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[米国]
マイケル・デル氏、デルのCEOに返り咲き

(2007年02月01日)

 みずから選んだケビン・ロリンズ氏にCEO(最高経営責任者)の地位を譲ってから2年半、米国デルの創設者であるマイケル・デル氏が再び経営の舵をとることになった。

 ロリンズ氏の任期中、デルは数々の苦難に直面してきた。最近では、世界一のPCベンダーたる座をヒューレット・パッカード(HP)に明け渡したのに加え、米国証券取引委員会(SEC)から経理操作に関する公式な調査を受けている。

マイケル・デル氏(左)と、CEOを辞任したケビン・ロリンズ氏

 デルが1月31日に発表した声明には、ロリンズ氏がCEOおよび取締役会役員をすでに辞任したと記されている。

 デルの取締役会は、「ダイレクト・モデルを生み出し、過去23年間にわたってこの会社を作り上げてきたマイケル・デルのほかに、今のデルを率いるのにふさわしい人物はいない」と、声明の中で述べている。CEOに返り咲いたデル氏は、取締役会会長を引き続き兼任するという。

 デルは31日、第4四半期(2006年11月-2007年1月期)における収益がアナリストの予測を下回る見込みであることを明らかにしている。同四半期の収支報告は今年3月1日に行われる予定だ。

 ロリンズ氏は1996年、経営コンサルタント企業ベイン・アンド・カンパニーからデルに移籍し、2004年7月にデルのCEOに就任した。CEOとなる前は、社長、COO(最高執務責任者)、副会長を兼務しながら、デル氏と同じオフィスで働き、共同で経営にあたる「ツートップ体制」の一翼を担っていた。

 ロリンズ氏の仕事はすべてデル氏の監督下に置かれていた。しかし、同社の昨年の業績は振るわなかった。

 米国パンドITの上級アナリスト、チャールズ・キング氏は、ロリンズ氏の辞職は特別驚くような出来事ではないと話す。「ここしばらく続いた業績不振の責任をロリンズ氏が取らされたということだ」(キング氏)

 実際、デルは昨秋、2003年末から守り続けてきたPC出荷台数1位の座をHPに奪われている。また、昨年8月にはノートPCのバッテリが発火するという事態を受けて、420万個に上る欠陥品の回収を余儀なくされ、大きな打撃を受けた。

 しかしながら、ガートナーで副社長兼リサーチ・フェローを務めるマーティン・レイノルズ氏は、デルが抱える本当の問題は、HPの復活と、米国以外の市場におけるデルの苦戦にあると指摘する。

 「デルは、海外マーケットの開拓に四苦八苦している。米国の主要なエンタープライズ市場で1ケタ台の成長率しか達成できていないデルに比べ、より賢明な戦略を身につけたHPは、本来自分のものであったシェアを奪い返した」(レイノルズ氏)

 レイノルズ氏によると、米国以外の多くの国では、PCをインターネット経由で注文し、手もとに届くまで待つのを嫌う傾向が見られるという。「例えば中国では、直接販売モデルは通用しない」と同氏。

 デル氏のCEO就任は「一時的なもの」というのがレイノルズ氏の見方だ。世界的な製品供給の行き詰まりを打開できる新たなリーダーを探す間の緊急措置として、デルは創設者をCEOに再び任命したと、同氏は見ている。

 レイノルズ氏は、ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)やフェデックスといった企業で、世界的な小売りビジネスの経験を積んだ幹部クラスの人物が、デル氏の後任に抜擢される可能性があると考えている。

 「デルは、飛び抜けた実力を持つ人材に目をつけるだろう。コンピュータ産業ではない業種の出身者が候補に上がるのではないか。デルが抱えている問題が、技術や実務上のものではなく、明らかに流通チャネルと販売経路に関するものであることがその根拠だ」(レイノルズ氏)

(ロバート・マクミラン/IDG News Service サンフランシスコ支局)




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