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IBMウォッチ

【解説】
IT史に輝く「すべったテクノロジー」ベスト25[後編:10〜1位]

「少数に絶賛も、多数に非難」の悲しきプロジェクトたち

(2008年07月19日)

5位
デジタル著作権管理(DRM)

 ユーザーに望まれていないにもかかわらず、これほどまで熱心に投資が行われた技術はデジタル著作権管理(DRM)を置いてほかにない。多くのメディア企業がデジタル・コピー制限技術に改良を加えては、競うようにして次々と市場に投入した。そして挙げ句の果てに、DRM技術が普及しない理由を「ダウンロード・コンテンツを受け入れる準備が市場側に整っていないから」などと主張している。

 過去に開発されたDRM技術がいとも簡単に破られていることも考えると、これがユーザーに受け入れられない理由は明らかだ。一部の専門家は、DRMというコンセプトそのものに根本的な欠陥があると指摘している。

 「4大レーベルがDRMなしで楽曲を提供することに同意すれば、われわれはiTunes Storeの楽曲をDRMなしに切り替える」と言い放ったApple CEOのSteve Jobs氏の声明は実に心強い。とはいえ、メディア各社がこの馬鹿げたアイデアをいつ断念するかを予測するのは難しい。貪欲さほど、モチベーションをかき立てるものはないからである。

4位
ペーパーレス・オフィス

 長年の間、オフィス担当マネジャーの願いは、帳簿や各種の用紙、ファクスをデジタル化することであった。だが、デジタル・データは従来の紙データよりも保管が難しい。

 デジタル・データの取り扱いを規定する各種法規制が整備されたことで、一時はILM(情報ライフサイクル管理)製品ベンダーに注目が集まった。しかし、これらベンダーが提供する製品の機能は、その崇高な目標からはほど遠いレベルにとどまっている。

 今日、情報をデジタル・データとして保管することは、鍵のかかったキャビネットに書類を保管していた時代とは比べものにならないほどのセキュリティ・リスクを顕在化させる。それを考えると、ペーパーレス化の流れに疑問を呈したくなるのも無理はない。

 ペーパーレス・オフィスは、いずれ一般的になるかもしれない。だがそれは、古き良き紙のメモ帳を懐かしく思い出させるものになるだろう。

3位
iPod模倣製品

写真4:2006年末に発売されたMicrosoft版iPod「Zune」。MicrosoftでさえiPodの存在は無視できなかった

 エレクトロニクス業界がiPodの模倣製品を出し続けているのは、AppleがPC市場で敗者だったことと関係があるのかもしれない。いずれにせよ、これまで多くのiPod模倣製品が登場しては、さほど注目もされず消えていった。

 そうした模倣製品に共通する問題は、ハードウェアとユーザー・インタフェースの質の低さにある。垢抜けしないデザインで機能面にも問題を抱えていたMicrosoftの「Zune」(写真4)、「i.Beat blaxx」といううんざりするような名前で発売される予定だったTrekStorの製品など、失敗例には枚挙にいとまがない。

 こうした状況にたまりかねたのか、SanDiskは、Appleユーザーを“iChimps(iチンパンジー)”と揶揄する高速艇式の中傷広告を展開した(高速艇式とは、2004年の米国大統領選で、「真実を求める高速艇退役軍人の会」を名乗るグループが、民主党のケリー大統領候補のベトナムでの軍歴が虚偽であるとする中傷キャンペーンを行ったことに由来する表現)。

 ここで疑問なのは、SanDiskが中傷のターゲットとしたのは、本当にiPodなのかということだ。同社が苦々しく思っているのは、模倣製品を受け入れてくれない消費者なのではないだろうか。


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