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【インタビュー】
グーグル幹部が語るGoogle Newsのポリシー

「ニュースの収集・インデックス化は公正利用の範囲内」

(2007年06月14日)

多くのWebパブリッシャーにとって、「Google News」は“痛し痒し”の存在だ。サイト上のコンテンツを勝手に収集しインデックス化する一方で、読者をサイトに誘導してくれるからである。こうしたやり方が議論を呼んでいることをグーグルはどう考えているのか。同社のGoogle News担当プロダクト・マネジャー、ネイサン・ストール氏に話を聞いた。

ホアン・カルロス・ペレス
IDG News Service マイアミ支局

米国グーグルのGoogle News担当プロダクト・マネジャー、ネイサン・ストール氏

 グーグルが提供するサービスの中で、「Google News」は1、2を争うほどの高い人気を誇るニュース収集/検索サイトだ。しかし、サイトからニュースを収集してインデックス化するGoogle Newsに、多くのメディア企業はいらだちを隠せないでいる。実際、これまでにフランスのAFP(アジャンス・フランス・プレス)通信やベルギーの著作権管理団体コピープレスが、発行元に無断でコンテンツをインデックス化するGoogle Newsの“手口”を違法だとして、グーグルを著作権侵害で提訴した(AFP通信は今年4月に和解。関連記事)。

 グーグルは一貫してGoogle Newsの正当性を訴えている。記事の見出し、抜粋、サムネイルの再表示という行為は著作権侵害に当たらず、読者をメディア・サイトに誘導するGoogle Newsはメディア側に恩恵をもたらす、というのがグーグルの言い分だ。

 米国グーグルのGoogle News担当プロダクト・マネジャー、ネイサン・ストール氏は、先ごろIDG News Serviceのインタビューに応じ、Google Newsのポリシーや、競合するソーシャル・ニュース・サイトなどについて語った。

――収入を広告出稿料に依存するWebパブリッシャーは、自分たちのサイトにトラフィックを誘導してくれるGoogle Newsにおおむね好意的だが、米国のAP通信やフランスのAFP通信は違う。彼らの収入の大半は、広告出稿料ではなくサブスクリプション料だからだ。これまでに通信社への対応を考え直したことはあるのか。

 われわれは、コンテンツ制作者とWebパブリッシャーへの対応に関して、「著作物の管理権を本来の発行元に委ねる」というアプローチを一貫して採用している。つまり、ニュースの収集元がどのサイトなのかに関係なく、対価はそのニュースの発行元に支払うべきという考えだ。

 例えば、ある記事が問題になったときに、その記事の発行元がAP通信であれば、問題となったのが配信記事か否かに関係なく、われわれが話し合う相手はAP通信になる。

――AFP通信との和解に至るまでの間、AFP通信のコンテンツをGoogle Newsから完全に取り除くことは技術的に困難だったはずだ。実際、掲載記事は著しく減ったものの、AFP通信のコンテンツが完全に削除されることはなかった。これは、AFP通信の記事が多くのWebサイトに掲載されていることが理由ではないのか。

 鋭い観察力だ。確かにこれは、一般レベルのWebマスターがrobots.txtファイルを使いGoogle Newsの巡回(クローリング)を拒否するだけで解決する問題ではない。

 たとえある新聞社が自社サイトへのクローリングを拒否したとしても、その新聞社は自分たちの記事を別のサイトに販売する可能性もある。となると、Google Newsはそれを検知する手法を編み出さなければならない。あるいはその新聞社が記事を販売した相手サイトに、メタ・タグを使ってGoogle Newsによる当該記事へのクローリングを拒否するよう通知する必要がある。

 AFP通信との係争中、われわれは(AFP通信から)オプトアウト・リクエストを受けた形で処理を施し、AFP通信が配信したニュースがGoogle Newsに含まれないよう全力を尽くした。

――Google Newsにビデオ・コンポーネントを含める計画はあるのか。

 将来計画についてはコメントを控えたい。ただ、Google Newsにおけるポリシーの1つは「ニュース記事の多角的な視点」をユーザーに提供することだ。ビデオも多角的な視点の1つであり、最近はビデオを公開しているサイトも数多く存在する。そのため、Google Newsとしてはこれらをユーザーが簡単に見つけられる形で提供したい。

 その点、グーグルのYouTubeチームはこの分野に熱心に取り組んでいる。Google Newsとしても、ビデオはぜひ開拓したい分野だ。

 ちなみに、今の質問はWebパブリッシャーからも多く寄せられている。彼らはとにかく自分たちのビデオ・コンテンツにトラフィックを誘導したがっている。ビデオのニーズは確かにあるようだ。

――DiggやSlashdotといった、いわゆるソーシャル・ニュース・サイトが人気だが、それと同じようなサービスをGoogle Newsで提供する予定は?

