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データセンターは第2世代へ

ITスタッフに求められる新たな役割

(2007年03月09日)

 第1世代のデータセンターが耐用年数を迎えつつあることもあって、ここにきて、データセンターの統合・改築を進める企業が急増している。そして、それにつれて、データセンターを管理するITスタッフの仕事内容にも大きな変化が生じようとしている。

ボブ・ブラウン
Network World オンライン米国版

急増するデータセンター建て替え需要

 「今や、大半のデータセンターは時代遅れだ」──3月6日に米国ボストンで開催されたNetwork World米国版主催の「IT Roadmap Conference & Expo」で、調査会社ネメルテス・リサーチの社長、ジョナ・ティル・ジョンソン氏は、大勢の聴衆を前にそう言い切った。

 実際、ネメルテスが先ごろ65社の企業に所属する82人のIT幹部を対象に行った調査によれば、データセンターのうち約3分の1が「1980年代」に、もう3分の1が「1990年代」に建設されたものであるため、データセンターを保有している企業の大半が、現在、データセンターの整備や統合に追われているという。

 それを証明するかのように、同調査では、回答者の半数以上が、「過去12カ月以内にデータセンターを統合した」もしくは「向こう12カ月以内に統合する計画だ」と答えている(「今から18カ月以内にデータセンター建設に着手する」とした回答者も約半数いた)。

 また、同調査では、「自社のデータセンター戦略はうまくいっている」と答えた回答者が半数を下回り、IT幹部が、急増する電力需要、増え続けるサーバとストレージ、冷却対策の強化、可用性の確保、床設備の改善といった問題の解決に向けて頭を悩ませている状況が浮き彫りとなった。

 ここにきてデータセンターの統合や改築が進んでいるのは、ビルや設備が時代遅れになったからというだけではない。それは、データセンターそのものが、新しいIT技術、新しい管理体制に対応しなければならなくなってきているからでもある。そして、それに伴って──これが、本稿のメインテーマでもあるのだが──ITスタッフの仕事の質も大きく変わりつつあるのである。

 つまり、仮想化技術やSOA(サービス指向アーキテクチャ)などの新技術を導入したことで、データセンターにおいて集中管理の必要性が増し、企業はITスタッフの職務内容の見直しを余儀なくされることになったわけだ。

続々と登場する新職種

 では、ITスタッフ(特に、データセンターのITスタッフ)には、新たにどのような役割が課されようとしているのだろうか。

 そこで、まず現状を明らかにするために、データセンターが、現在どのような方法で管理されているのかを、上の調査で見てみたところ、回答者の半数近くが「(データセンターの管理は)運営担当ディレクターを通じて行っている」と答えていることがわかった。ところが、ジョンソン氏によると、「運営担当ディレクター」は、経費を抑えるといったような管理作業は得意だが、概して長期的な展望は持っていないため、データセンターの管理には必ずしも向いていないというのである。

 むしろ今日のデータセンターでは、施設、コンピューティング、ネットワーキング、管理、セキュリティなど、データセンターにかかわるすべての監視を専任で行う「データセンター・アーキテクト」という職種が求められるようになってきていると、同氏は指摘する。これは、10〜15年先を見据えて、「SOAが必要電力に与える影響」といった問題に取り組む仕事である。

 「このポストを設置している企業はまだごくわずかだが、最近、大きな注目を集めるようになってきた」と語るジョンソン氏は、「データセンター・アーキテクト」が今後、データセンターのかなめとも言える職種になっていくと見る。

 また、ストレージをあらゆる側面から監視する「ストレージのSWAT(Specialist With Advanced Technologies:先端技術を有する専門家集団)」も、今後のデータセンターにおいて、非常に重要な役割を果たすことになると見られる職種だ。

 米国企業改革法(通称SOX法)などに対応するべく(訴訟で情報提示を求められた場合などに備えて)、金融業をはじめとする企業や組織が電子メールなどのデータをため込んでいることもあって、ストレージ需要がものすごい勢いで増大しているからである。

 このほか、ジョンソン氏は、CPUサイクルをユーザーに割り当て、事業の継続性を確保する職種である「コンピュート・マネジャー」の必要性も説く。

 また、最近は、「サービス・デリバリー・マネジャー」という新職種も脚光を浴びつつあるという。これは、仮想化技術が導入されているデータセンターから提供される各種のサービスを、ユーザーが確実に利用できるように管理する職種だ。具体的には、SLA(サービス・レベル契約)の定義および実装、サービス配信メトリックの追跡といった仕事を行うことになる。

 さらに、ジョンソン氏によれば、現在はまだ、そのための特別な職種があるわけではないが(強いて言えば、CIOなど上級IT管理職の仕事になっている)、施設、法務、人事、コンプライアンスなどに携わっている部門と緊密な連携をとっていくような仕事も、データセンターの管理を行ううえでは欠かせなくなってきているという。

 こうした新しい職種を活用することによって、データセンター管理戦略のシフトに成功した企業には、すぐにも大きな成果がもたらされることになる──というのがジョンソン氏の結論である。ちなみに、「仮想化などの新技術導入によるハードウェア・コストの削減」「人件費の大幅削減」、および「組織としての柔軟性の確保と適用能力の向上」などが、ここでの具体的成果となる。




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