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[米国]
セールスフォース、「Google AdWords」統合サービスを発表

(2006年08月23日)

 米国セールスフォース・ドット・コムのCEO、マーク・ベニオフ氏は8月21日、米国ボストン地域の顧客、アナリスト、マスコミ関係者を集めたディナー・プレゼンテーションにおいて、新たな検索マーケティング・サービス「Salesforce for Google AdWords」を発表した。これにより、同社のCRMソフトウェアからGoogle AdWordsマーケティング・キャンペーンを直接管理できるようになる。

 新サービスは、セールスフォースが最近買収したキーデンが提供するソフトウェアをベースにしたもの。キーデンは、2006年1月に設立され、セールスフォースのAppExchangeプラットフォーム対応のGoogle AdWords製品を投入したばかりの新興企業。4人の従業員とおよそ45の顧客ベースを抱えている。

 ベニオフ氏は、新サービスが独立系ソフトウェア・ベンダーと協力しあう活気のあるエコシステムへと発展し、セールスフォースのあらゆる技術要素と連携可能な「マッシュアップ」アプリケーションがAppExchange上に構築されるようになるとの見通しを示した。

 「われわれは、自分たちが持っている技術のあらゆる側面を生かそうとしている。ディベロッパーの皆さんには、当社のディベロッパーと同じように、さまざまなサービスを開発してもらいたいと考えている」(ベニオフ氏)

 キーデンの取り組みは、セールスフォースのビジョンに適合する1つの好例と言える。キーデンの共同設立者で、現在はSalesforce for Google AdWords製品マネジャーを務めるクレイグ・スウェンスルード氏によると、キーデンのソフトウェアは、完全にAppExchangeプラットフォーム上で開発されており、ソフトウェアの試作品を、同社が設立されてから数週間後に完成させ、今年5月にはパブリック・ベータ版のリリースを開始したという。

 キーデンのソフトウェアを使えば、マーケティングや販売部門のスタッフがGoogleシステムでの広告キャンペーンを細かく追跡管理することができる。セールスフォースのユーザーは、Webページの印象や広告用語1語当たりのクリック・スルーといった標準的な情報を使って広告キャンペーンを詳しく分析し、特定のGoogle AdWordsや検索用語から生成されたリード、売上げ、収益をチェックすることができる。

 スウェンスルード氏は、「このようなソリューションは、セールスフォース・ドットコムとグーグルとの間でバックエンドのリアルタイム統合が実現しなければ、不可能だっただろう。われわれは、グーグルのエンジンでGoogle AdWordsプロセスを使い、セールスフォースのプラットフォームでCRMをマッシュアップしている」と説明する。

 統合機能の大部分は、グーグルが公開しているAdWords対応APIを活用したものだが、キーデンは、グーグルとも共同作業を行ったという。

 キーデンのソフトウェアをおよそ3カ月前から使用しているワン・モーゲージ・ネットワークのCEO、シーン・マーシュ氏は、同社では、キーデンの製品を使い始めてから、AdWordsマーケティングの費用が25%減る一方で、利用しているAdWordsの生産性は、およそ25%向上したと述べている。

 環境、品質、健康、安全(EQH&S)管理用の監査管理ソフトウェアを開発しているインテレックス・テクノロジーズの製品マーケティング/マーケティング・コミュニケーション・スペシャリスト、ジェーソン・ニコライディス氏によると、同社は、数週間前にキーデンの製品を使い始めたばかりだが、すでにマーケティング経費の微調整に役立っているという。

 業界専門家らによると、ベニオフ氏はこれまでもことあるごとにキーデンにラブ・コールを送っており、今年5月に開催されたAppExchange User and Developer Conferenceの場でも同社について熱く語ったという。

 シンクストラテジーズのアナリスト、ジェフ・カプラン氏は、「ベニオフ氏は、AppExchangeが開設されて以来何度もキーデンを賞賛している。キーデンは、同氏にとって愛娘のような存在だ」と語る。

 ベニオフ氏は8月21日にも、「(キーデンの技術が)当社のマーケティング技術に大きなプラスをもたらす」としたうえで、「(キーデンは)2人の企業家がインフラストラクチャなしにアプリケーションを開発できることを実証したいというビジョンから始まった。事業は軌道に乗り、成功を収めた」と述べた。

 カプラン氏は、今回の発表は意外性こそないものの、(セールスフォースと顧客にとって)重要であることに変わりはないとして、次のように評価する。

 「新たな検索マーケティング・サービスは、AppExchangeが本当にエコシステム以上のものになるのかという一部の疑念を晴らすとともに、セールスフォース・ドットコムに新たなビジネス・チャンスと企業買収のチャンスをもたらす呼び水になる。新サービスは、肥沃な土壌を持っており、ここから新たなビジネスが誕生、発展し、将来の企業買収につながっていく」

 カプラン氏によると、セールスフォース・ドットコムは、SaaS(Software as a Service)モデルのパイオニアとしてメディアの注目を集めているが、このモデルから利益を得ている唯一の企業ではないという。

 「AppExchangeのようなプラットフォームの有効性が実証されれば、他の企業も追随することになるだろう。しかし、本当のモデルは、IBMのような企業とそのパートナー・ネットワークに見いだすことができる。決して目立った存在ではないが、サードパーティとIBMの間で協力関係をテストするための強力なメカニズムを持っている」(カプラン氏)

(ポール・ロバーツ/InfoWorld オンライン米国版)




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