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[米国]
米国上院議員、オンライン小売店にも売上税を課す新法案を提出

一般小売店と同様に消費者からの徴収を義務化へ

(2007年05月29日)

 一般の小売店と同様にオンライン小売店にも売上税の徴収を義務づけようとする法案は、これまで反対派の抵抗で何度も否決されてきたが、米国上院議会に再びその内容を盛り込んだ新法案が提出された。

 ワイオミング州選出の共和党上院議員、マイケル・エンジ氏は5月22日、新たに「売上税の公平性と簡素化に関する法案(Sales Tax Fairness and Simplification Act)」を上院議会に提出した。同議員は2005年にも同様の法案を提出したが、その際には議会の承認を得られなかった。

 エンジ氏の報道担当補佐官、エリー・ピケット氏によると、同法案では売上税を徴収して州に納税するための行政機関の新設を求めているという。

 現行法では、オンライン小売店が州の売上税を徴収するのは、その会社が商品を出荷する州に実店舗や倉庫、オフィスを持っている場合に限られる。購入者は、たとえオンライン小売店から売上税を徴収されなくても州に支払うことが義務づけられているが、実際に納税している人はほとんどいない。

 エンジ氏の法案の趣旨は、オンライン小売店にも一般の小売店と同じ条件を課すことにある。ただし、年商500万ドル未満のオンライン企業は免除されるという。

 「エンジ氏は新たな税を導入しようとしているわけではない。オンライン小売店にも、近所の小さな商店と同じように課税するシステムを確立したいだけだ。今のオンライン小売店は消費税の徴収義務を免れている」(ピケット氏)

 ピケット氏によると、エンジ氏は1997年に上院議員になって以来、この不公平を解消することに力を尽くしてきたという。

 同法案の支持派は、オンライン小売店から売上税を正式に徴収する制度が確立されれば、州が本来得られるはずの税収を確保できるとして歓迎している。ワシントンの全米州知事会で連邦関係担当ディレクターを務めるデビッド・クアム氏によると、エンジ氏の法案は知事会からも支持されているという。

 「売上税は本来、州の税収となるべきものだが、きちんと徴収されていないのが実情だ。議会は州と協力して徴収を義務化すべきだと思う」(クアム氏)

 一方、法制化して税収が得られたとしても労力に見合わないというのが反対派の見解だ。全米納税者連合(バージニア州アレクサンドリア)の広報担当者、ピーター・セップ氏は、「支持派は本来得られるはずの莫大な税収を見込めると主張するが、それは期待外れに終わるだろう。法制化しても税収が大きく増えるとは思えない」と指摘する。

 また、小規模な会社を免除する点についても問題があると同氏はこう指摘する。「一度法制化を許してしまえば、あとで売上高の基準を下げることによって、小規模な会社にも簡単に消費税の納入義務を課すことができるようになる」

 同法案の先行きはまだ不透明だ。セップ氏は、「議会が民主党に握られていることから法案を可決する政治環境が整っているという評論家の見方もあるが、私はすんなりと可決するとは思わない」との見通しを示している。

 民主党議員の間でも法案に反対する勢力が増えており、当然のことながら、売上税を導入していない州では特にその傾向が強い。さらに、2008年には大統領選挙を控えており、新たな税制が選挙の争点になるとは考えにくいという。「エンジ氏の法案は確かに強力だが、すぐに可決にはならない」というのがセップ氏の見方だ。

 「カリフォルニア州など、いわゆる“Blue States”(太平洋と大西洋の両岸の各州)にはITに詳しい消費者が多数生活しているが、彼らはこのような制度を望んでいない。もし反対派が2008年まで法制化を阻止できれば、支持派は急速に勢いを失うはずだ」(同氏)

 オンライン通販の小売団体、「Electronic Retailing Association」(バージニア州アーリントン)の政府問題担当バイスプレジデント、ビル・マクレラン氏は、「この法案を廃案にするために徹底的に闘うつもりだ。われわれは2年も前からそうした取り組みを進めてきた」と力を込める。

 また今年は、インターネット・ユーザーに対し、DSLやケーブル、その他のインターネット・アクセスへの課税を猶予する「インターネット税モラトリアム」の期間を延長するかどうかが議会で審議されることになっている。

 インターネット税については、現在の猶予期間が切れる今年末までに結論を出さなくてはならない。この猶予期間は1998年に初承認されて以来、何度も延長されてきた。前回の延長期限を定めた法案は2003年に可決された。

(トッド・ワイス/Computerworldオンライン米国版)




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