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[世界] 【IT・ゆく年くる年】
2007年は「再編の年」――IT業界の1年を振り返る

IDG News Serviceが選んだ2007年の10大ニュース

(2007年12月25日)

Androidに変身したGoogleフォン

 さまざまな憶測が飛び交っていた、いわゆる“Googleフォン”に関する2007年11月の発表は、期待以上であり期待以下でもあった。

Androidの詳細は「Open Handset Alliance」のWebサイトから入手できる

 このGoogleフォンについては、1年ほど前から「Googleが携帯電話機を投入する」とうわさになっていた。だが、結果的にGoogleとパートナー企業が披露したのは携帯デバイスではなく、そのソフトウェア基盤となるLinuxベースのOS、すなわちAndroidだった。

 この共通プラットフォームを用いることで、開発者は多様なネットワークを利用するさまざまなデバイス向けのアプリケーション開発が可能になり、開発者と一般消費者が現在直面している複雑な環境が改善されると、Googleは主張する。

 しかし、Androidが普及すると、ソフトウェア・ベンダーは既存プラットフォーム対応のアプリケーションに加え、Android対応のものも開発しなければならなくなる。それゆえ、Androidは状況を複雑にするだけとの懐疑的な見方も少なくない。

 Androidベースの携帯電話機は2008年半ばに登場する見込みだ。2008年は、SymbianやWindows MobileとAndroidとの競争が注目される。

UGCを巡るViacomの対Google訴訟

 大手メディア企業のViacom Internationalが2007年3月、Googleを相手取り10億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こした。Viacomは、Google傘下のYouTubeがTV番組や映画のクリップ・ビデオを無許可で掲載したと主張している。

 この訴訟は、Webに存在するユーザー生成コンテンツ(UGC)の根本的問題をあらためて提起した。YouTubeなどに投稿されるUGCが一定の法的基準を満たしていることをどのように保証するべきかという問題だ。

 Viacomによると、2007年3月の時点で、同社が著作権を有する16万本近くの動画クリップがYouTubeユーザーによって同サイトにアップロードされ、またこれらクリップの閲覧回数はおよそ15億回に上るという。

 Google側は、著作権対策の1つとして、アップロードされたビデオと正規ビデオのリポジトリを照合し、必要に応じて著作権侵害素材を停止/削除できる違法コピー防止システム「Video Identification」を2007年10月に発表した。

 いずれにしろ明らかなのは、UGCを巡る法的争いと監視システムにかかるコストは今後も増え続けるということだ。結局のところ、UGCは「フリー」ではないのである。

ビジネスへの影響力を増すSNS

 SNS大手のFacebookが2007年10月に2億4,000万ドル相当の自社株をMicrosoftに売却すると発表したことは、テクノロジー業界におけるSNSの重要性をあらためて知らしめた出来事だった。自社サイトに流れ込むトラフィックのビジネス活用をいまだ見いだしていないにもかかわらず、Microsoftとの契約によりFacebookの時価総額は150億ドルと評価されている。

 Facebookのこうした影響力はGoogleをも動かした。卓越したインタラクティブ機能と開発プラットフォームで知られるFacebookに対し、Googleは対抗策を講じようと躍起になっている。

 ただし、SNSを活用したビジネスでのプライバシー問題も表面化している。つい先日も、Facebookの広告システム「Beacon」がユーザーの行動を追跡するものとして非難されたばかりで、この論争は当分続きそうだ。

AMD期待のBarcelonaが出荷延期に

 クアッドコア・プロセッサ「Barcelona」(開発コード名)の先進性を宿敵Intelに再び見せつけたい――。そうAMDは望んでいたが、その思いを果たすのはもう少し先になりそうだ。

Barcelonaチップは設計ミスで出荷延期の憂き目に

 AMDはかつて、同社がリリースした64ビット・アプリケーション対応のOperonプロセッサでIntelを出し抜き、市場シェアを拡大した。AMDが今ほどビッグ・ベンダーに成長していなかった2003年のことだ。

 しかしその後、Intelは自社製品の価格を引き下げるとともに、新たな64ビット・クアッドコア・プロセッサをAMDに先行して投入、シェアを取り戻した。AMDは2007年9月にBarcelonaプロセッサを発表し反撃を開始したが、もはや遅すぎるとの見方が市場を支配しつつある。

 2006年のATI Technologies買収に足をひっぱられ、マージンとコスト縮小を強いられたAMDは、2007年10月に4半期連続で赤字を計上した。同社はその2カ月後の12月、Barcelonaの設計変更に伴い、同プロセッサの量産出荷時期を延期すると発表している。

企業のVista移行は2008年が本番――「昔ながらのアップグレード」は同OSで最後?

 2006年11月の企業向けリリースに続き、2007年1月には個人向けバージョンがリリースされたWindows Vistaについて、Microsoft幹部は当初、同社創設以来の大規模なOSメジャー・アップグレードとなると喧伝していた。

 しかし、ふたを開けてみると、Vistaへの移行を2007年は見送るという企業が大半を占めた。複数の市場分析調査によると、Vistaの安定性と互換性に対する懸念がアップグレードを躊躇させているようだ。

 Microsoftによると、現在のところ移行の進捗状況は新OSとしては標準的だという。2007年11月時点でのVistaの販売本数は8,800万本だったと、同社では説明している。

 かねてよりビル・ゲイツ(Bill Gates)氏は、主要製品のアップグレードは大々的なマーケティング・イベントとともに促進されると言い続けてきた。だが、好きなときに増分アップグレードするというのが今では主流である。もしかしたら、Vistaは昔ながらのアップグレード形態を維持する最後のOSになるかもしれない。

(Marc Ferranti/IDG News Service ニューヨーク支局)


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