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[米国]
グーグル、クリック詐欺訴訟で原告側と和解
(2006年03月08日)
米国グーグルはこのほど、「クリック詐欺問題」を巡る集団訴訟で原告側との和解に合意した。この合意により、グーグル側は、詐欺問題の被害者とされる原告側(広告主)らに対して、弁護士費用と最高9,000万ドルの違約金を(グーグルの広告を購入するためのクレジットというかたちで)支払うことになっている。
この訴訟は、アーカンソー州ミラー郡巡回裁判所に提訴されたもの。訴えられたのは、グーグルをはじめ、ヤフー、アメリカ・オンライン(AOL)など、インターネット検索サービスと「ペイ・パー・クリック広告」を提供している大手企業だ。原告の代表は米国レーンズ・ギフツ&コレクティブルズで、同社では人形やフィギュア、テディベアなどの商品を、オンライン/電話/通販チャネルを経由して販売している。
同訴訟の争点となったのは、ペイ・パー・クリック広告のクリック数を水増しする目的で、「不正行為(つまり、クリック詐欺)」が行われたかどうかだ。
言うまでもなく、ペイ・パー・クリック広告の広告主は、その広告がクリックされるたびに、料金を支払うことになる。そのため、ある企業の社員が、競合他社の資金を浪費させる目的で、競合他社のペイ・パー・クリック広告を何回もクリックするおそれがる。また、ペイ・パー・クリック広告を掲載しているWebサイトの発行元が、手数料収入を増やすために、自社サイトの広告をクリックすることも十分にありえる。
このような行為が、いわゆる不正クリック(クリック詐欺)に相当し、その最大の被害者は、もちろん、売上げにまったくつながらないにもかかわらず、クリック回数に応じて広告料金を支払わなければならない広告主となる。
ペイ・パー・クリック広告は、ユーザーが出すクエリのトピックに応じて、グーグルやヤフーなどの検索エンジンから提供される。こうした広告は、グーグルやヤフーにとって主要な収入源となっていた。
和解はグーグルの勝利
もっとも、クリック詐欺事件の発生件数については、正確な数値を割り出す方式が確立されていない。そのため、算出方法や予想のしかたによって、その件数は大きく上下にぶれる。
例えば、最悪のシナリオに基づく見積もりによれば、ペイ・パー・クリック型の広告がクリックされた件数のうち、詐欺行為によるものが全体の20%に達するという。
仮に、これが事実であると裁判所が認めれば、グーグルのビジネス・モデルが根底から揺らぐ可能性があった。というのも、グーグルの2005年会計年度における売上高は61億4,000万ドルであり、その多くがペイ・パー・クリック広告によるものだったからだ。
その意味で、今回の和解は、グーグルを窮地から救うものだとする業界関係者は少なくない。その1人であり、最近グーグルについての書籍も執筆したジョン・バテレ氏は、「原告側との和解に至ったことは、グーグルにとって大きな勝利だ」と言い切る。
同氏はまた、今回の件について、自身のブログ「Searchblog」へ書き込みを行い、以下のように指摘している。
「グーグルと原告側との和解条件は、グーグルにとって有利なものだ。それは、クリック詐欺が大きな問題ではないというグーグル側の主張の正当性を裏づるものとなろう。しかも、今回の和解により、訴訟の長期化も回避できた。そのことは、企業イメージを守るという点でも、グーグルにとってプラスだ」
なお、ヤフーは、グーグルの和解について何もコメントしておらず、今後も訴訟で争う姿勢を示している。
ヤフーの広報担当者は、電子メールの声明文の中で、「当社の提供する広告は、独自のクリック保護システムによってしっかりと守られている。この件に関する当社の立場と正当性を、今後も主張していきたい」としている。
一方、原告側弁護士のジョージ・マクウィリアムズ氏は、今回の和解は最終的なものではなく、(アーカンソー州ミラー郡巡回裁判所の)ジョー・グリフィン判事の承認も受けていないことから、今のところ、具体的なコメントを出すことを避けている。
また、グーグルの次席法律顧問のニコール・ウォン氏によると、グーグルは、原告側に支払う弁護士費用を経費として計上するもようだ。同氏は、「その金額が確定した時点で、当社の第1四半期決算に計上される可能性が高い」としている。さらに、クレジット方式で支払われる違約金については、広告との引き換え期間中の売上高減額として計上する予定だという。
なお、これまでグーグルの幹部は、クリック詐欺の問題を深刻に受け止め、積極的に対処すべき事案としてきたが、自社のビジネスに重大な影響を与えるものではないと説明していた。
(IDG News Service マイアミ支局)
- 米国グーグル
- http://www.google.com/































