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[欧州]
欧州委、IPv6への早期移行をEU加盟国に要請
公共機関では2010年までに完全移行を目指す
(2008年05月28日)
欧州連合(EU)の行政執行規制機関である欧州委員会は5月27日、EU内の公共機関などに対し、2010年までに、現行のインターネット・プロトコルIPv4から新バージョンのIPv6へと移行するよう促す声明を発表した。
この移行に伴い、欧州全体のインターネット基盤においても、その4分の1が2010年までにIPv6への移行を完了すると、欧州委は見ている。
同声明は、27カ国が加盟するEU諸国の公共機関への注意喚起を目的に発せられた。欧州委は各公共機関に対し、インターネット、公共Webサイト、電子政府サービスなどで率先してIPv6を採用するとともに、遅滞なく移行するよう促した。
欧州委の説明では、IPv4からの迅速かつ効率的な移行は、消費者の余分な出費を回避することにつながるほか、EUの企業にとっても世界の国々と競争するうえで有利に働くという。
欧州委の情報社会およびメディア担当委員、ビビアン・レディング(Viviane Reding)氏は、「公共機関や企業は、(IPv4で問題が生じないうちは)IPv4で事を済まそうと考えるかもしれない。しかし、今のままでは最新のインターネット技術を活用するうえでEUは不利な立場に置かれ、古いシステムのアドレスが足りなくなったとき危機に直面することになる」と述べた。
IPv4では約43億のアドレスが利用可能だが、そのうち、未使用で新規の接続に利用できるのは約7億(16%)である。一方、新しいIPv6では、ほとんど無制限にIPアドレスが利用できる。そのため、数が多すぎてIPアドレスを付与できない家電製品などでもIPv6ならばサポートできる。
「もしも、ヒーター/照明などの家電製品や、カー・ナビゲーション・システム、店舗/工場/空港内に設置されるICタグなどにIPアドレスを付与しようとしたら、それだけでIPアドレスの需要は1,000倍増えることになる。われわれはEU加盟諸国の公共機関や産業界に対し、必ず2010年までにIPv6を採用するよう要請した」(Reding氏)
主要ベンダーが市場投入している最新のPC/サーバ・ソフトウェアの大半は、すでにIPv4だけでなくIPv6にも準拠している。しかし、現在職場などで使われているPCやサーバ本体は、まだ古いIPv4アドレスでしかアクセスできないものがほとんどである。
欧州委によると、欧州におけるIPv6アドレスの取得率は世界の他の地域よりも高いという。その背景には、すでにIPv6への完全準拠を達成している欧州の研究ネットワーク「GEANT」などの存在がある。しかし、より広いコミュニティでの採用はまだ低調だと、欧州委は見ている。
世界に目を向けてみると、例えば中国では、北京オリンピックの前にIPv4とIPv6の両方に準拠したネットワークを構築する計画が進められているが、その目標が達成可能かどうかはまだ不明だ。一方、日本など、すでに公衆IPv6インフラ・バックボーン(NTT所有)を持っている国もある。
米国では、IPv6サポートを政府調達の必要条件としてIPv6への移行が始まっている。しかし、EU同様、より広いコミュニティでの採用は米国でもなかなか進んでいないというのが実情だ。
欧州委はこれまでに9,000万ユーロ(1億4,000万ドル相当)をIPv6のリサーチに投資してきた。5年前には、IPv6への移行に備えるアクション・プランが開始され、IPv6の開発経験を有する専門家を増員する計画などが進められている。
(Paul Meller/IDG News Serviceブリュッセル支局)
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