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グリッド・コンピューティング

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【解説】
PFLOPS級スパコンがもたらす、科学技術の“新時代”

演算性能はBlueGeneの2倍に相当

(2008年06月17日)

2008年5月、米国IBMが米国エネルギー省の研究施設向けに開発したスーパーコンピュータ「RoadRunner」が、PFLOPS(ペタフロップス。毎秒1,000兆回の浮動小数点演算)というハイテク業界における1つの大きな壁を打ち破った(関連記事)。ペタFLOPS級スパコンが業界に与えるインパクトとは、どれほどのものであろうか。

Sharon Gaudin
Computerworld米国版

10年前の最速スパコン20年分の計算をわずか1週間で完了

 ペタFLOPS級スパコンの登場は、科学技術の分野で初めてコンピュータを利用できるようになったことと同等レベルの進歩を意味すると、Los Alamos国立研究所の科学/技術/エンジニアリング担当主席アソシエイト・ディレクター、テリー・ウォレス(Terry Wallace)氏は語る。

 開発および検証が最近終わったばかりのRoadRunnerは、今はまだニューヨーク州ポキプシーにあるIBMの施設内に設置されている。総勢50名に上るLos Alamosの研究チーム3班が、ニューメキシコからポキプシーまで出張し、3種類の異なる研究プロジェクトにRoadRunnerを利用し始めているという。

PFLOPSの壁を破ったIBMのスーパーコンピュータ「RoadRunner」

 RoadRunnerは、米国AMDのOpteronとIBMのCellという異なるCPUを組み合わせて高度な性能を実現している。科学者らは手始めに、人間の脳の視覚野マッピングや海流調査、気候変化に関する演算処理をRoadRunnerで行おうとしている。

 Wallace氏は、「かつては想像だにできなかった問題の探求をRoadRunnerは可能にしてくれるだろう。だがそれ以上に、われわれの科学技術が新しい時代に突入するのではないかという期待感を抱いている。(RoadRunnerの登場は)コンピュータを科学者が初めて手にしたときと同じくらい、衝撃的な出来事だ」と語った。

 IBMによれば、10年前の最速スパコンで20年かかった計算を、RoadRunnerはわずか1週間で終えることができるという。

 IBMがLos Alamos国立研究所向けに開発したRoadRunnerは、当初はCellを搭載していなかった。AMDのOpteronのみを搭載した初代RoadRunnerがペタFLOPSに届かなかったのは、これが理由だった。

 Wallace氏は以前、Computerworld米国版に対し、Los Alamos国立研究所とIBMの技術者が力を合わせ、従来型のRoadRunnerにCellプロセッサを搭載してペタFLOPS級の演算処理能力を引き出そうとしていると述べていた。Wallace氏は、新型スパコン、すなわち“RoadRunnerの息子”は、まずは機密性の高い研究に利用される予定だが、いずれは一般的な実験にも用いられるようになると推測している。

 「1年から2年のうちに、新型スパコンは2ペタFLOPSを実現するだろう」(Wallace氏)


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