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[国内]
「知の共有」を促進する“検索を超えた”コミュニケーション・インフラの重要性

【エンタープライズサーチDAY2006 リポート】

(2006年10月26日)

 「企業は今こそ、膨大なデータの中から収集した情報に付加価値を与え、それらの蓄積・共有・流通を促す“検索を超えた”コミュニケーション・インフラを構築すべき」──ウチダスペクトラムとIDGジャパンの共催により10月25日に東京で開催されたイベント「エンタープライズサーチDAY2006」のオープニング・セッションで、ウチダスペクトラムの代表取締役社長である町田潔氏は上のように語り、検索技術をビジネスに適用することの重要性を訴えた。

社内外のあらゆるコンテンツを探し出す

ウチダスペクトラム 代表取締役社長 町田潔氏

 エンタープライズ検索は、インターネット検索、デスクトップ検索にとどまらず、オフィス・ワーカーがビジネスに活用するために必要な情報・データを、社内外のあらゆるコンテンツから形式を問わず探し出すための有効なツールとして今、注目を集めている情報共有・活用ソリューションである。

 ウチダスペクトラムの町田氏は講演で、検索技術がビジネスにどう役立つのか、また、具体的にどのように実装するかについて、同社が提供するエンタープライズ検索プラットフォーム「SMART/InSight」の特徴を交えて解説した。

 同氏は、「SMART/InSightを提供するにあたって、しばしば顧客からGoogleなどと同じようにWeb検索も行えるかという質問を受けるが、厳密に言うとそうではない」と強調。同氏によると、エンタープライズ検索で対象となるのは「業務情報」であり、Web上の情報に関しては、ビジネスの情報源として必要とされるサイトだけを指定し、目的以外の情報を排除することで、効率的な検索結果が得られるようにしているという。「あくまで業務利用に徹している点がエンタープライズ検索と従来のWeb検索エンジンとの大きな違いだ」と町田氏は語った。

 ウチダスペクトラムでは、企業内イントラネットやインターネット上に存在する分断された情報や、ビジネス目的以外の情報を含む利用しにくい情報環境を改善すべく、情報の(1)収集・モニタ、(2)統合・拡充・蓄積、(3)検索・発見・分析、(4)パーソナライズ、(5)共有・体系化・協業、といったナレッジ・フローを形成するプラットフォームとしてSMART/InSightを提供しているという。

ナレッジ・ワークフローを実現するSMART/InSightのエンタープライズ検索機能

 町田氏は、「企業にとって従業員が有する知識や情報は資産だが、それらのほとんどが再利用されていない。多様なフォーマットの情報・知識をすばやく見つけ出し、かつ再利用できる仕組みを築くことは、ナレッジ・マネジメントの実効性を高めるうえでも重要だ。SMART/InSightを活用すれば、だれがどんな情報・知識を持っているのかをすばやく見つけ出し、知識の流通を促すことができる」と製品のメリットをアピールした。

 さらに同氏は、エンタープライズ検索プラットフォームを核とした次世代の情報系サービス・プラットフォームを構築することが、社内外の情報の収集・活用・流通を促進させるカギになると主張。「質の高い検索による情報活用を実現するだけでなく、利用者によるタグ付けや分類情報の共有化などを実現することで、社内での“知の共有”を促進する『検索を超えたコミュニケーション・インフラ』を提供することが、われわれの使命」と町田氏は強調した。

ウチダスペクトラムが提唱するエンタープライズ検索プラットフォームを核とした「情報系サービス・プラットフォーム」の概念図

KMシステム再活性化への指針

テックバイザージェイビー 代表取締役 栗原潔氏

 一方、同イベントの基調講演には、テックバイザージェイビー代表取締役の栗原潔氏が登壇し、今日のKM(知識管理)システムが内包する根本的課題や、エンタープライズ検索プラットフォームを導入する際の考慮点などを示した。

 栗原氏は、「KMは“過去の遺物”と見る向きもあるが、それは誤解だ。企業価値は知識によって高められるものであり、KMの重要性は今も昔もまったく変わっていない」と強調したうえで、エンタープライズ検索を適切に活用することによって、従来型KMシステムの再活性化、および、新規KMシステム構築の容易化を図ることができると主張した。

 例えば、インフラを構築したものの知識コンテンツがなかなか蓄積されないといったKMの課題は、エンタープライズ検索システムを用いて、コンテンツを集中管理のリポジトリに逐一コピーすることなく、既存のシステムに保存されたコンテンツをそのまま仮想的に集約することで解決できるという。また、知識コンテンツは蓄積されるが有効活用されないという場合は、エンタープライズ検索システムのランキング・アルゴリズムを適用し、重要な知識コンテンツを効率的に検索できるようにすることで問題を解決できるとした。

栗原氏は、「KMの課題の多くは、エンタープライズ検索を活用することで解決できる」と語った。

 「既存のKMシステムが抱えていた課題は、エンタープライズ検索を適切に活用することで解決できる部分が多い。今後KMシステムを新しく構築する際にも、エンタープライズ検索の機能をいかにうまく適用するかがポイントとなる」(栗原氏)

 また同氏は、多数のユーザーの活動によって知識を構築する「集合知(Collective Intelligence)」と呼ばれる考え方や、「フォークソノミー(ユーザー自身による情報分類)」といったWeb 2.0的なアプローチを適用することで、KMシステムやエンタープライズ検索の価値をさらに向上させることができると述べたほか、全社的な知識共有・情報共有を効率的に行うためには(ビジネス)メタデータの管理と標準化が必要と指摘した。

エンタープライズ検索の“投資効果”

 そのほか、同イベントでは、ソフトウェア・エンジニアリング・アーキテクト(SEA)の代表取締役社長である関口敏生氏と、シックス・アパートでMovable Type Enterprise担当ディレクターを務める松下康之氏の両氏による事例セッションが行われ、エンタープライズ検索のビジネス適用について数多くの提言がなされた。

 SEAの関口氏は、プロジェクト・マネジャーもしくはソフトウェア・エンジニアがソフトウェア開発プロジェクトで直面している品質、生産性、コミュニケーション、意思決定にまつわる問題を指摘。そうしたさまざまな問題を解決する1つの解がエンタープライズ検索であると主張した。

 また同氏は、ソフトウェア開発プロジェクトにおけるエンタープライズ検索の投資効果についても言及し、プロジェクト・コストが年額10億円(エンジニア人数:100人、1人当たりの年間人件費:1,000万円)の場合、約2,800万円のNPV(Net Present Value:正味現在価値)、233%のROI(投資利益率)、回収期間13カ月といった投資効果が得られると説明した。

 一方、シックス・アパートの松下氏は、同社が提供するブログ技術の最新情報や今後のビジネスの展開、ビジネス・ブログの将来と展望などを説明したほか、ウチダスペクトラムとの協業の下、同社のSMART/InSightとシックス・アパートのブログ・プラットフォーム「Movable Type Enterprise」を組み合わせた次世代情報サービス基盤の提供に注力していく姿勢を示した。

(大川 亮/Computerworld.jp)




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