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[英国]
国民IDカード計画の先行きに暗雲──英国政府職員間の懸念が明るみに
(2006年07月11日)
英国の国民IDカード計画に関与している政府の上級職員が、同計画の先行きに関してきわめて懐疑的な見方を示していることが、英国の新聞にリークされた職員間の電子メールによって明るみに出た。
サンデー・タイムズ紙の7月9日付の記事に引用されている電子メールでは、(2008年から段階的に導入するという公約を守ろうとして)政府が性急に計画を進めることで、国民IDカードの導入が予定よりも大幅に遅れるおそれがあると指摘している。
国民IDカード計画を監督している政府調達庁(OGC)のIDカード・プロジェクト・ディレクター、デビッド・フォード氏は、「われわれは自ら失敗を招こうとしている」とメールで述べていた。
英国内務省(HO)の担当者は7月10日、問題のメールは内部関係者によってリークされたものと説明したが、それ以上のコメントは差し控えた。
国民IDカード法案は今年3月末に英国議会で可決された。プライバシー上の懸念を巡る激しい反対にもかかわらず、ブレア首相は、バイオメトリクス技術を使用した国民IDカードは国の安全の強化、各種手当の不正受給の減少、入国管理の強化に役立つと主張して計画を推し進めた。
計画には、約5,000万人の国民識別情報登録データベース「National Identity Register」の構築が含まれる。英国市民はパスポート更新時に国民IDカードを有料で交付されるが、政治的妥協により、国民IDカード取得の義務化は2010年1月1日からになった。
フォード氏は、国民IDカード計画のさまざまな関係者の話を総合した結果、調達やコスト、プログラム管理の面で懸念が生じたとしており、「現実的でない予定に合わせてプロジェクトを進めようとしている兆候がいくつも見受けられる」とメールで述べていた。
もう1通のメールは、IDカード計画が中止になった場合に備える動きを示していた。
2006年4月に従来の英国旅券発給課(UKPS)を吸収して設立されたIDカードおよび旅券の発給担当機関「Identity and Passport Service(IPS)」でコマーシャル・ディレクター代理を務めるピーター・スミス氏は、問題のメールで「われわれはIDカード計画が完全に凍結される場合も視野に入れて今後数カ月の契約戦略を立てている」と述べていた。
国民IDカードと国民識別情報登録データベースに反対している活動家グループ「No2ID」は、「これらの電子メールは、政府がこの計画がうまくいかないことを知っているにもかかわらず、ブレア首相の政治路線に合わせて前進させたことを示すものだ」とコメントしている。
さらに、No2IDは、今後計画がたとえうまくいかなかったとしても、「IDカード法を法令集に残しておくのは危険すぎる。欺瞞が明らかになったのだから、この法律は無効にすべきだ」と主張している。
(ジェレミー・カーク/IDG News Service ロンドン支局)
- サンデー・タイムズ
- http://www.timesonline.co.uk/sundaytimes































