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[e・Gov]電子行政/電子政策
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【連載】
韓国の電子自治体事情
第2回 u-Koreaの中核を担う「USN」と「BcN」
(2006年04月07日)
情報技術の急速な発展と社会情報化の進展に伴いすべてのものが知能化し、ネットワークで結ばれようとしている。人と人はもちろん、モノと人、モノとモノとがコミュニケショーン可能なユビキタス社会へと変化しているのだ。このようなユビキタス社会を創出するための主な手段として注目を集めているのがRFID(Radio Frequency Identification)とUSN(Ubiquitous Sensor Network)である。今回はu-Koreaの中核を担う「USN」と「BcN」について紹介する。
高 選圭
韓国 中央選挙管理委員会 選挙研修院 教授
情報科学博士
RFIDは、製品に無線電子タグ(Tag)を付けることで、製品の情報を確認し、その周辺情報を収集・保存・加工・追跡することによって、位置情報・遠隔管理・情報交換を可能とする技術である。
一方、USNは単純な認識情報を提供する電子タグにセンサー機能を追加することにより、センサー間のネットワークでリアルタイムの通信・情報交換を可能とする技術である。
このネットワークを通じて認識情報、周辺の環境情報(温度、湿度、汚染情報、亀裂情報など)をリアルタイムに転送・管理することによって、究極的には存在しているすべての対象にコンピューティングおよびコミュニケーション機能を付加することが可能となる。
その結果、すべてのモノがいつ、どこからでも意思疎通できるユビキタス社会が創出されるのである。
2010年までにUSN市場占有率で世界トップを目指す
韓国政府はユビキタス社会の実現と関連産業育成に向け、2004年に「u-センサーネットワーク(USN)構築基本計画」を発表、RFIDおよびUSN構築事業を本格的に推進している。これらは、現政府が推進している国民所得2万ドル時代の実現に向けた「IT839戦略」の核となるインフラ技術でもある。韓国ではこうしたインフラを、製品・食品管理、交通、環境、医療、生活などに活用する各種の先進事業が活発に進められている。
韓国政府はRFIDおよびUSNインフラの構築を、国民の質の高い生活「u-Life」の実現に向けた政策的目標として位置づけ、2007年までには超高速有・無線インターネット・インフラに基づいたu-Life基盤の構築を、2010年までには世界一のUSN市場占有率とu-Lifeの実現を目指している。
その一環として情報通信省は、USN構築を効率的に推進するため、韓国電算院の内部に韓国USNセンターを設立した。韓国USNセンターは韓国USNの政策樹立・支援、USN標準化の推進、法制度研究などを行っている。また、韓国USNの政策方向・国民的基盤拡大を図る組織として、韓国USN戦略協議会が設立され、情報通信省大臣が委員長を務めている。
2004年8月からは、RFIDおよびUSN構築事業として、調達庁の物品管理システム、国防省の国防銃弾管理システム、産業資源省の輸出・輸入国家物流インフラ支援システム、韓国空港公社の航空貨物追跡統制システム、国立獣医科学検疫院の輸入牛肉追跡システムの5つが選定され、プロジェクトを開始している。
また、RFIDおよびUSNの標準化の取り組みとしては、韓国電子通信研究院、韓国電算院、韓国インターネット情報センター、韓国情報保護振興院などが中心となって、USN標準化フォーラムを運営している。
ユビキタス時代に向けた官民挙げてのBcN構築戦略
u-Koreaの基盤ネットワーク構築のもう1つは、広帯域統合網のBcN(Broadband convergence Network)の構築である。
BcNは通信・放送・インターネットが融合した広帯域マルチメディア・サービスを、いつ、どこからでも、切れ目なく安全に利用できる次世代統合ネットワークと位置づけられている。韓国は超高速インターネットの進展で世界を驚かせたが、既存のネットワークでは伝送能力や、情報セキュリティ、IPv6対応などに限界があったのだ。
このような限界を克服し、ユビキタス社会へ発展させていくために、2004年2月に「広帯域統合網(BcN)構築基本計画」が策定された。
この計画は基盤造成段階(2004〜2005年)、本格構築段階(2006〜2007年)、完成段階(2008〜2010年)の3段階で、民・官が役割分担を行いながらネットワーク基盤を整備していくというもの。2010年までにBcN(50〜100Mbps)を実現し、携帯電話やパソコンなどすべての情報通信機器が1つのネットワークにつながるユビキタス社会の実現を目指している。
2010年までにBcNを完成させるため、韓国政府は統合網の構築に向けた法整備・基礎基盤技術研究・標準化・関連人材育成を、民間は効率的な投資戦略樹立・執行、関連技術および応用技術の開発・サービス・コンテンツ開発・普及をそれぞれ担当している。
USNおよびBcNの構築事業の進展によって、ユビキタス通信環境のインフラ整備が進んだ結果、韓国では最近、屋内外のネットワークが整備されたユビキタス・マンションの販売も本格化している。また、DMB(Digital Multimedia Broadcasting)放送が2005年からスタートするなど、ユビキタス社会の到来を実感できるようになってきている。
<著者プロフィール>
高 選圭(ゴ・ソンギュ)
1966年生まれ。2000年東北大学大学院修了、情報科学博士。韓国世宗研究所研究委員、檀国大学講師、ソウル市市策電子政府研究所 首席研究員兼企画部長を経て、韓国中央選挙管理委員会選挙研修院 教授。国際大学GLOCOMフェロー、ハイパーネットワーク社会研究所共同研究員。著書は「日本の電子政府・電子投票」「日本の電子政府推進と個人情報保護」「韓国の電子政府構築と市民満足度」ほか多数。
- 韓国の電子自治体事情
- 第1回 u-Koreaの社会経済的基盤と推進段階
- 第2回 u-Koreaの中核を担う「USN」と「BcN」
- 第3回 u-Koreaのネットワークを支える「IPv6」
- 第4回 ホーム・ネットワークとユビキタス都市(u-City)
- 第5回 u-Koreaの未来像──ITに基づく新しい知能基盤福祉社会とその課題
- 第6回 ソウル特別市 江南区──世界一の電子自治体・電子民主主義を目指す
- 第7回 ソウル特別市 地方税インターネット納付システム──生活密着型電子自治体の構築
- 第8回 釜山広域市 道路掘削インターネット申請システム──市民中心のデジタル先端都市へ
- 第9回 全羅南道 順天市 サイバー教育システム
- 第10回 慶尚北道 音声支援情報システム──韓国一の教育都市を目指す
- 第11回 ソウル特別市 端草区──GIS地域情報検索システム「生活ネット」
- 第12回 サイバー観光文化情報システム(三多館)──済州道 済州(チェジュ)島
- 第13回 慶尚南道 晋州(チンジュ)市 モバイル電子自治体の構築
- 第14回 韓国の事例から見えてくる電子自治体の今後の課題




