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[欧州]
欧州委、MP3プレーヤなどを対象とした著作権料制度の改革を断念

(2006年12月14日)

 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は12月13日、MP3プレーヤといったデジタル・コピー機器などを対象とした著作権料制度の改革計画を棚上げするという、驚くべき発表を行った。

 欧州委員会は、MP3プレーヤなどを対象とした著作権料制度をデジタル時代に適したものへと改めるため、欧州各国が独自に定めている法律の代わりに、欧州全域を対象した規則を設けることを計画していた。

 大半の欧州諸国は現在、MP3プレーヤなどのデジタル・コピー機器や、CD-R、カセット・テープなどのコピー媒体に対し、独自の著作権料を課している。こうした料金を徴収していないのは、現在のところ英国、アイルランド、ルクセンブルグの3国だけだ。

 欧州委員会では、著作権料を欧州で統一する方針を示していた。著作権料によって商品の価格が高騰しているケースが見られるため、徴収額を軽減したいと考えていたのである。

 例えば、スペインで容量80GBのMP3プレーヤを購入しようと思ったら、約300ユーロ(398ドル)もの著作権料を支払わなければならない。CLRA(Copyright Levies Reform Alliance)によれば、オーストリアでは同様の著作権料がわずか8ユーロで済むという。CLRAは、欧州諸国において著作権料の一律化および軽減を目指している企業連合体だ。

 ところが、欧州委員会はここへきて、著作権料制度の改革を断念すると言い出したのである。本来なら、今年末までに改正案が提出されるはずだった。

 欧州委員会の広報担当官であるピア・アレンキルデ・ハンセン氏は、「本件は非常に複雑な問題であり、さらなる熟考を要する」と報道陣に語ったが、法的な作業に関する新しいスケジュールは公表しなかった。

 同氏は、欧州委員会が12月初めにフランスのドミニク・ド・ビルパン首相から書簡を受け取り、計画を中止するよう迫られたことを認めているが、法案の提出時期は同委員会みずからの判断で決定するつもりだと強調した。

 欧州委員会が、EU加盟国全般にわたって導入されている著作権料を一律化する計画に着手したのは2000年のことだ。その後は、ほとんどの著作権料を廃止する論調が強くなり、著作権所有者が作品の複製状況を追跡調査することのできるデジタル権利管理(DRM)も台頭してきた。

 計画を断念するという今回の発表に対し、著作権料制度の改革に取り組んできた企業や業界団体は怒りをあらわにしている。

 CLRAの広報担当官を務めるマーク・マクガン氏は、13日に発表した声明の中で、「欧州の産業界は、欧州委員会が著作権料制度の改革計画に対する姿勢を180度転換したことに、大いに困惑している」と述べている。

 さらに同氏は、「このたびの決定は、著作権料を設定、徴収、還元する際の透明性や効率性、公平性を確立しようとする意思が失われたことを示している」と話し、著作権料制度の改革がこのまま見送られる場合は、複数の大手欧州企業が正式な苦情申し立てを行い、ひいては一部のEU加盟国が何件もの特許侵害訴訟に巻き込まれることになるかもしれないと警告した。

 CLRAの声明には、「著作権料制度の改革は、EUの上層部ではなく欧州裁判所が取り扱う事案になりそうだ」と記されている。

(ポール・メラー/IDG News Service ブリュッセル支局)




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