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【解説】
IT業界で闘う“アスピーズ”
アスペルガー症候群を抱えたITプロたちの“苦悩”と“現状”
(2008年06月25日)
アスペルガー症候群は「疾患」か?カミングアウトの葛藤
「世界には約2,000万人のアスピーズがいます。これだけの人数が一堂に会すれば、だれもわたしたちを『変わった人』などと呼ばないでしょうし、だれもわたしたちが『症候群』や『病気』を抱えているなどと見なさないでしょう」
これは、エダン(Edan)氏と名乗るアスピーズが2002年に開設したWebサイト「Aspergia.com」に掲載した文章である(画面1)。ここでEdan氏が想定しているのは、集中力が短時間しか持続せず、常に他者と交流することを必要とする「定型発達者」がマイノリティで、アスペルガー症候群が「障害」ではなく正常だと見なされる世界である。
| 画面1:Edanと名乗るアスピーズが2002年に開設したWebサイトAspergia.com |
Aspergia.comは、アスペルガー症候群をはじめとする、自閉症を抱える人を支援するWebサイトの先駆け的な存在だ。「定型発達者以外はすべて障害者であり、治療が必要である」という世間の考えに対し、ユーモアや正当な理論を交えて反論しようとする動きは、少しずつ広がっている。
その最新の事例が「In My Language」と題するアマンダ・バッグス(Amanda Baggs)氏の動画だ(画面2)。この動画は「YouTube」で大変な人気を集め、世界中の主要メディアでも紹介されている(YouTubeの動画)。
| 画面2:自閉症を自覚するAmanda Baggs氏が自身の日常を撮影した「In My Language」。自分の五感を通じた“世界”を理路整然と語っている |
一方、Ryno氏のように、アスペルガー症候群であるとカミングアウトしたことを後悔している人もいる。「デメリットばかりで、得るものはほとんどなかったように思う」(Ryno氏)
Ryno氏はアスピーズの上司と2人でシステム管理者の負担を最小限に抑えたユーザー・サポート・システムを設計したものの、周囲からの反発を買い、そのシステムはほとんど利用されなかったと語る。そして同氏は、社内規定に違反してアダルト・コンテンツをダウンロードした社員のインターネット・アクセスを再度許可するよう幹部職員に命じられたあと辞職した。同じくアスピーズの元上司は現在、多くの人が集まる懇親会や会議など、以前はほとんど参加を免除されていた行事への参加を強制されるようになったという。
Jeremy氏もこれまでの経験から、アスペルガー症候群を抱える社員が周囲に理解を求めたとしても理解を得られる可能性は低く、最終的には職を失う結果になると感じている。
「自分では物事をきちんと見ているつもりなのだが、白黒がはっきりしない“境界”にあるような問題を、うまく理解することができない。また、わたしは集団の一員であるという感覚を持てずにいるが、他の人たちは組織への強い帰属意識を持っている」とJeremy氏は語る。














