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【LinuxWorld Tokyo 2008】
みずほ銀行が語る、Linux搭載メインフレームによる基幹システム統合の“実際”
「次のフェーズでカギとなるのはLinuxと仮想化技術」
(2008年05月30日)
Linux採用を成功させ、今度は仮想化の積極活用へ
一般に、システムの統合は、低リスクのシステムから順次、作業が実施されることになる。簡単なところから統合を進めて、その経験を生かしながら次の統合に取り組むことでリスクを軽減する狙いがある。みずほ銀行のプロジェクトは、ほとんど当初の予定どおり進んだが、「プロジェクトというものは、どんな規模のものでもなかなかうまくはいかないもの」と加藤氏が語ったように、同行でも、大きく2つの問題が発生したという。それは、Linux用クラスタリング・ソフトが思ったように動作しなかったことと、AIXとLinuxの仕様差異による移植の問題だ。
| みずほ銀行の大規模システム統合を実現したIBMのLinux搭載メインフレーム「System z」(写真は最新機種の「IBM System z10 Enterprise Class」) |
加藤氏によると、Linuxのドキュメントには細かい仕様の記載がないため、同行は最終的に、実機調査を実施して事細かに「Linux移植ガイド」として整備し、ひとつひとつ問題をつぶしていったという。調査の成果物は、ライブラリ関数の扱い方の違いや早見表といった形で整備され、同行のスキルとして今も活用されているようだ。
結果的に、2年間にわたる大規模なシステム統合・更改プロジェクトは約70億円、3,000人月工数をかけて完了し、2007年8月からサービスインしている。刷新されたシステムは安定して稼働しており、ハードウェア系の障害は皆無ということだ。
システムの統合を実現したことでCO2排出は48%の削減が実現され、消費電力・空調・スペースでは51%の削減が実現されている。今後は、この経験やスキル・人材を活用し、他のシステムについても部分最適化から全体最適化を推進していくという。その際のキーポイントはLinux、そして仮想化技術だ。
加藤氏は、「UNIXからLinuxへの移植や、WindowsからLinuxへの移植に際してのガイドなど、実際の開発に対して必要になるインフラ環境を充実させてほしい」と、ベンダーへの今後の要望を述べた。また、「Linuxはまだ、UNIXと比べると若干劣る部分もあり、今後そのあたりの取り組みが重要になってくると思う」として、エンタープライズ・プラットフォームとしてのLinuxの今後の進展に対する期待感を示した。
みずほ銀行の事例は、大手銀行レベルのシステムで業務に耐えうるシステムに、現在のLinuxは十分対応できること、仮想化技術を活用することでハードウェアへの投資を抑え、グリーンITにも貢献できることなどを示すものとなった。プロジェクトの規模からしても、実現された結果から見ても、多くのユーザー企業のリファレンスとなる事例と言えるだろう。
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