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[米国]
バイアコム、10万件以上のビデオ・クリップを削除するようユーチューブに要求

(2007年02月05日)

 米国バイアコム・インターナショナルは2月2日、同社所有のビデオ・クリップを許可なくホスティングし続けているユーチューブに対し、10万件以上のビデオを削除するよう求めた。

 バイアコムは、MTV、VH1、ニッケルオデオン、ニック・アット・ナイト、コメディ・セントラル、パラマウント・ピクチャーズなどを傘下に持つ大手メディア企業。同社は2日、ユーチューブや親会社のグーグルと数カ月にわたって交渉を続けてきたが、忍耐にも限界があるとの声明を発表した。

 「ユーチューブ側には、公正な市場協定を締結したうえでコンテンツをユーザーに提供しようとする意思がないことが明らかになった」(バイアコム)

 これに対してユーチューブは、米国のDMCA(デジタル・ミレニアム著作権法)に基づいたビデオ・クリップの削除要求をバイアコムから受けていることを認めた。ユーチューブは声明の中でバイアコムの要請に従う意向を示し、「当社の熱烈なファンは、これまでバイアコムのコンテンツの販売促進に貢献してきたが、バイアコムがそうした利益を得られなくなるのは残念なことだ」と述べている。

 周知のとおり、YouTubeは世界で最も人気の高いWebサイトの1つだ。しかし、YouTubeを運営するユーチューブは、他人が著作権を所有するビデオを無許可でアップロード/ストリーミングしているとの非難をかねてから受けてきた。

 バイアコムは、適正な代価を支払うことなく自社のコンテンツから利益を得ているとしてグーグルとユーチューブを強く非難。「彼らは、手間とコストをかけてコンテンツを作成している側に正当な報酬を支払っていない」と声明の中で述べている。

 調査会社IDCのアナリスト、ラケル・ハッペ氏とスーザン・フェルドマン氏は、バイアコムの削除要求が先例となって今後同様の動きが広がれば、ユーザーや広告主に対するYouTubeサイトの価値は低下し、ユーチューブが深刻な打撃を受ける可能性もあると指摘する。

 「バイアコムのようなメディア企業と和解できなければ、グーグルやユーチューブの手もとにはつまらないコンテンツしか残らなくなる。仮にそうなったとしても、ほとんどトラフィックを生み出さない膨大な量のコンテンツをホスティングするためのコストをグーグルらは負担し続けなければならない」(ハッペ氏)

 もっとも、今回の件でバイアコムが消費者の怒りを買うようであれば、同社も影響を受ける可能性があると、両氏は話す。「ビデオ・クリップへのアクセスが極端に制限され、YouTubeをはじめとするビデオ共有サイトにアクセスするのが難しいという事態は、バイアコムのオンライン・ビデオ事業にとっても好ましいものではない」

 著作権問題は、ユーチューブにとってかねてから重荷だった。2005年初めに登場したYouTubeは、ヤフーやグーグルなどのライバルを瞬く間に抜き去り、世界で最も人気の高いビデオ共有サイトへと成長した。

 人気の高さに驚いたグーグルは、昨年11月に16億5,000万ドルでユーチューブを買収。この買収は全額株式交換で行われ、そのうちの12.5%は、一部の賠償金支払い義務を保証するため、1年の間エスクロー勘定に繰り入れられたとされている。

 買収後、グーグルとユーチューブは、ビデオ・コンテンツの著作権者と精力的に交渉する一方で、著作権の設定されたビデオが許可なくアップロードされたことを検知する技術の開発に取り組んできた。

 またグーグルは、メディア企業と契約を結ぶだけではなく、個々のコンテンツ所有者に売上金を分配する意向も示しているほか、同様のサービスであるGoogle VideoとYouTubeの統合にも着手している。

 グーグルのCEO(最高経営責任者)であるエリック・シュミット氏は、先週行われた四半期決算に関する電話会見で、「YouTubeブランドを成功させるため、われわれは多大な努力を傾けている。YouTubeはきわめて多くのユーザーから支持を得ており、膨大な数のユーザーが日々の生活でこのサイトを使っている」と語った。

 シュミット氏によると、YouTubeに関してグーグルが最も重視しているのはユーザーの支持獲得だが、各種広告モデルを実験する場にもなっているという。同氏は、YouTubeにおける広告収入が急激に伸びているとしたうえで、「同サイトに投資することの正当性が明確になりつつある」と説明している。

(ホアン・カルロス・ペレス/IDG News Service マイアミ支局)




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