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[米国]
オバマ次期政権がCTOを募集、政府データの検索性向上を目指す
連邦政府によるCTO募集は初。IT業界の大物が就任?
(2008年11月10日)
バラク・オバマ(Barack Obama)次期大統領“肝いり”のIT計画が先週、静かにスタートした。この計画は、連邦政府機関のデータをGoogleのように簡単に検索可能にするというもので、計画実現に向けてCTO(最高技術責任者)の募集が開始された。
| 募集ページ |
新政権の仕事への応募手段などは、このほど新設された「Change.gov」サイトに掲載されている。募集ポストの中で注目すべきは、連邦政府機関のITシステムを統括するCTOである。米国連邦政府がCTOを置くのはこれが初めてとなる。
もっとも、職務内容の説明からすると、連邦政府のCTO職は正直言ってエキサイティングな仕事とは思えない。この説明はITマネジメントの入門書からコピーしたもののように見える。「連邦政府機関のITを統括し、各機関がクラス最高の技術を活用でき、ベスト・プラクティスを共有できるよう導くこと」とされているからだ。
ならば、連邦政府のCTOが最初に着手するべきことは何か。米国航空宇宙局(NASA)のCIOと国防総省の防衛情報担当ディレクターを務めたポール・ストラスマン(Paul Strassman)氏に言わせれば、それは「政府のITマネジメントの課題と情報政策を定義すること」である。これらを定義すれば、技術的なことはおのずと規定されると、同氏は力説する。
オバマ氏が連邦政府のIT面で目指す目標の1つが、政府機関のデータをGoogle検索のように簡単に検索できるようにすることだ。そのためには、政府のデータを、ユニバーサルにアクセスできるフォーマットに移行し、透明性とアクセス性を向上させることが必要になる。現在でも多くの連邦政府機関がデータをオンラインで公開しているが、そのフォーマットはバラバラで、ユニバーサルなアクセスには程遠いというのが実情だ。
こうした現状を改善に導くCTOにだれが就任するのか。メディアではIT業界の大物の名前が数多く取りざたされている。例えば、GoogleのCEOであるエリック・シュミット(Eric Schmidt)氏(新政権の経済顧問チームの一員として、11月7日にオバマ氏と顔を合わせた)、MicrosoftのCEOを務めるスティーブ・バルマー(Steve Ballmer)氏、Sun Microsystemsの共同創設者として知られるビル・ジョイ(Bill Joy)氏といった面々だ。
新政権への移行チームの一員としてオバマ氏のCTO選びを手伝うのが、Googleのグローバル展開責任者ソナル・シャー(Sonal Shah)氏と、新興企業の支援を行うLaunchBox Digitalの共同創設者ジュリアス・ジナチョウスキー(Julius Genachowski)氏である。
だが、バルマー氏やシュミット氏のような要職にある人物が、連邦政府機関を相手にするフラストレーションだらけの職種を前向きに検討するかは疑わしい。
ホワイトハウスがIT予算を管理することになったとしても、実権を握るのは連邦政府機関のほうだろう。現在でも、各連邦政府機関はそれぞれCIOを置き、独自のIT管理体制や手法、縄張りを持っている。そのため、連邦政府のCTOの権限は限られることになると、専門家は指摘する。
カーネギーメロン大学のコンピュータ科学および公共政策教授で、米国連邦通信委員会(FCC)の元チーフ・テクノロジスト、デーブ・ファーバー(Dave Farber)氏は、CTOと政府機関との関係がぎくしゃくすることを心配する。「政府機関は、望まない路線を敷かれると、のろのろとしか対応を進めない可能性がある」
ファーバー氏は政府機関とホワイトハウスの複雑な関係を示す例として、クリントン政権時代にFCCで働いていた当時、アル・ゴア(Al Gore)副大統領との会合に招かれたときのエピソードを挙げた。
FCC幹部は当初、ファーバー氏に欠席するよう求め、「ホワイトハウスがあなたに出席を求めることはできない。われわれは独立機関だ」と話した。しかし、ファーバー氏が、教授として招かれたと説明したところ、FCC上層部は「出席してけっこう。どんな話が出たか知らせてほしい」と態度を翻したという。
連邦政府のCTOは全体的な方向性を定めるファシリテーターのような役割を果たすべきだと、ファーバー氏は語る。だが、CTOが実権を持つためには、大統領との密なコミュニケーションを確保することが極めて重要だ。また、政府機関から高い信頼が得られるだけの技術的な知識・経験や、政府機関との高い調整能力も求められると、同氏は述べている。
(Patrick Thibodeau/Computerworld米国版)
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