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[フランス]
フランスの新著作権法がついに施行──業界に失望の声

(2006年08月07日)

 ソフトウェア・ベンダーや社会党の議員らが反対していたフランスの新著作権法が8月4日に施行された。フランスのネット・ユーザーは今後、著作権つきの音楽ファイルを不正にダウンロードすると、禁固刑を科されるおそれがある。

 また、アップルコンピュータなど、音楽ダウンロードの制限を目的にDRM(デジタル権利管理)技術を開発、使用する企業は、相互運用が可能な技術の開発を目指す競合他社に、自社システムの詳細情報を提供しなければならなくなる可能性がある。

 ソフトウェアの権利保護を推進する業界団体であるBSA(Business Software Alliance)は、「新著作権法は、コンテンツの著作権の保護を目的としているが、実際には、コピー・プロテクトの取り組みを損なうものだ」と指摘する。

 BSAでは、同法がコピー・プロテクト・ソフトウェアのメーカーに対し、セキュリティ技術に関する情報開示を義務づけている点を主に批判している。

 新著作権法について、BSAは、欧州の知的財産ルール(フランスの法律が基に策定されたとされている)にも矛盾していると批判し、同法は、著作者の権利保護を推進してきたフランスの歴史的な取り組みにも逆行するとしている。

 BSAの見解では、新著作権法のコピー・プロテクト・ソフトウェア・メーカーに対する義務づけは、消費者の電子商取引に対する信頼を脅かすものでもある。アップルは、当初の法案に盛り込まれていたオンライン音楽ストアに対するDRMの相互運用性確保の義務づけを、「国家による海賊行為の支援」と批判していた。

 一方、フランス議会の最大野党である社会党は、来年の国政選挙と大統領選挙で勝利した場合、新著作権法に代わる法律を制定すると表明している。

 社会党の広報担当者、アン・イダルゴ氏は2日、同法はコンテンツ・クリエーターの権利と、インターネット・ユーザーによるコンテンツ・アクセス方法の選択の自由とのバランスが考慮されていないと批判した。

 同氏は、コンテンツ・オーナーは作品を保護するためにDRM技術を使いたいと考えるが、消費者は、そうしたコンテンツを再生するデバイスやソフトウェアを選択することが可能であるべきだとしている。相互運用性のないDRMシステムは、ベンダーが選んだプラットフォームに消費者をしばってしまうとしている。

 BSAは、新著作権法はDRM技術へのアクセスを認め過ぎていると主張しており、社会党は、同法が認めているアクセスは制限され過ぎていると主張しているが、同法がオンライン商取引への信頼に悪影響を与えるという点で、両者の見方は一致している。

 新著作権法の施行に伴い、著作権つき音楽ファイルをP2P(ピア・ツー・ピア)ファイル共有ソフトウェアを使ってダウンロードしたインターネット・ユーザーは、禁固刑か最大50万ユーロ(約64万ドル)の罰金を科されることになる。

 しかし、同法の成立を推進したルノー・ドナデュー・ド・バーブル文化相は、この件に関しては同氏が意図したことではないと表明している。

 フランスの元老院(上院)と国民議会(下院)が可決した法案では、そうしたダウンロードに科される罰金は38ドルとしていたが、憲法裁判所がその罰金を規定した24条を憲法違反と裁定し、削除した結果、罰金の額は跳ね上がった。

 24条が憲法違反と裁定されたのは、不正ダウンロードという同じ犯罪行為を行うためにP2Pソフトウェアが使われたか、あるいはFTPソフトウェアなどほかの手段が使われたかによって、量刑が異なっていたためだ。

 ド・バーブル氏は、パスカル・クレメント司法相に対して、禁固刑を科すのは最も悪質なケースに限定するように要請すると述べている。

(ピーター・セイヤー/IDG News Service パリ支局)




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