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[米国]
ソーシャル・ネットワーキングを支持獲得に活用する大統領選の候補者陣営

(2007年02月20日)

 Webサイトは、派手な写真やスピーチ原稿、連絡先のメール・アドレスを掲載するだけの場ではない――Web 2.0がもてはやされる今日、米国大統領選の候補者陣営は、Webの新しい可能性に気づき、それを選挙戦で活用しようとしている。

 ブログやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの人気ぶりに乗じ、支持や資金を集める手段として、Web 2.0技術を活用しようとする陣営は少なくない。

 しかし、そのような活動には相応のリスクが伴う。だれもが簡単にコメントを投稿できるようなブログは、望まない内容の投稿や誹謗中傷であふれかえる可能性があると、アナリストは指摘する。

 例えば、民主党の大統領候補であるジョン・エドワーズ氏の陣営で起こった事件は、Web 2.0の“危険性”を示す出来事として引き合いに出されることが多い。

 エドワーズ氏陣営の2人の選挙運動員が今月、自分たちのブログに「反カソリック」ととられる内容のコメントを書いたところ、批判を浴びた。エドワーズ氏は当初、ブログそのものは批判したが、2人の運動員は解雇しなかった。ところが、批判の声はさらに高まり、当事者の女性は2人とも辞職した。

 問題のブログを書いた1人、アマンダ・マーコット氏は、自身のブログで「自分の一挙一動がエドワーズ氏の選挙運動を危険にさらしているような気がしたため、辞職した」とコメントしている。一方のメリッサ・マクユアン氏も、「自分の存在が選挙陣営にとって不利益になった」と辞職の理由を説明した。

 ジョージワシントン大学のIPDI(政治/民主主義/インターネット研究所)で副所長を務めるジュリー・バーコ・ジャーマニー氏は、Webを活用した選挙活動の現状について、こう説明する。

 「多くの陣営が、どうやって候補者の利益を守りながらWeb 2.0技術とオンライン・コミュニティを活用しようかと試行錯誤している。市民が候補者をどう受け止めるかをコントロールしたいからだ」

 さらに同氏は、「結局のところ、ほとんどの陣営は、内部で慎重に作成されたメッセージだけをブログなどに掲載することになるだろう。2008年の大統領選は、市民とオンラインでどう対話するかという争いに尽きる」と付け加えた。

 前出のエドワーズ氏は、今回で2回目となる大統領選への参戦を、YouTubeに投稿された映像の中で表明した。同氏のサイトには、YouTubeやMySpace、FacebookといったSNSの個人ページへのリンク、さらにはFlickr(写真共有サイト)へのリンクまではられている。

 また、ヒラリー・クリントン上院議員(民主党・ニューヨーク州)も、自身のWebサイトで大統領選への立候補を正式に表明した。同氏によると、ブログの開設も予定しているという。

 2月10日には、バラク・オバマ上院議員(民主党・イリノイ州)が、イリノイ州スプリングフィールドで行った演説中に大統領選への出馬を発表。その前日には、同氏の選挙キャンペーン・サイトで、新たなソーシャル・ネットワークの計画を宣伝するビデオが掲載された。

 オバマ上院議員はこのビデオの中で、資金調達活動の準備やブログの開設、友人・隣人や自分のネットワークのためにキャンペーン・サイトを活用することを支持者に呼びかけ、「大口の選挙運動資金協力者に頼るのではなく、少額の寄付金を集めることも可能だ」と発言している。

 この発言についてオバマ上院議員の選挙事務所にコメントを求めたが、返答はなかった。

 セントルイスにあるミズーリ大学の政治学部助教授、デビッド・キンボール氏は、「Web 2.0ツールは、支持者になりうる人々との連絡や資金集め、ボランティアの募集などに活用できる」としつつも、こう指摘する。

 「Webは、生の意見討論の場という性格が強く、細心の注意を払わなければ評判を落としかねない代物だ。エドワーズ氏のブログ事件は、このことをあらためて浮き彫りにした」

 過去の大統領選では、共和党のほうがITをうまく活用したと言われている。しかし、サム・ブラウンバック上院議員(共和党・カンザス州)や、前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニー氏を含め、共和党の大統領候補が立ち上げたWebサイトは、今のところソーシャル・ネットワーキング的要素に欠けるようだ。

(ヘザー・ヘイブンステイン/Computerworld オンライン米国版)




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