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グリッド・コンピューティング

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グリッド入門講座【後編】

グリッドの標準化動向とビジネスへの適用

(2007年04月05日)

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グリッドによる自律運用

 グリッドの技術はまた、クライアント/サーバ型のトランザクション・システムや、Web技術をベースにした多層型システムの可用性を確保する際にも効力を発揮する。

 周知のとおり、この種のシステムでは、インタラクティブ性やリアルタイム性が強く求められ、かつ、24時間365日の連続稼働が要求される場合もある。

 それゆえに、サーバに対する過剰な負荷が発生したり、予期せぬサーバ障害が起きたりしたときには、予備のサーバに処理を切り替えたり、稼働中のアプリケーションに対して、予備のサーバのリソースを振り向けたりして、サービスの安定稼働を確保することが必須となる。

 このようなプロセスを自動化するには、システムに対する監視を行い、その状況を分析しながら、プロビジョニングの計画を立て、必要な処理を実行するというサイクルを自律的に回していかなければならない。

 実のところ、そのためのメカニズ(すなわち、システムの可用性を確保する自律運用のメカニズム)は今日、グリッドを構成する重要な要素となりつつある(図7)。


図7:システム運用管理領域へのグリッドの応用例」の図を挿入

 この種のメカニズムは、もともとシステム運用管理系の技術として発展してきたものだ。ただし、今日では、自動化の適用範囲が(システムの)「監視」や「分析」から、必要なリソースの確保という領域へと広がりつつあり、そうした自律化の技術が、今日のグリッドの一要素として認識され始めた。

 結果として現在、グリッドの本来的な役割である「仮想化」と、SOAやWebサービスによる「統合化」、および運用管理の「自律化」という3つの要素を合わせたものが、広義のグリッド、ないし次世代ITのコンセプト(ユーティリティ・コンピューティングのコンセプト)とされているのである。

グリッドとITビジネス

 上記の内容からもわかるとおり、グリッドは、ビジネスITの領域でもさまざまな可能性がある。また、実際にも、ビジネスの領域でグリッド技術を活用するという動きが、活発化しつつある。

 現在、そうした動きに呼応して、グリッドに関連したIT製品もさまざまに登場してきており、その種類も、ハードウェアからWebサービス実行基盤(または、アプリケーション・サーバ)、運用管理ソフトウェア、アプリケーション、データベース、ビジネス・フロー管理ツールと多岐にわたっている。

 また、ITベンダーの中には、グリッド構築のコンサルティング・サービスを提供したり、実際のインテグレーションを行ったりする企業もあるほか、Globus Toolkitの商用サポートを提供するところも出始めている。

 加えて今後は、コンピューティング・リソースやデータ・リソース、ストレージ・リソースといったITリソースをグリッド・サービス(もしくは、ユーティリティ・サービス)として提供するベンダーや、業務アプリケーションの機能を、ユーザーの要求に応じて、必要な分だけ提供するといった、SaaS(Software as a Service)的なグリッド・サービスを展開するベンダーも登場してくるに違いない。

 さらに、こうしたグリッド・サービスが数多く登場してくれば、それらとユーザーとの間を仲介するブローカーの役割を果たしたり、サービスのポータル環境を通じて、何らかのディレクトリ・サービスを提供したりするベンダーも出現してくるはずだ。

 グリッド技術のビジネス分野への適用は、まだ本格化の途上にある。だが、その可能性は無限に広がっていると言えるのである。

(Computerworld.jp)


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