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[e・Gov]電子行政/電子政策
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【連載】
韓国の電子自治体事情
第7回 ソウル特別市 地方税インターネット納付システム──生活密着型電子自治体の構築
(2006年06月20日)
世界最先端「デジタル都市」を目指しているソウル特別市は行政情報化、産業情報化、生活情報化そして、都市基盤の情報化を推し進めている。なかでも、市民生活の向上と市の競争力強化のために「デジタルソウル(Digital Seoul)」の構築を積極的に推進している。
高 選圭
韓国 中央選挙管理委員会 選挙研修院 教授
情報科学博士
インターネット電子納税システムを導入
韓国の首都であるソウル特別市では、これまでの行政情報を流通させる段階から、知識基盤を伴った行政サービスへと発展させるために、2003年以降、更なる行政の情報化を推し進めている。そこで今回は、2004年に同市で開始された「地方税インターネット納付システム」を紹介していこう(現在、同システムは国内232のすべての自治体で導入されている)。
地方税インターネット納付システムは、その名のとおり、インターネットを利用して地方税を納めることを可能とする電子納税システムで、クレジットカードとインターネット・バンキングで納付できる。また、自治体は同システムを利用して、住民に税額や納付期限などの通知を電子メールで配信することができる。
このシステムを構築した最大の目的は、税務行政の透明性確保と同時に、従来まで庁内の各部署で担当していた地方税の徴収・管理業務を統合する必要性があったからである。また、社会全体にITが普及し、さまざまな場面でインターネットが利用できるようになったことで、より便利な納税手段を住民に提供することが求められていた。
| 地方税インターネット納付システムのカード納付画面 |
いつでも納付状況が分かり行政も収納作業を効率化できる
実際に住民が利用する際には、次のような手順で行う。まず、ソウル特別市の地方税インターネット納付システムのWebサイト(http://etax.seoul.go.kr/)にアクセスし、住民税、事業所税、自動車税、地域開発税などから税科目を選択し、納付方法をクレジットカードもしくはインターネット・バンキングから選択する。
クレジットカード納付を利用する場合、納付書に記された機関番号、請求番号、税科目などを同サイトに入力し、各納税額を確認する。次に、クレジットカードの種類とカード番号を入力後、本人確認の手続きを経て納付(決済)を行う。現在利用できるクレジットカードはLGカード、三星カード、現代カードの3つである。なお、クレジットカードで納付する場合、住民は手数料を負担する必要はない。
クレジットカードを利用した納付者だけが手数料を払うと、納税の公平性が崩れるとして、ソウル特別市ではクレジットカード会社と税金納付代行機関の契約を結んだうえで、クレジットカード会社が手数料を負担している(クレジットカードが利用された翌月に自治体への納金が行われるため、その期間の利息がカード会社の利益となって手数料の代わりとなっている)。
地方税インターネット納付システムを使って納めた税金の内容は、専用Webサイトのメイン画面から納付確認、納税番号、住民登録番号(法人番号)を入力することで確認できる。
ソウル特別市役所 税務課の李秀傑チーム長は、「地方税インターネット納付システムは、税金の納付と同時に納付確認ができるので、納税者にかかる時間と労力を大幅に削減できるほか、行政側も収納業務をオンライン化することで作業を効率化することができる」と説明する。また、領収書を発行する必要がないため、紙の使用量を大幅に削減することができ、環境にやさしい行政の実現にも寄与しているという。
ちなみに、地方税の納付書を郵送で受け取った場合でも、納付書に記された請求番号を同サイト上で入力すると、納税額が確認できるほか、住民登録番号を入力することでも同様に納税額を確認することができる。
同市では、地方税インターネット納付システムの利用を促進するため、各種の取り組みを行っている。中でも、自動車税については年2回の分納が基本であったが、電子申告により、年1回払いで10%減額という納税オプションも選択できるようになった。
歳入総合システムと連動して税務行政の透明・効率化を促進
ソウル特別市の地方税インターネット納付システムは、市の税務EDI(電子文書交換)システムと金融機関のインターネット・バンキング・システムとの連携により、地方税業務をリアルタイムで電子的に処理している。
同システムは同市と17の金融機関が参加して構築した。これは官・民のシステム融合という点から見ても大きな意味を持つ。更に、同システムは、ソウル特別市の歳入総合システムと連動して運営されており、税務行政の透明化・効率化にも貢献している。
ソウル特別市における地方税インターネット納付システムの利用状況を見ると、利用金額は2003年の2,800億ウォン(約302億円)から2004年には8,594億ウォン(約927億円)へと急増している。この額はソウル特別市における全納税額である9兆6,600億ウォンの約9%にあたる。また、年間利用者は10万人以上に上り、同時接続者数は最大1万5,000人。2004年の総利用件数は90万件を超えた。
ソウル特別市 税務課の金海氏は、「年間利用者は2006年には40万人以上に増加する」と予測する。このような電子自治体サービスの提供は、行政に対する市民の満足度を高めることにもつながっており、同市が行った市民満足調査(2003年)では、市民の80%以上が市の政策に満足しているとする結果が得られたという。
<著者プロフィール>
高 選圭(ゴ・ソンギュ)
1966年生まれ。2000年東北大学大学院修了、情報科学博士。韓国世宗研究所研究委員、檀国大学講師、ソウル市市策電子政府研究所 首席研究員兼企画部長を経て、韓国中央選挙管理委員会選挙研修院 教授。国際大学GLOCOMフェロー、ハイパーネットワーク社会研究所共同研究員。著書は「日本の電子政府・電子投票」「日本の電子政府推進と個人情報保護」「韓国の電子政府構築と市民満足度」ほか多数。
- 韓国の電子自治体事情
- 第1回 u-Koreaの社会経済的基盤と推進段階
- 第2回 u-Koreaの中核を担う「USN」と「BcN」
- 第3回 u-Koreaのネットワークを支える「IPv6」
- 第4回 ホーム・ネットワークとユビキタス都市(u-City)
- 第5回 u-Koreaの未来像──ITに基づく新しい知能基盤福祉社会とその課題
- 第6回 ソウル特別市 江南区──世界一の電子自治体・電子民主主義を目指す
- 第7回 ソウル特別市 地方税インターネット納付システム──生活密着型電子自治体の構築
- 第8回 釜山広域市 道路掘削インターネット申請システム──市民中心のデジタル先端都市へ
- 第9回 全羅南道 順天市 サイバー教育システム
- 第10回 慶尚北道 音声支援情報システム──韓国一の教育都市を目指す
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- 第12回 サイバー観光文化情報システム(三多館)──済州道 済州(チェジュ)島
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