 興味という点で言えば、ソーシャル・ニュースはわれわれが注目している分野の1つではある。しかし、グーグルはすでに、ソーシャル・ニュース関連のサービスをいくつか持っており、Google Newsでもカスタマイズとパーソナライゼーション機能を提供している。

――ユーザーからのフィードバックにはどのように対応しているのか。

 われわれが参考にしているのはWeb Historyサービスであり、ユーザーから直接フィードバックを受けているわけではない。Web Historyサービスには、閲覧された記事を追跡管理する機能が付いており、われわれはこれを通じてニュース記事の品質向上に努めている。

――Google Newsがソーシャル・ニュース・サイトと同じ量のユーザー・フィードバックを受けたとしたら、それをGoogle Newsでのランキングに反映させることはできるのか。

 新たにランキング項目を設けるのであれば可能だろう。例えば、Google Newsのトップ・ページに設けている「most popular(話題のニュース)」セクションのようなものを追加するのであれば、ユーザーからのフィードバックをランキングに反映させることはできる。

 ただしわれわれは、ユーザーからのフィードバックをトップ・ページの記事ランキングに反映させることは考えていない。なぜなら、Google Newsは今でも編集者の視点を重んじており、各国版のトップ・ページの記事ランキングはそれを反映したものだからだ。われわれの重要な目標は、「ジャーナリズムの関心の大きさを反映すること」にある。

――DiggやSlashdotにはないGoogle Newsのメリットは?

 「包括性」はGoogle Newsの大きな特徴だ。ある事柄に関する記事が書かれているかどうかは、Google Newsを使って検索してみればわかる。その事柄を継続的に追跡したければAlert機能を使えばよい。

――Google Newsのランキング・アルゴリズムには、「記事の品質や第一報を伝えた記事を考慮に入れていない」との批判が一部にある。これについて反論があれば聞きたい。

 そうした批判があるのは知っている。そこでわれわれは、Google News各国版の編集長たちと直接会い、現行のランキング・アルゴリズムの改善すべき点について意見を聞いたりしている。

 確かに、Google Newsのランキングに記事の速報性などを反映できるようになれば理想的だ。完璧に機能していない部分がGoogle Newsにあることをわれわれも承知している。

――ニュースの発行媒体の記者と話す機会はどれくらいあるのか。

 ここ最近、世界各地で(メディア)コンファレンスやツアーを催しており、記者と接する機会は以前よりも増えている。しかし、すべての記者と個々に会えるわけではないので、もっと機会を増やしたいと常々考えている。記者向けのオンライン・サポートに力を入れ、彼らの懸念や提案、質問、コメントを募っているのは、機会を増やすことが目的でもある。

――ニュースを発行している報道機関の中で、Google Newsが使用料を支払っているところはあるのか。

 Google Newsにおける記事の扱いはあくまでも公正利用の範囲内だと固く信じている。それに異議を唱える人がいれば、喜んで彼らと話し合い、協力し合って、彼らのコンテンツをGoogle Newsから削除するよう努める。

 グーグルの検索サービスにはトラフィックの誘導という価値があり、大半のパブリッシャーはこれに参加したいと考えている。ただし、トラフィックの誘導以外、つまり記事の公正な利用の範囲を超えたところでコンテンツ・プロデューサー(マップ・プロデューサー、衛星画像プロバイダー、ビデオ・パブリッシャーなど)と協業したい場合は、コンテンツ利用料に関する契約関係を結ぶことになるだろう。

――Google Newsに広告を掲載する計画はあるのか。

 われわれは現在、Google Newsの品質向上に注力している。先ほど指摘を受けたいくつかの問題こそ優先課題であり、今はそれに集中したい。

(Computerworld.jp)




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