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[米国]
ユーチューブ、インビデオ広告を開始

画面下部のオーバーレイ部分をクリックすると動画広告が表示

(2007年08月23日)

 グーグル傘下の米国ユーチューブは8月22日、ビデオ画面の一部に広告を入れるという取り組みを開始した。広告はビデオ画面の下部にオーバーレイの形(透けた形)で一時的に表示され、視聴者がそれをクリックするとビデオは停止し、広告のアニメーションが表示されるという仕組みだ。同社のブログによると、得られた広告収入はビデオ・コンテンツのオーナーにも分配されるという。

インビデオ広告のサンプル。画面下部20%の面積にオーバーレイ広告を表示

 こうしたYouTubeの「インビデオ広告」モデルについて、アナリストらは一様に、視聴者の許容レベルと広告の費用対効果をうまくバランスさせていると述べている。米国の調査会社ガートナーのアナリスト、アレン・ワイナー氏は、このモデルが成功するかどうかはわからないとしながらも、広告を目障りに感じさせないよう配慮している点を評価している。

 「オンライン・ビデオの途中や前後に広告を挿入するやり方は視聴者の反発を招きやすい。あまりに目障りだからだ。また、ビデオを途中で停止し、別のポップアップ・ウィンドウに広告を表示するというやり方にしても、非常に煩わしくて視聴者の不快感を招く」(ワイナー氏)

 フリーランスのマーケティング・アナリスト、グレッグ・スターリング氏も、「視聴者はビデオ・プリロール(ビデオの本編前に出てくる広告)を毛嫌いする傾向が高いため、広告の見せ方には十分な注意が必要だ」と指摘。その点、グーグルとユーチューブは細心の注意を払っていると語った。

 「グーグルは過去の経験から、プリロールでは離脱率(最後まで視聴されない率)が高いことを熟知している。新たな方式は、基本的に広告が表示されないことに慣れているYouTubeユーザーと、ビデオ・ストリームに広告を掲載したい広告主およびグーグルの双方の利害バランスをとる意味で、非常に興味深い手法だ」(スターリング氏)

 スターリング氏によると、ユーチューブのアイデアは、以前に「Google Video」で画面最上部にオーバーレイの広告を配置し、そこをクリックすれば本編のビデオが一時停止するという実験にヒントを得たものだという。ユーチューブはこれらの広告を限定的かつ選択的に配信しているため、視聴者はすぐに見慣れると同氏は考えている。

 一方、広告主や広告代理店にとっては、思わずクリックしたくなるようなフラッシュ・アニメーション広告を制作できるかが重要になる。「優れた広告を作れば、単に受け身でビデオを見ているユーザーではなく、本当にその広告に興味を持ったユーザーを引き付けることになるので、大きな効果が期待できる」(スターリング氏)

 米国ジュピター・リサーチのアナリスト、ジョー・ラズロ氏によると、広告主はオンライン・ビデオに広告を出稿することにかなり前向きだという。「プロ、アマを問わず、さまざまなビデオを同じサイトで見られるYouTubeは魅力的な広告媒体だ。広告主が安心して出稿するのはプロが制作したビデオであり、広告主に一定の安心感を与えるためにも、この新しい広告フォーマットは慎重に精査したプロのビデオに使われるだろう」(同氏)

 ビデオが始まるまで30秒間も広告を見続けることに耐えられない視聴者でも、20秒間のオーバーレイ広告なら我慢できるとユーチューブは判断、今回のインビデオ広告に踏み切ったのだとラズロ氏は推測する。「ユーチューブは、以前からショート・ビデオの開始前にビデオ広告を流すことに疑問を感じていたのだと思う。オーバーレイ広告なら、広告主にとってはダイナミックでおもしろい、なおかつ視聴者にとっても目障りでない広告を提供できるというわけだ」(ラズロ氏)

 ラズロ氏によると、これに似た広告は、サンフランシスコの広告ベンチャーであるビデオエッグなどの企業ですでに使われてきたという。

 ラズロ氏は最後に、こう語った。「最終的にだれにとっても納得のいく形態になれば幸いだ。視聴者がオーバーレイ広告フォーマットを受け入れ、広告主が視聴者の良好な反応で売上げを伸ばし、グーグルとユーチューブがそれによって満足のいく利益を上げられるのがいちばん良い」

(リンダ・ローゼンクランス/Computerworld オンライン米国版)




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