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IBMウォッチ

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【解説】
IT史に輝く「すべったテクノロジー」ベスト25[前編:25〜11位]

「少数に絶賛も、多数に非難」の悲しきプロジェクトたち

(2008年07月12日)

コンピュータ業界の歴史をひもとくと、まったく不名誉な理由で人々に記憶されている出来事の多さに気づかされる。それらは、すぐれたアイデアが必ずしも成功につながるわけではないこと、たとえMicrosoftでも過ちを犯さずにいられるわけではないことを、われわれに教えてくれる。しかし、「歴史に学ばない者はそれを繰り返すハメになる」との格言どおり、相も変わらず先達の失敗が繰り返されているというのが、この業界の実情だ。そこで本稿では、過去の失敗を今後の糧とするべく、過去20年の間に登場した“すべった”テクノロジーやトレンド、さらにはキーパーソンを振り返る。今回は前編として25〜11位までを紹介しよう。

Neil McAllister
InfoWorld米国版

25位
IBM PS/2

写真1:1987年に登場したIBM PS/2。独自性が仇となり、販売は低迷した

 1981年に登場した初代IBM PCは市場に大きな衝撃を与えた。それ以前のIBM製コンピュータとは大きく異なり、プロプライエタリなコンポーネントではなく既製パーツで構成されていたからだ。価格も企業向けとしては安価に設定されていた。

 しかしIBMは1980年代後半、Compaq Computer(2001年にHewlett-Packardが買収)などのPC互換機メーカーに市場シェアを奪われてしまう。するとIBMはどうしたか。再びプロプライエタリなコンポーネントを採用することで巻き返しを図ろうとしたのである。

 こうした経緯を経て1987年に登場したのが「PS/2(Personal System/2)」シリーズである(写真1)。PS/2は、IBM PCとのソフトウェア互換性を維持してはいたものの、新しいMCA(Micro Channel Architecture)のほうを優先させたため既存ハードウェアとの互換性を失ってしまった。

 その結果、多くのユーザーはPS/2に乗り換えることなく、ハードウェア互換性が保たれている互換機のほうを使い続けた。そのためPS/2は、すでに大失敗に終わっていたPCjr、それに続くPS/1シリーズと同様、二匹目のドジョウは容易ではないことを業界に知らしめる結果に終わったのである。

24位
バーチャル・リアリティ

 1982年に製作された映画『トロン』には、コンピュータ内部の不気味な世界に送り込まれた登場人物の姿が描かれている。当時、このような世界が現実のものとなるのは21世紀以降だと思われていたが、映画公開から15年後、この世界を再現するバーチャル・リアリティ技術が登場した。

 1990年代後半に流行したWebベースのバーチャル・リアリティのうち、火付け役とも言えるのがVRML(Virtual Reality Markup Language)である(画面1)。だが、残念ながら指先1つで情報を手に入れられるWebの世界では、こうした技術はあまり意味がなかった。道を行き、橋を渡り、階段を上って情報を届けるということを、わざわざWeb上でやる必要はなかったのである。

 幸運にも、バーチャル・リアリティのコンセプトはSecond Lifeに引き継がれた。しかし、ご存じのとおりSecond Lifeは盛り上がりに欠けている。その理由を、関係者らは宣伝が十分でないことにあると考えているようだが、実はそうではない。

 実際のところ、メインストリームのユーザーはバーチャル・リアリティに熱中したことなどないのである。トロンに登場するライトサイクルに乗って仕事に出かけ、ゲーム・グリッド上で顧客に会えるようにでもならないかぎり、Second Lifeを取り巻く状況が変わることはないだろう。


画面1:VRMLビューワ「Cosmo Player」で表示したサッカー場。VRMLはマークアップ言語の一種である

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