て、デジタル革命が法執行機関の監視ブームをもたらしたことは間違いない。以前に比べてはるかに多くの情報が、はるかに容易に手に入れられるようになったことから、監視技術と市民のプライバシーを守るための法律との間の隔たりは、日ごとに拡大している」と指摘する。
CDTの報告書『Digital Search & Seizure: Updating Privacy Protections to Keep Pace with Technology』では、特に以下の3つの技術に焦点を合わせている。
●法執行機関が使用する、キー・ストローク記録ソフトウェア。
●GPS(全地球測位システム)やユーザーの所在を追跡可能なロケーション技術。
●グーグル、ヤフーなどが提供するWebメール・サービスを含む、大容量デジタル・ストレージ・サービス。
CDTによると、GPSも、大容量のメール・ボックスが提供されるWebメール・サービスも、ユーザーに多くの利便性をもたらすものだが、それらは政府機関がかつてないほど膨大な情報にアクセスすることを可能にするものでもあるという。
CDTでは、こうした新技術を法執行機関が利用する場合、1986年に制定された電子通信プライバシー法(Electronic Communications Privacy Act)では十分にカバーできないと主張し、プライバシー関連の新しい法律の制定に向けて政府やテクノロジー業界に協力を呼びかけている。
デンプシー氏は、「政府は、新しい技術が国内監視を困難にしていると主張するが、実際には、そうした技術によって政府の力は大幅に強化されてきた。インターネット技術によるデータ収集・保存能力が日々拡大する一方で、インターネット・ユーザーが新サービスを利用するために提供する個人情報の量も増加し続けている」
ブッシュ大統領は、最近の一連の国内監視プログラムは「テロとの戦いに必要なもの」として擁護しているが、国家安全保障局(NSA)が、裁判所からの捜査令状なしで米国市民の電子メールや電話の通話をひそかに監視・盗聴することを許したブッシュ政権の判断は、大きな議論を呼んでいる。
グーグルは、同社の100万件を超える検索記録を入手しようとする司法省の試みに抵抗しており、今月連邦地方裁判所に提出した文書では、検索記録の提供はユーザーからの信頼の失墜、企業秘密の開示につながると主張している。
デンプシー氏は、ほとんどのインターネット企業は自社のプライバシー・ポリシーをきちんと守っているが、政府の捜査官に記録提出を求められた場合は別だと指摘している。「世界最強のプライバシー・ポリシーも、政府からの証拠提出命令の前では存在しないも同然だ」(同氏)
では、大容量のWebメール・サービスなどを利用している人は、今すぐ利用を避けるべきなのだろうか。この質問に対して、CDT代表のジェリー・バーマン氏は「ノー」と答えている。ただし同氏は、そうしたサービス・技術を提供する企業は、政府機関から情報提出を求められた際にどのように対応するのかを、あらかじめユーザーに知らせておかなければならないと指摘している。
(IDG News Service ワシントン支局)
- CDT(Center for Democracy and Technology)
- http://www.cdt.org/































