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[英国/世界] 【Datamonitor調査】
教育機関がオープンソース・ソフト導入に積極的な理由

「思想的よりも戦略的に利用している」と専門家

(2008年01月25日)

 英国の市場調査会社Datamonitorは1月24日、オープンソース・ソフト/サービスに対する教育機関の支出が増加傾向にあると発表した。同社は、この傾向が今後数年間は継続すると予測している。

 Datamonitorによると、義務教育機関や大学などがオープンソース・ソフト/サービスに支出する金額は、現在の2億8,620万ドルから2012年には4億8,990万ドルに増加する見通しだという。

 この数字は、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、オーストラリア、インド、デンマーク、フィンランド、オランダ、スペイン、ノルウェー、スウェーデン、イタリアの学校幹部およびベンダーへの聞き取り調査を基に算出されたものである。同数字には、OSや学習管理システムのメンテナンス/サポートの費用などが含まれている。

 上記14カ国の教育機関の平均IT予算は年間90億ドルである。オープンソース・ソフト/サービスへの支出は、そのうちの一部にすぎないが、全般的にオープンソースへの関心が高まっていることは伺える。

 Datamonitorで教育分野の調査を担当する副アナリスト、ジャスティン・デビッドソン(Justin Davidson)氏は、「(われわれの予測が)オープンソースを過大評価しているとは思わない。2012年以降のオープンソース・ソフト/サービスへの支出額は横ばいになるだろう」と述べている。

 Davidson氏は、教育関係者がオープンソース・ソフト/サービスに積極的な理由について、「アプリケーションの開発や管理を、自分たちで行えると考えているからだ」と指摘する。また同氏は、「コストを理由にオープンソース・ソフト/サービスを導入したいと考えている一部の教育機関もある」と語る。

 ただし、多くの教育機関は、オープンソース・ソフトにはメンテナンスやサポートの費用が必要で、結果的にベンダーの独自製品よりも高額になるケースが多いことも認識しているという。

 なお、特定のベンダーをもうけさせたくないという“思想的理由”でオープンソース・ソフト/サービスを選択している教育機関は、ごく少数だという。「ほとんどの教育機関は、戦略的な判断に基づいてオープンソース・ソフト/サービスを採用している」(Davidson氏)

 Datamonitorは、オープンソース・ソフト/サービスの普及を促しているもう1つの要因として、行政機関のオープンソースに対する関心の高まりを挙げている。実際、インドの一部の地方自治体やフランス政府は、教育機関に対してオープンソース・ソフト(特にOS)の利用を奨励している。

 さらにDavidson氏は、教育ソフトやeラーニングの販売を手がける米国Blackboardに対する不満も、オープンソース・ソフト/サービスの導入を促す要因になっていると指摘する。

 Blackboardは2005年にカナダの教育ソフト・ベンダーWebCTを1億8,000万ドルで買収し、教育分野におけるソフト/サービス市場で70%のシェアを占めるようになった。多くの教育機関は、将来Blackboardが同市場を独占するのではないかという不安を抱えているという。

 ただし、開発者を雇ったり独自のIT部門を設立したりする予算がない教育機関にとって、Blackboardのソフトが“魅力的”に映るのも事実だ。Davidson氏は、ベンダーの独自製品とオープンソース・ソフトが、相互補完し合うような利用形態が好ましいとしたうえで、「オープンソース・ソフト/サービスへの支出が増加しているからといって、ベンダーの独自ソフトが教育機関から消滅するわけではない」と述べている。

(Jeremy Kirk/IDG News Service ロンドン支局)




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