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グリッド・コンピューティング

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[国内]
国立情報学研、研究開発を支援するオープンソースのグリッド・ソフトを公開

(2006年05月09日)

 国立情報学研究所は5月8日、異なる研究機関がリソースを相互連携できるグリッド・システムの活用を可能とするオープンソース・ソフトウェア「NAREGIグリッドミドルウェア」のベータ版をリリースすると発表した。

 同ソフトウェアは、ナノ材料、バイオ、高分子化学、半導体、精密電子など、複雑で大量の計算を必要とする研究分野での利用を想定して開発が進められた。今月10日以降、同研究所のWebサイトからダウンロードできるようになる。インストール・マニュアルも同ページから入手できる。

国立情報学研究所・リサーチグリッド研究開発センター長・教授の三浦謙一氏

 ベータ・テストには、大学や国立研究所のほか、同分野で事業を行う日立製作所、旭化成、味の素など130社以上の国内企業が参加することになっている。来年にはベータ版の改良版、2007年末には正式版のバージョン1.0がリリースされる予定だ。

 今回の取り組みは、文部科学省が2003年から始めた5年間計画「超高速コンピュータ網形成プロジェクト(NAREGI:National Research Grid Initiative)」の一環として進められてきた。同研究所が開発したアルファ版を、分子科学研究所が実証してきた。その目的は、100T(テラ)FROPS級の演算処理能力を持つグリッド・システムを実現することにある。

 同日会見した国立情報学研究所の三浦謙一教授らによると、同ソフトウェアは、ユーザーである研究者が、グリッド・システムを意識しないでさまざまな研究に容易に活用できる環境を提供するという。

 例えば、複数の研究手法を組み合わせて、異なる計算を融合させる際に生じる複雑なワークフローを「シナリオの流れ」のように分かりやすく表示できるほか、大規模データがどのグリッドに分散しているかを一目で分かるように可視化することも可能になる。

 また、グリッド・コンピューティングの国際標準化団体(GGF:Global Grid Forum)が提案している統一規格「GridRPC」に準拠した技術が、世界で初めて実装された。

 さらに、日本の研究者間に存在する人間関係に配慮する機能も加えられている。ユーザーは、自分の実際に所属する研究組織を離れ、グリッド上にバーチャルな研究コミュニティを簡単に作れるが、同時に他のコミュニティに対して、利用できるリソースを閉ざすことも可能だ。このような機能は、米欧の研究機関間で先行するグリッド・システムにはない日本独自のものだという。

 米国では1995年以降、アルゴンヌ国立研究所、南カリフォルニア大学情報科学研究所、シカゴ大学を拠点に、グリッド・コンピューティング環境を開発する「Globusプロジェクト」が進んでいる。同プロジェクトは2003年、オープンソースのグリッド・コンピューティング・ツールキット「Globus Toolkit 3.0」をリリースし、米国や欧州をはじめ世界中で大規模なグリッド・システムの導入・応用プロジェクトに利用されている。

 今回、国立情報学研究所が同ソフトウェアをリリースしたことで、日本でも欧米と同様に、異なる研究機関がリソースを相互活用し、効率的に研究開発を進めることができる環境の整備が一歩進んだことになる。米欧主導で進むグリッド・システムの世界標準仕様に沿いつつも、実装、応用面で独自色を出す動きとして注目されそうだ。

グリッド上でつくるバーチャルな研究コミュニティの仕組み

(Computerworld.jp)




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