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[米国]
グーグルは「Vista」の反トラスト法違反を立証できるか
マイクロソフト有利の見方が“大勢”
(2007年06月12日)
米国グーグルは、マイクロソフトの「Microsoft Vista」に搭載されているデスクトップ・インデックス作成/検索ツールが反トラスト法違反だと訴えている。しかし、たとえこのツールがグーグルの「Google Desktop」のパフォーマンスを遅くするとしても、反トラスト法違反まで証明するのは難しそうだ。
ユーザーがマイクロソフトの「Instant Search」ソフトウェアの代わりに別のソフトウェアを実行できる以上、米国連邦政府の反トラスト局がマイクロソフトに対して改善命令を出すことは考えにくい、というのがアナリストやユーザーの大方の見方だ。
調査会社ディレクション・オン・マイクロソフトのリサーチ担当ディレクター、ロブ・ヘルム氏は、今回のグーグルの主張は、1990年代に司法省を巻き込んだ訴訟にまで発展したブラウザ戦争で、ネットスケープが主張した論点とはまったく異なると指摘する。
「当時、マイクロソフトはPCメーカーとの関係などの強みを生かしてネットスケープに勝訴したが、今回の問題はさらに微妙だ」(ヘルム氏)
「2つのソフトウェアがうまく連携しないなら、それはマイクロソフトの反競争的な戦術に原因がある」というのがグーグルの言い分だが、反トラスト法にかかわる過去の判例を見る限り、そこまで広い解釈が行われたことはないと、ヘルム氏は指摘する。
もし、Vistaのデスクトップ検索ツールのせいでグーグルの検索ツールが遅くなるとしても、マイクロソフトの悪意によるものではなく、製品の設計上たまたまそうなっただけかもしれないことを否定することはできない、というのが同氏に考えだ。
「Instant Searchが完璧に書かれていて、Google Desktopの連携の仕方が悪いことも考えられるし、双方に問題があるのかもしれない。あるいは、それぞれ正しい書き方をしたのに、やり方が異なったためにソフトウェアの衝突を招いた可能性もある」(ヘルム氏)
6月11日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙の記事によると、グーグルはVistaがGoogle Desktop検索ツールの使用を阻害していると提訴するために、4月に連邦政府と州政府の反トラスト局に報告書を送付したという。
Vistaの検索ボックスと検索バーは、StartメニューやWindows Explorerファイル・マネージャなど、OSの複数個所で利用できるが、これらはマイクロソフトの検索/インデックス作成ツールとしか連携しない、というのがグーグルの主張だ。
さらに、グーグルはVistaのインデックス作成をオフにすることはほとんど不可能であり、ライバル・ベンダーはその上に2番目のインデックス・ツールを追加しなければならず、PCの動作が遅くなってしまうと申し立てている。
グーグルの広報担当、リカルド・レイス氏は6月11日、マイクロソフトを告訴していることを認めた。
一方、マイクロソフトはグーグルの訴えに反論し、今年1月に一般リリースを開始したVistaでは、デスクトップ検索の分野で競争を阻害するのでなく、促進するように、連邦政府の担当者らと緊密に協力してきたと説明する。
ただし、マイクロソフトの広報担当、ジャック・エヴァンス氏は、ユーザーがVistaのデスクトップ検索サービスを無効にすることはできるが、ユーザーが簡単に行えるようにはなっていないことを認めている。
その理由について、エヴァンス氏は、「Vistaのデスクトップ検索を設計した際に、パフォーマンスに影響を与えないように配慮したほか、反競争的と受け取られないように、サード・パーティの検索ソフトウェアを含む他のプログラムの実行を阻害しないようにも配慮しているからだ」と説明する。
コンサルティング会社、トゥウェンティシックス・ニューヨークのニュー・テクノロジー担当責任者、アンドリュー・ブラスト氏は、グーグルのデスクトップ検索が登場してからしばらくそれを使っていたが、マイクロソフトのデスクトップ検索がWindows XPで利用できるようになってからは、使い勝手の良さからそちらに乗り換えたという。
「グーグルがブラウザ・ベースにこだわるなか、マイクロソフトはWindowsに統合することを選んだ。さらに、少なくとも当時のグーグルは製品の一部として独自のローカルWebサーバをインストールしており、私はそういう考えをどうしても受け入れられなかった。その点で、マイクロソフトのほうがずっと便利だ」(同氏)
Vistaのベータ版を使ったことのあるブラスト氏は、デスクトップ検索をVistaに統合するのは「当然の成り行き」であり、グーグルの訴えは、同社がオンライン広告/マーケティングの大手、ダブルクリックの買収計画を発表した際に、マイクロソフトが反トラスト法違反で告訴したことに対する仕返しではないかと見ている。
アナリスト会社、カレント・アナリシス・ウェストのリサーチ担当ディレクター、サミール・バーブナニ氏は、マイクロソフトがデスクトップ検索をVistaに統合したのはグーグル対策というよりも、むしろアップルが「Mac OS」にデスクトップ検索を含めたことに対抗するためだと指摘する。
「もしグーグルがマイクロソフトを反競争的だと非難するのであれば、アップルに対しても同様の訴えを起こさなければ不公平だ」とバーブナニ氏は述べている。
(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)































