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[米国]
マイクロソフト、グーグルのダブルクリック買収反対キャンペーンを開始

表向きは「オンライン・サービスの自由競争について業界で議論する」とアピール

(2007年09月25日)

icompのトップページには、icomp設立の目的として「オンライン・サービスの著作権、プライバシー、自由競争について業界全体で議論をするため」とある。グーグルのダブルクリック買収は、あくまで「議論のたたき台」というスタンスだが…

 米国マイクロソフトは9月24日、米国の大手PR/マーケティング会社バーソン・マーステラと共同で、米国グーグルによるダブルクリック買収を阻止するキャンペーン「icomp」(Initiative for Competitive Online Marketplace)を開始した。

 icompのWebサイトには、「icomp設立の目的は、オンライン・サービスの著作権、プライバシー、自由競争について、業界全体で議論をすること」とある。

 しかしほんとうの目的は、グーグルのダブルクリック買収が独占禁止法に抵触していないかを精査し、買収を阻止するよう、IT業界に働きかけていくというものだ。

 バーソン・マーステラによると、同社はマイクロソフトの意向を受け、“自由なオンライン・サービス市場の創造”に興味を持つ100以上の企業/消費者団体などに、グーグルのダブルクリック買収案をたたき台に、「オンライン・サービス市場の原則を守る嘆願書」に署名するよう、働きかけているという。

 現時点でicompに賛同しているのは、マイクロソフトとバーソン・マーステラだけだ。しかし、英国バーソン・マーステラで社長を務めるギャビン・グラント氏は、そのほかにも賛同者がいるとし、近日中にicompに賛同した企業/団体名を公表することを明らかにした。

 グラント氏は、電子メールを送信した企業/団体のリストを公開していない。もちろん、そのリストの中にグーグルがあるのかどうかも明らかにしていない。なお、IDG News Serviceはグーグルに対し、icompについてコメントを求めたが、回答を得ることはできなかった。

 グラント氏はicomp設立の目的が、グーグルのダブルクリック買収阻止だとは明言していない。あくまでも「グーグルのダブルクリック買収に懸念を抱いている企業や消費者団体とともに、オンライン・サービス市場が競争原理を維持できるよう、議論していく場だ」としている。

 しかしicompの嘆願書が、グーグルのダブルクリック買収に反対するものであることは明らかだ。反対派は、同買収が成立した場合、グーグルがインターネット上の広告の80%を支配し、独占禁止法に抵触すると主張している。

 グーグルのダブルクリック買収に懸念を表明しているのは、マイクロソフトだけではない。今年4月20日には米国の3つの市民団体が、インターネット・ユーザーのプライバシー保護の保証を両社から得られない場合は買収を差し止めるよう、米国連邦取引委員会(FTC)に申立書を提出している。

 こうした主張に対し、グーグルは自社のブログで、「マイクロソフトや米国ヤフーなども、オンライン広告と消費者マーケティング戦略を強化するため、企業買収を行っている」とし、ダブルクリック買収の正当性を主張している。「ダブルクリック買収は、他社の競争を阻害していない」というのがグーグルの言い分だ。

 もちろん、マイクロソフトはそうした意見に真っ向から反論している。マイクロソフトで広報を担当するジャック・エヴァンス氏は9月24日、グーグルのダブルクリック買収計画がなければ、icompは設立しなかったと認めている。

 「グーグルによるダブルクリック買収は、オンライン・サービス市場の競争、消費者のプライバシー、著作権保護に、深刻な疑問を投げかけるものだ」(エヴァンス氏)

 一方こうしたマイクロソフトの動きを、単なる負け惜しみだと見る向きもあるようだ。マイクロソフトもダブルクリックの買収を試み、グーグルと競い合っていたといううわさは、IT業界で広く知られている。

 ちなみにマイクロソフトは今年5月、オンライン広告/マーケティング・サービス企業の米国アクアンティブを60億ドルで買収し、インターネット広告ビジネスの拡充を図る方針を明らかにしている。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Serviceニューヨーク支局)




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