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[米国]
オバマ政権のCIOに立ちはだかる“お役所文化”の壁
政府機関の縄張り意識とCIOの過小な権限が、プロジェクト遂行の妨げに
(2009年03月16日)
その手腕が高く買われ、去る3月5日、米国大統領のバラク・オバマ(Barack Obama)氏から連邦政府の初代CIOに任命されたビベク・クンドラ(Vivek Kundra)氏(関連記事)。現在、IT業界のみならず、オバマ政権に関心を示す多くの米国民からも注目を集めている同氏だが、その前途は決して順風満帆とは言えないようだ。
まず、クンドラ氏がCIOに就任した翌日の3月6日、「米国行政府内の縄張り争い」を理由に、国家サイバー・セキュリティ・センター(NCSC)局長が辞任してしまった(関連記事)。この辞任劇は、クンドラ氏とは直接かかわりはないものの、タイミング的に同氏の“新たな門出”に水を差す結果となった。
| 米国連邦政府のCIO、ビベク・クンドラ(Vivek Kundra)氏 |
続く3月12日には、コロンビア特別区(ワシントンD.C)のCSO(最高セキュリティ責任者)代理と同区職員の2人が、贈収賄容疑で逮捕された(関連記事)。奇しくもクンドラ氏の前職は同区のCTO(最高技術責任者)であり、一時は、この事件への同氏の関与まで取りざたされる騒ぎとなってしまった。ちなみに、同氏は昨年、同区CTOとして、米国InfoWorld誌の「世界のCTOトップ25人」に選ばれている。
もっとも、今後クンドラ氏を待ち受ける試練を思えば、これら2つの出来事など、“CIO就任の挨拶”程度にすぎないだろう。
米国Gartnerのアナリスト、ブライアン・バーク(Brian Burke)氏は、クンドラ氏を「非常に聡明かつ意欲的な人物」と高く評価したうえで、オバマ政権のCIOとなった同氏が、この先、自身の権限が思いのほか小さいことを知り、そうした現実への対処に苦労することになると指摘した。
「私はこれまで、あらゆる国や地方自治体のCIOと話してきたが、だれもが同じ問題を抱えている。彼らは、政府のITアーキテクチャ全体を最適化する責務を負わされながらも、それを実行する権限は与えられていないのだ。大抵の場合、彼らには各政府機関に対する決定権はなく、アドバイザーや相談役の役割を果たしているにすぎない。クンドラ氏が、こうした問題に直面するのは必至だ」(バーク氏)
さらにバーク氏は、連邦政府の各省庁・機関の縄張り意識が非常に強く、どこもIT投資に関する決定権を手放したがらないことが、クンドラ氏の悩みの種になるであろうことを強く危惧している。
「EA(Enterprise Architecture)の最適化を図る過程では、条件の良い組織と悪い組織がどうしても生じてしまうものだが、どこの政府機関も、政府全体のために自分たちの組織が犠牲になるようなことは避けたがるだろう。政府内部に潜在する、政治的、文化的、財政的な軋轢が原因で失敗したEAプロジェクトを、今まで私は嫌というほど見てきたのだ」(バーク氏)
目下、クンドラ氏が、短期的な最優先課題の1つとして掲げているのが、連邦政府の財政支出に関する情報や関連データを、ホワイトハウスが新たに開設したWebサイト「Recovery.gov」で公開することだ。また、同氏は電話による会見で、「行政管理予算局の新たな報告規定により、各州の知事や市長は、公的契約に関する情報を、各自治体の経済復興対策サイトで公開する責任を負うことが定められた」と述べている。
(Paul Boutin/The Industry Standard)
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