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【解説】
「ハイパーコネクティビティ」は是か非か
企業に押し寄せる次世代コミュニケーション・スタイルのインパクト
(2008年05月19日)
ハイパーコネクティビティを恐れず、受け入れるには
IDCの予測は、ユビキタスな電子コミュニケーションの世界に無理やり引きずり込まれているように感じている人々にとっては悪夢のシナリオだ。IDCが指摘するように、企業にとっても悪夢かもしれない。
「たまには接続を切れないのか」と唱えるアンチ・ハイパーコネクティビティ派は声高に主張を展開し、議論で優勢を占めている。「たまにでも接続を切りたくない」という反論はあまり聞こえてこない。
だが、実際のところ人々はどのような行動を取っているだろうか。自発的に携帯電話を持ち歩き、より新しいすぐれたオンライン・コミュニケーション・サービスにサインアップし、概してどんな状況でも接続を切ろうとしない。批判派はだれもがハイパーコネクティビティに反対しているという印象を作っているが、現実には通信環境の縮小ではなく拡充を望む人のほうが主流を占めている。
IDCは調査リポートによると、回答者の多くが「仕事と生活のバランス」に「まずまず満足して」おり、仕事やプライベートにかかわらず、どこでもコミュニケーションが取れるハイパーコネクトな状態を保とうと考えているという。休暇中でも、レストランでも、さらにはベッドでも、教会でもだ。
また、今回の調査では、財布や自宅の鍵よりも携帯電話のほうが大切という回答が多数寄せられた。人々が喜々としてデバイスを持ち歩き、それを使ってコミュニケーションを行っている理由は簡単に説明がつく。それは、われわれが不健康な中毒に陥っているからでも、邪悪な企業にデバイス利用を強制されているからでもない。それは人の本性に由来しているのである。
われわれ人類は、約200万年の歴史の多くの時間を、小さな遊牧部族として、あるいは小さな村の数十人以下の集団として暮らしてきた。大脳と高度な声帯を持つわれわれは、コミュニケーションを行う動物である。われわれは常に、あるいは日々、知っているすべての人とコミュニケーションを行うようプログラミングされている。
しかし、文明がそれを変えた。今では、われわれは街や都市に住み、世界を移動している。祖先と異なり、われわれは進化の歴史の中で初めて、家族、友人、知人と物理的に切り離されているのだ。
これは私見であるが、知っている人とすぐに連絡が取れない環境は、人にとって人工的な環境であり、ハイパーコネクティビティこそが、われわれ人類にとって自然な状態なのだと思う。加えて、ハイパーコネクティビティによるハイパーコミュニケーションこそが人間を人間たらしめているとさえ筆者は考えている。つまり、ハイパーコネクティビティへの“回帰”を求める渇望が、IDCのリポートで説明されている顕著な傾向が進む原動力となっているのだ。
アンチ・ハイパーコネクティビティ派は、ハイパーコネクティビティの通信環境ではなく、その人工的な面に反発しているのではないだろうか。デバイス利用で嫌な思いをすることがあると、条件反射でデバイスが嫌いになる。彼らは個人の時間が携帯電話や電子メールで邪魔されるのが気に入らないのだ。これは至極もっともなことだが、こうした問題は、エチケットの向上やデバイスを自分で管理することで解決することができる。たまに接続を切りたいと思ったら、そのときに切ってしまえばよいだけなのだ。
ハイパーコネクティビティが是か非かを問うこと自体、重要なことではない。人々がどうとらえようとも、ハイパーコネクティビティは今後もますます進展していくだろう。
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