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【解説】
IT業界で闘う“アスピーズ”
アスペルガー症候群を抱えたITプロたちの“苦悩”と“現状”
(2008年06月25日)
ニュートンもアインシュタインも……天才、偉人とアスピーズ
アスピーズがIT業界に多いというのであれば、彼らと同僚になる確率はほかの業界よりも高いことになる。ひょっとしたら直属の上司がアスピーズかもしれないし、その上の上司がそうかもしれない。あるいは上司と部下の全員がアスピーズである可能性もある。
前出のGrandin氏は、「IT業界で活躍する有名人たちのプロフィールを読んだりテレビで見たりするが、だれがアスペルガー症候群であるかは見分けがつく。実名を挙げることはしないが、大物業界人の中にも明らかなアスピーズはいる」と指摘する。
アスピーズは特別な存在ではない。それどころか、天才、偉人だっているのだ。科学者のアイザック・ニュートン(Isaac Newton)、物理学者のアルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)、詩人のエミリー・ディキンソン(Emily Dickinson)などはアスピーズだったと指摘されている。また、映画やテレビでおなじみのミスター・スポック(『スタートレック』の登場人物)やミスター・ビーン、シャーロック・ホームズもアスピーズの特徴があると言われている。そして、アスピーズと指摘されることが最も多い有名人は、ほかならぬ「マスター・ギーク」ことMicrosoft会長のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏である。
ただしGates氏は同時に、「もし本当にアスペルガー症候群なら、あのように人前で堂々とふるまえるわけがない」と、当のアスピーズから「アスペルガー症候群説」を否定されている人物でもある。実際のところはどうなのか。この質問を直接、Gates氏専属の広報担当者に尋ねてみたが、コメントは差し控えたいとの返答だった。
Becker氏は、「仕事が技術的であればあるほど、アスピーズは完璧にこなすことができる。しかし人によっては、管理職として部下を監督することが困難な人もいる」と指摘する。
Meyer氏も、「対人関係の構築が困難なために昇進できないこともある。このためアスペルガー症候群を抱えながら働いている人々は、IT業界の中でも賃金の低い業種や、アウトソーシングの対象になりやすい職務に固定されてしまうことがある」と説明する。
Meyer氏は、「アスピーズは1つのことに没頭し、ルールに従って何らかの診断を下す作業が得意だ。例えばソースコードのミスを発見するといった作業は、豊富な知識を駆使して解決してしまう。また型破りでありながら効果的な方法を考えつくことも多い」と、アスピーズの特徴がIT業界でプラスになるとしつつも、「ただしこうした仕事は、自動化やアウトソーシング化が進んでいる。アスピーズが就職できるチャンスは縮小しているのが現状だ」と問題点を指摘する。














