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[米国]
Yahoo!買収でMicrosoftとGoogleが火花、両社の舌戦は独禁法違反論争へ

互いに相手の同法違反を非難

(2008年02月05日)

 米国Yahoo!への買収提案を巡り、米国MicrosoftとGoogleが舌戦を繰り広げている。2月3日、Googleの法務責任者が公式ブログを通じてYahoo!買収への懸念を表明すると、それから2時間も経たないうちにMicrosoftがGoogleに反論を行った。両社の非難合戦は今後、独占禁止法違反論争に展開することが予想される。

 Googleの最高法務責任者であるデビッド・ドラモンド氏(David Drummond)氏は3日、同社の公式ブログにおいて、MicrosoftのYahoo!買収提案はインターネットの基本原則(開放性と革新性)を脅かすものだと述べ、独禁法違反という切り札を使ってMicrosoft批判を展開した。

 「Microsoftはこれまで、不適切かつ違法な手段でPC市場に影響力を行使してきたが、これと同様の手口でインターネットをも支配しようとしているのだろうか?」(Drummond氏)

 Drummond氏はさらに、「競争が革新性を生み出す世界、それがインターネットだ。なのに、Microsoftはこれまで何度もプロプライエタリな行動をとり、その独占性を利用して新しい市場に参入してきた」と指摘。とりわけIM(インスタント・メッセージング)、ホスティング・ベースのWebメール、およびポータルの3つの分野でMicrosoftの影響力に強い懸念を示している。

 同氏は具体的な例として、MicrosoftとYahoo!のユーザーを合計したときのIMおよびWebメールのアカウント数のシェアが膨大になること、また両社がインターネット上で最もアクセスの多いポータルを運営していることを挙げ、「消費者が競合他社の電子メールやIM、Webベースのサービスなどにアクセスできないよう不適切な制限を行うなど、PCソフトウェアの独占的地位を利用する可能性が両社にはあるのでは」との疑問を投げかけた。

 ここで、Drummond氏の主張を客観的な数字で検証してみよう。

 米国の調査会社comScore Media Metrixのデータによると、MicrosoftとYahoo!を合わせたWebサイトのトラフィックは間違いなくナンバーワンだ。両社サイトの合計ビジター数は昨年12月時点で10億2,000万人となり、これはGoogleの5億8,800万人のおよそ倍に相当する。

 しかし、Googleは検索市場で圧倒的リードを保っている。comScoreによるグローバルな検索エンジン・シェアの最新データによれば、Googleのシェアが62%であるのに対し、Yahoo!とMicrosoftのシェアは合計でも16%にすぎない。

 Googleは過去にも、Microsoftが自分の縄張りに侵入してきたと見なしたときには、独禁法違反の議論を持ち出している。例えばGoogleは2006年末、Windows Vistaに備わるデスクトップ検索機能がMSN以外の検索エンジンを選択できないようにしていると主張。「連邦政府との同意に反し、ユーザーに不利益を与えている」として、Microsoftを米国司法省に提訴した。

 これに対しMicrosoftは、このときは譲歩する作戦をとった。同社は昨年6月、VistaのService Pack 1(SP1)リリース時に他の検索エンジンを利用可能にすると約束し、司法省および独禁法規制当局との合意に達している。なお、Vista SP1は近日中にリリースされる見通しだったが、Microsoftは4日、リリースを6週間後に延期すると発表した。

Microsoftはすぐさま反論

 Drummond氏のコメントがブログに掲載されてからわずか1時間30分後、Microsoftの法律顧問であるブラッド・スミス(Brad Smith)氏が声明を発表し、MicrosoftとYahoo!の合併は競争を阻害するどころか市場に競争をもたらすとして、Googleへの反論を行った。

 Smith氏は、「両社が合併すれば、インターネットの検索市場およびオンライン広告市場において第2位の位置につけることができ、より強い競争力を発揮できる」と、声明の中で述べている。

 その根拠として同氏が示したのが、オンライン広告市場でのGoogleのシェアである。同氏は、有料広告収入の75%をGoogleの検索サイトが占めるというデータを示し、同市場におけるGoogleの独占性を強調。Yahoo!と合併しなければ競争が減る一方だとの議論を展開した。

 「Microsoftは、インターネットにおける開放性と革新性、プライバシーの保護に注力している。MicrosoftとYahoo!の合併は、これらの目標に近づくものだと確信している」(Smith氏)

 MicrosoftのCEOであるスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏も、2月1日に買収提案をYahoo!に申し入れた際、オンライン広告市場が1社(Google)独占の状態であることに言及しており、市場の競争強化を買収の主な目的として掲げている。

 Smith氏は3日、アナリストや報道各社との質疑応答において、「Yahoo!に買収を申し入れることができない立場にある唯一の企業、それはGoogleだ」と語った。GoogleがYahoo!を買収すれば、オンライン検索市場で圧倒的なシェアを持つことになり独禁法に違反すると、同氏は指摘した。

 しかし先に述べたように、Googleの側も、MicrosoftとYahoo!の合併を独禁法違反という理由で阻止しようとしている。GoogleのDrummond氏は、問題点をすべて洗い出すには相当な時間がかかるとしたうえで、「われわれはインターネット文化の核となる開放性、選択の自由と革新性を重要視している。今回の買収の是非を検討する際は、インターネット・ユーザーの利益が最優先されるべきだ」とブログに記している。

 MicrosoftのYahoo!買収提案が公になった1日、欧州連合(EU)の独禁法監督機関は、買収承認を申請するかどうかは買収を申し入れる側の企業(この場合はMicrosoft)次第だとして、買収提案に対してはノーコメントの立場を明らかにした。

 一方、同じ日にSan Jose Mercury Newsなどのメディアからコメントを求められた米国司法省の広報担当、ジーナ・タラモナ(Gina Talamona)氏は、「今回の買収提案について、独禁法監視部門が市場における競争力向上を検討する可能性はある」と述べ、独禁法に関連した調査を行う可能性を示唆している。

(Gregg Keizer/Computerworld オンライン米国版)




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