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[米国]
グーグルの戦法に専門家が賛否両論──著作権侵害訴訟で

(2006年12月04日)

 米国グーグルが著作権侵害で提訴されている問題で、新たな論争が起きている。同社が今回の提訴と関係のないライバル企業に対し、機密情報の提供を求めて裁判所を通じて召喚状を送付したことについて、法律専門家の意見が真っ二つに分かれているのだ。召喚状を送付されたヤフー、アマゾン・ドットコム、マイクロソフトの3社は困惑の色を隠せない。

 グーグルは昨年、同社の「スキャン・プロジェクト」と呼ばれる書籍検索サービスが著作権を侵害したとして、米国出版者協会(AAP: The Association of American Publishers)、米国著作者協会(AG:The Authors Guild)、および3人の個人著作者から提訴された。原告側は、著作権で保護された図書館の所蔵本を著作権者の許諾なしにスキャンして検索可能にすることは違法だと主張している。

 これに対してグーグルは、スキャン・プロジェクトについて、著作権がある作品でも限定的な利用が認められる「公正利用の原則」に当たると主張。検索時に作品の内容の一部しか表示されないことを、その論拠としている。

 また、グーグルは今年10月、裁判所を通じてヤフー、アマゾン、マイクロソフトの3社に召喚状を送り、書籍スキャンに関する各社の取り組みについて情報提供を求めた。グーグルは各社から情報を入手し、自社の正当性を主張するために利用しようとしているのだ。

 グーグルのこの作戦は、専門家の間で評価が真っ二つに分かれている。強引かつ異例であり、同社は裁判で有利な立場にはならないとの見方がある一方、著作権訴訟では一般的な防衛手法だと一定の評価をする意見も出されている。

 知的財産訴訟を専門とする法律事務所ブルームバーグ&サンスタインのパートナーであるリー・ブルームバーグ氏は、「召喚状の送付はこの種の訴訟で前例がない」としたうえで、グーグルの作戦をこう批判する。

 「ライバル会社が書籍のスキャンを行っているのであれば、グーグルも自社のスキャン・プロジェクトには違法性がないと主張するだろう。しかし、ライバル会社が召喚状に応じて情報を提供したとしても、グーグルに有利な証拠になるとは思えない。グーグルのやり方は度が過ぎている」

 同氏はまた、この種の召喚状送付は、訴訟に関連した情報を持っている非当事者の第三者から証拠を入手するための手段であると指摘する。例えば、グーグルがビジネス・パートナーや原告の知人に召喚状を送るのであれば、それは理にかなっているのだという。

 一方、ハーバード大学ロースクール バークマン・センターのフェローであり、インターネット関連の法律と知的財産を専門とするウェンディ・セルツァー氏は、まったく別の見解を示す。

 「召喚状の送付は一般的な防衛方法だ。グーグルは書籍のスキャンが著作権者や出版市場に打撃を与えないことを証明しようとしている。グーグルの最終的な目標は、『同社の活動が公正利用の原則に保護されている』というお墨付きを裁判所から得ることだ」

 グーグルが召喚状を送付した3社のうち、ヤフーとアマゾンは召喚に応じないことを表明している。さらに両社は、裁判所に提出した書類の中で、グーグルからの情報請求は不当なものであるとして徹底的に抵抗すると述べている。一方、マイクロソフトは召喚状への対応自体を明らかにしていない。

 ヤフーとアマゾンが召喚状に従わなかったため、グーグルはこの2社とも法廷で争うことになった。グーグルは両社に対し、召喚状に応じる求めを裁判所に申し立てすることができる。裁判所が申し立てを認めた場合、アマゾンとヤフーは上訴することも可能だ。

 グーグルは、ヤフーとアマゾンが召喚に応じなかったことについて、「現在進んでいる訴訟の一部」だとし、両社と話し合いを持ちたいとの意向を示している。

 これに対しアマゾンは、グーグルと会談するか否かについて態度を明確にしていない。一方、ヤフーの法務担当副代表弁護士であるレジー・デービス氏は、「われわれは召喚状に応じて書類を作成することはしないという立場だ」とコメントしている。

 デービス氏も、召喚状送付は攻撃的すぎだとしてグーグルのやり方に批判的だ。ヤフーは、著作権に配慮したアーカイブの構築を目指すOCA(Open Content Alliance)のメンバーであり、著作権に対する考え方がグーグルとはかなり異なっている。

 知的財産専門の弁護士で、法律事務所アレント・フォックスのパートナーを務めるシェルドン・クライン氏は、「グーグルの著作権侵害訴訟だけでなく、召喚状自体を巡って長期の論戦が展開される可能性がある」と語っている。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)




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