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[中国]
「オリンピック後」を描く中国、初の宇宙遊泳プロジェクトは成功裏に終了
愛国心に火を付ける一方で、若い世代には「今さら感」も
(2008年10月06日)
夏季オリンピックの聖火が消えた今年8月24日、15年前のオリンピック誘致活動に始まる中国現代史の一幕もまた、終わりを告げた。それからちょうど1カ月後の9月下旬。人々の関心が“次の一手”に移りつつあるのを受け、中国政府は秘密裏に進めてきたプロジェクトを実行に移した。中国人初の宇宙遊泳がそれである。
| 「神舟7号」の打ち上げ成功を伝える中国政府のWebサイト |
中国が有人宇宙船「神舟7号」を打ち上げ、3名の「太空人(中国標準語で宇宙飛行士を指す)」を宇宙へ送り出したのは9月25日のこと。その2日後には、ジャイ・ジーガン(Zhai Zhigang)氏が中国人としては初めて、宇宙遊泳を行った。
2000年夏季オリンピックの招致に初めて名乗りを上げてから、今年の北京オリンピック開催に至るまでのおよそ15年間、中国政府は自国の人民と国際社会に国力を誇示するべく、大規模なプロジェクトの遂行を常に視野に入れてさまざまな取り組みを進めてきた。
例えば、1989年に起こった天安門事件の記憶も新しい1990年にはアジア競技大会を主催。その後、1997年の香港返還や、1999年の中華人民共和国成立50周年記念などを経て、中国は未来を見据えることに力を注いできた。
しかし、9月の宇宙飛行計画はそうした類のイベントとは一線を画していた。同プロジェクトは、多くの科学者やエンジニア、無数の関係者が力を合わせて実現させたものの、プロジェクト自体はまったくの極秘裏に進められたのだ。中国人初の宇宙遊泳は、オリンピック後に行き場を失いつつあった人民の愛国心に再び火を付ける結果となった。
だが、テクノロジー志向の強い現世代にとっては、有人宇宙飛行プロジェクトは「今さら」なものに映ったのかもしれない。宇宙開発競争への同国の参入は、結果的にロシアや米国よりほぼ半世紀も遅れてしまった。
もっとも、現在の中国では、宇宙飛行計画を利用して発展を促す必要などないと言ってよい。同国はすでに、インターネット市場や携帯電話市場といった多数の技術市場分野で優位を保っているからである。アジア地域では、コンピュータの製造および消費においても同国は最大の存在だ。中国はインターネット革命の第1段階に突入し、同分野ではほかのどの国にも不可能な高みにまで到達しようとしている。
ちなみに、世界を揺るがす功績を上げた中国人は技術企業家であるケースが多い。彼らのサクセス・ストーリーは、まさに古き良き中国そのものだ。貧しい中から身を起こし、教育を受ける機会を賢く使い、まずは海外で勉強をしてから、富をもたらすビジネス・チャンスをつかみ取ってきたのだ。
中国人初の宇宙飛行士であるヤン・リーウェイ(Yang Li-wei)氏や、今後現れるであろう、初めて月に降り立つ中国人の名前は永遠に記憶されるだろうが、同国の若者にとっては、AlibabaやBaidu、Tencentなどの企業を創立した人物たちが格好のお手本となっている。宇宙飛行士にしろ技術起業家にしろ、どちらにしても中国の持つ可能性は青天井と言っても過言ではないのだ。
(Steven Schwankert/IDG News Service北京支局)
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