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[米国]
米国議員が新たなネット中立化法案を発表――コンテンツ・ブロックを規制
一部プロバイダーはブロックの正当性を主張
(2008年02月14日)
米国議会下院のエド・マーキー(Ed Markey)議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とチップ・ピッカリング(Chip Pickering)議員(ミシシッピー州選出、共和党)は2月13日、ブロードバンド・プロバイダーが競合企業によるWebコンテンツの配信をブロックしたり、通信速度を低下させたりする行為を禁じる法案を発表した。
「Internet Freedom Preservation Act」と呼ばれるこの法案には、「出所や所有権、インターネット上の送信先などに基づき、ネットワーク運営事業者が特定のコンテンツをひいきしたり、差別したりする行為を防ぐ」ことが米国の基本政策であると記されている。
また法案には、米連邦通信委員会(FCC)に対して、ブロードバンド・サービスや消費者の権利に関する会議を公開するよう求める条項や、Webコンテンツの提供をブロックしたり、妨害したりする行為を禁じた2005年8月の施政方針にブロードバンド・プロバイダーが従っているかどうかを調査するよう求める条項も含まれている。
Markey氏は、法案の発表に際し、「オープン・アーキテクチャという性格が維持されてきたからこそ、インターネットは人々から支持されてきた。民主・共和両党が提案するこの法案の目的は、オープン・アーキテクチャというインターネットの性格を維持、強化していくことにある」と語った。
ネットの中立化を求める団体やGoogle、Amazon.comなどは、ブロードバンド・サービスを提供するComcastが、BitTorrentといった多くの帯域幅を使用するアプリケーションへのアクセス速度を引き下げていると示唆する最近の報道を引き合いに出し、この法案の必要性を強調している。一方、Comcastは2月12日、ネットワーク管理に関する自社の行動を正当化する文書をFCCに提出した。
Comcastは、ネット中立化を求める団体やオンライン・ビデオ配信業者Vuzeなどがトラフィック管理をやめるよう求めている点について、「ブロードバンド・ネットワーク事業者が合理的なネットワーク管理を行い顧客へ良好なサービスを提供することに関して、重要な問題が提起されている。ネットワーク管理は、技術者やネットワーク事業者の健全で誠実な判断にゆだねるのが最も好ましく、法規制にはなじまない」と主張している。
一方、Free PressやPublic Knowledgeなどの団体で構成されるOpen Internet Coalitionのエグゼクティブ・ディレクター、マーカム・エリクソン(Markham Erickson)氏は、Comcastをはじめとするブロードバンド・サービスや携帯電話サービスのプロバイダーが、過去6カ月間、繰り返しコンテンツをブロックしてきたと指摘する。
さらに同氏は、ComcastがFCCに提出した文書について、「インターネット・ユーザーや議会、さらにはFCCへの宣戦布告だ。この文書は、自分たちの差別的な行為から消費者を守る法律上の権限がFCCにはないと言っているようなものだ」と批判した。
Public Knowledgeの代表ギギ・ソーン(Gigi Sohn)氏は、Markey議員の法案について、共和党優位の議会で否決された2006年のネット中立化法案ほど具体的な内容ではないが、連邦法の基準にはなると評価している。「時宜を得た適切な法案だ」とSohn氏。
Googleの電気通信/メディア分野の顧問であるリチャード・ウィット(Richard Whitt)氏は、Webコンテンツのブロックや通信速度の引き下げを禁じる規制がなければ、ブロードバンド・プロバイダーが一部のコンテンツ・プロバイダーとだけ契約を結び、新興のインターネット企業が締め出されるといった可能性もあると、指摘している。
Comcastは、Markey議員の法案についてコメントを拒否しているが、AT&TやQwestなどのブロードバンド・プロバイダーが参加する団体Hands Off the Internetは、ネット中立化問題に関して次のように述べている。「事実関係をきちんと検証すれば、ネット中立化という主張の愚かさが明確になる。われわれは、人々の意見を求めるための努力が連邦政府によるインターネット規制の隠れみのになるのではないかと懸念している。特定団体によるネット中立化法案の制定運動は、低価格な高速ブロードバンド・サービスの実現というユーザーの期待に反している」
(Grant Gross/IDG News Service ワシントン支局)
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