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[米国]
IBM、プロセッサ性能を高めるDRAM技術を開発――45nmプロセスで実用化へ

(2007年02月15日)

 米国IBMは2月14日、サンフランシスコで開催中の「International Solid State Circuits Conference(ISSCC)2007」で、チップに埋め込むメモリ・キャッシュとして「eDRAM(embedded DRAM)」を採用する計画を明らかにした。このメモリ技術により、同社製マイクロプロセッサのパフォーマンスを来年に倍増させるとしている。

 IBMの45nm(ナノメートル)技術開発担当ディレクター、サブラマニアン・アイアー氏は、チップに埋め込むメモリをSRAM(static RAM)からDRAM(dynamic RAM)に変更することで、メモリの設置スペースは従来の3分の1に、待機消費電力は5分の1に改善されると話している。

 IBMによると、すでに線幅65nmプロセスのチップのプロトタイプでeDRAMが使用されているという。Powerプロセッサ製品ラインを含む45nmプロセス・チップ全般においても、来年までにeDRAMの商用展開を検討している。

 現在、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「PlayStation 3」、任天堂の「Wii」、マイクロソフトの「Xbox 360」がゲーム機の御三家となっているが、IBMがこれらの製品にチップを提供していることから、今回の技術的な変更はゲーム産業にも大きな影響を及ぼすと見られる。

 インテルの「Core 2 Duo」をはじめとする一般的な商用マイクロプロセッサの場合、表面積の60%がメモリで占められている。設置スペースが従来の3分の1で済むeDRAMと交換すれば、開発者はチップのサイズを小型化したり、データがチップを通り抜ける際の「走行距離」を短縮したりすることが可能になると、IBMの上級技術スタッフでeDRAMアーキテクチャ責任者でもあるジョン・バース氏は説明する。

 IBMは、スーパーコンピュータ「BlueGene」のPowerPCプロセッサにDRAMを実装しているが、そのDRAMはパフォーマンスがあまり高くない汎用の技術を基にしており、SRAMに比べると処理スピードが著しく劣る。そこで同社は、現在のSOI(Silicon on Insulator:製造プロセス技術)に高速タイプのDRAMを追加し、デザインを一新することにした。

 「今回採用を決めたeDRAMは、SRAMと同等の速度を実現できる。マイクロ(100万分の1)のレベルで見れば同じとは言えないかもしれないが、45nmプロセスのレベルになると、こちらのほうがむしろ速くなり、勝敗は逆転する」(バース氏)

 ごく普通のマイクロプロセッサでは、キャッシュからデータを取得するのに14クロック・サイクルを消費する。eDRAMを採用した場合、この速度は遅くなるが、それでもわずか1クロック・サイクル分だけだ。バース氏は、「チップ上のメモリ総容量を倍増させれば、システム・レベルでも2ケタ台の性能向上率が見込める」と語っている。

 IBMがeDRAMの採用を公にした一方で、ほかのチップ・ベンダーも大容量の画像データを転送する効率的な方法を模索している。例えば、2006年にグラフィックス・チップ・ベンダーのATIテクノロジーズを買収したAMDは、ATIの画像技術を自社のCPUに組み込んだ「フュージョン・プロセッサ」と呼ばれるチップの開発を進めている。

(ベン・エームズ/IDG News Service ボストン支局)




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