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[米国]
IBM、SOAガバナンス・ベンダーを買収──医療/保険業界向け製品を拡充へ

(2006年08月03日)

 米国IBMは8月2日、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ガバナンス管理や特定業界に対応する標準ベースの技術を持つウェビファイ・ソリューションズを買収すると発表した。今後ウェビファイの事業は、IBMのソフトウェア・グループに組み込まれ、その製品はミドルウェア製品ファミリーのWebSphereに統合されることになる。

 今回の買収は、SOAを使って既存の専用アプリケーションと容易に統合できる新しいオプションを顧客に提供するというIBMの戦略に基づいたもの。IBMは、買収の理由について、保険業界や医療業界向けのSOA製品の拡充が、新たな市場への事業拡大に貢献すると説明している。ウェビファイは以前からSOAサービスの提供でIBMと提携していた。なお、買収条件などは明らかにされていない。

 IBMのWebSphereソフトウェア部門のゼネラル・マネジャー、ロバート・ルブランク氏は、2日に開催されたジャーナリストとのコンファレンス・コールで、「ウェビファイと当社の統合により、多くの価値を顧客に提供することができる」と強調した。

 同氏によると、IBMは異なるアプリケーションを連携させるよう設計された「ファブリック」と呼ばれるアーキテクチャやコンプライアンス機能を含むウェビファイの主要技術を採用し、さまざまなビジネスに対応する多彩なSOA製品を展開していくという。

 ウェビファイは、特定業界に対応した標準ベースの開発済みアクセラレータやツール、フレームワークを数多く提供しており、これらを使うことで、ユーザーは自前のSOAインフラストラクチャを構築することができる。

 これらのツールの中には、米国のHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996:医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に順守するのに役立つモジュールや、保険業界の非営利の標準団体であるACORD(Association for Cooperative Operations Research and Development)のガイドラインに対応するのに役立つモジュールも含まれている。

 ウェビファイの会長兼CEO、マノイ・サグゼナ氏は、これからも引き続き事業経営に従事し、IBMのSOA戦略に対する新たな責任も担うとしている。

 サグゼナ氏は、「今後3〜4年先には、SOAの巨大な市場が誕生する」と力説するとともに、今回の合併によって全世界の顧客にアプローチできるようになると強調、「当社とIBMの考え方はきわめて近い」と述べた。

 ウェビファイの120人の従業員(テキサス州オースチンに70人、インドのムンバイに50人)は、今後IBMの社員として活動するという。

 ウォール・アソシエイツのアナリスト、エミー・ウォール氏は、IBMとウェビファイがすでにパートナーの関係を築いているため、今回の買収のニュースを聞いても意外性は感じなかったと語っている。そのうえで同氏は、買収によって、既存のWebSphereファミリーにすぐに組み込むことが可能な実績ある製品ラインをIBMが入手できると指摘する。

 「IBMは、ウェビファイと力を合わせて新たな市場に参入し、(さまざまなITアプリケーションを統合するのに利用可能な)各種の構成要素を提供することができるようになる。顧客は、何もないところから作業を始めるよりも、システムの構築に必要な構成要素がある程度そろっていたほうが好ましいと考えている」(同氏)

 ウォール氏によると、IBMは、SOA開発を完結させるためのコンポーネントを提供することで、顧客が費用を節約し、面倒な作業を最小限に抑えながら、必要な要素を購入できるようにしていく方針だという。

 「これは、ウェビファイがこれまでに取り組んできたことであり、IBMも今後はそうした取り組みができるようになるはずだ。これにより、SOA市場におけるIBMの競争力は高まるだろう」(同氏)

 一方、フォレスター・リサーチのアナリスト、シーン・スウィーニー氏は、ウェビファイの買収によって、多彩なSOAツールを選び出し、小さなコンポーネントにまとめ上げるという点で、IBMは「大きな能力」を獲得できると指摘する。

 「この分野は、とりわけ相乗効果が大きい。SOAガバナンス機能は、IBMにとっても重要な分野であり、ウェビファイのガバナンス管理ツールが加われば、IBMの能力が高まる」(スウィーニー氏)

(トッド・ワイス/Computerworld オンライン米国版)




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