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[フランス]
フランス憲法裁判所、新著作権法のさらなる強化を裁定──不正コピーには厳罰を

(2006年07月31日)

 フランスの憲法裁判所は、先に国会が可決した厳しい新著作権法の合憲性を審査し、3つの条項を変更するとともに、1つの条項を削除、同法をさらに強化する決定を下した。

 この決定により、楽曲など著作権付きファイルの不正な共有が刑事犯罪になるほか、相互運用可能なソフトウェアを開発するためにDRM(デジタル権利管理)システムのリバース・エンジニアリングを行った者に、6カ月の禁固刑と3万ユーロ(3万6,000ドル)の罰金が科されることになる。

 フランス国会が6月30日に新著作権法案を可決した後、同法案に反対していた社会党議員らは、審議手続きの不備と11の条項の問題を挙げ、新法は違憲だとして憲法評議会に判断を求めていたが、それは裏目に出た。憲法評議会は同法を無効とはせず、11の条項のうち4つについては社会党の申し立てを取り上げたが、憲法裁判所が決定した改善措置は、同党が求めるものとは程遠いものとなった。

 今回の決定は新著作権法の反対派を失望させた。反対派は憲法裁判所による判断を、ジャック・シラク大統領の署名により同法が成立するのを阻む最後のチャンスと考えていた。

 著作権改革団体「EUCD.info」のクリストフ・エスパーン氏は、「この決定は大手のレコード会社や映画会社、プロプライエタリ・ソフトウェアの提供会社を満足させるもので、一般市民やフリー・ソフトウェア・コミュニティ、アーティストは敗北した」と落胆の色を隠さない。

 また、アソシエーション・オブ・オーディオ・サーファーズのアジズ・リドゥアン代表は、フランスのルノー・ドナデュー・ド・バーブル文化相が推進した抑圧的な法律により、「フランスの1,200万人のオーディオ・サーファーは、インターネット経由でファイルをダウンロードするたびに、5年の禁固刑と50万ユーロの罰金を科されるリスクを負うことになった」と述べている。

 新著作権法案の国会通過を主導した政府多数派に属す国会議員のクリスチャン・バネスト氏も、今回の決定に対して遺憾の意を表明し、自身のブログの中で、「新法は正当性を認められたが、インターネット・サーファーはさらにいくつかの利点を失った」と指摘している。

 同氏によると、6月30日に上院で可決された法案では、例えば、DRMシステムを破ったとしても、その目的が相互運用可能なシステムの開発であった場合には処罰を免れるという規定があったほか、不正なファイル共有は民事事件に位置づけられ、罰金も38ユーロと低く設定されていた。

 また、社会党は新法の24条について、著作権で保護された著作物を私的利用のために不正な方法でコピーする行為に対する扱いが不公平だとして、異議を申し立てていた。24条では、ファイル共有ソフトウェアを使用した不正コピーは民事犯罪とされるが、それ以外の方法による不正コピーは海賊行為となり、刑事罰の対象とされていた。

 フランスでは私的利用のための楽曲のコピーは合法であり、カセット・テープからフラッシュ・メモリ・ディスクまで、空の録音メディアの価格には、アーティストへの補償料の財源となる特殊な税金が含まれている。

 だが、憲法裁判所は、著作権で保護された著作物を私的利用のために不正な方法でコピーする行為のすべてを、方法のいかんにかかわらず民事犯罪にするというのではなく、24条そのものを完全に削除することにした。これによって、あらゆるオンライン・コピーが刑事罰の対象となった。

 ド・バーブル文化相は今年、新著作権法は、ファイル共有に対する「慎重に考慮された対策」であり、ファイル共有者が禁固刑を科される可能性はないと述べていたが、今回の憲法議会の決定は、この説明と食い違っている。

 一方、新著作権法の相互運用性に関する規定では、例えば、アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod」の競合製品の提供企業が、アップルのiTunes Music Storeから購入した音楽を再生できるプレーヤーを開発したり、他の企業が、iPodで再生される著作権保護された楽曲を販売するオンライン音楽ストアを開設したりすることが可能となっていた。

 アップルは現在、自社のDRMシステムのライセンスを他社に提供しておらず、他社が相互運用可能なシステムを開発しようとする場合、アップル・システムのリバース・エンジニアリングしてDRM保護を解除するしか方法がない。6月30日に可決された法案では、DRM保護の解除に対して6カ月の禁固刑と3万ユーロの罰金を科すとされていたが、相互運用可能なシステムの開発が目的だった場合には、処罰が免除されることになっていた。

 相互運用可能な音楽/ビデオ・プレーヤーを合法的に開発したいと考えるオープンソース開発者などの立場が守られるかどうかに大きくかかわることから、社会党は憲法評議会に、法案の条文で定義されていない「相互運用性」という言葉の定義を求めた。

 しかし憲法裁判所は、定義を行う代わりにこの言葉を削除して処罰免除規定をなくし、オープンソースDRM開発者は、特例の扱いを受けられなくなった。

(ピーター・セイヤー/IDG News Service パリ支局)




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