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[米国]
2020年までに脳波によるコンピュータ操作が可能に――インテル研究者

脳の理解が進めば、すぐれたマイクロ・プロセッサの設計に役立つ

(2009年11月20日)

Intelの研究者は脳波を読み取ってコンピュータを操作する方法の開発に取り組んでいる。いずれ、キーボードやマウスが必要なくなる日が来るかも(画像はロジクールの「Cordless Desktop MX 5500 Revolution」)

 2020年までに、キーボードやマウスがなくてもコンピュータを操作できるようになるだろう。米国Intelの研究者はそう話している。ユーザーは脳波を使ってドキュメントを開いたり、Webを閲覧したりするようになるという。

 ピッツバーグにあるIntelの研究所の研究者は、人の脳波を読み取ってコンピュータやTV、携帯電話の操作に利用する方法の開発に取り組んでいる。Intelが開発したセンサーを脳に埋め込み、これによって脳波を読み取って利用するという構想だ。

 消費者はこうした脳内埋め込みによって得られる自由を求めるようになるだろう、と研究者は予想している。

 「人間は驚くべき適応力を持っていると思う」と、Intel Labsの研究担当副社長兼将来技術研究ディレクター、アンドルー・チエン(Andrew Chien)氏は語る。

 「20年前に、『コンピュータを常時持ち歩けるようになるだろう』と予想したら、『そんなものは欲しくない。要らない』と言われただろう。今では、人々がデバイスを持ち歩くのをやめさせることはできない。最初に解決しなければならない課題はたくさんあるが、私は、脳にチップを埋め込むことは、可能性の範囲内に十分あると思う」

 Intelのリサーチ・サイエンティスト、ディーン・ポマロー(Dean Pomerleau)氏は、Computerworld米国版の取材に対し、ユーザーは既存のコンピュータ・インタフェースに縛られることや、デバイスをポケットやバッグから取り出して使わなければならないことに、そのうち、うんざりするだろうと語った。さらに同氏は、ユーザーは指でデバイスを操作することもいやがるようになるだろうとの見方を示した。

 代わりに、ユーザーはさまざまなデバイスを脳波で操作するようになるという。

 「われわれは、脳波で興味深いことができることを証明しようとしている。いずれは、人々は脳内埋め込みに前向きになるのではないか。脳の力でWeb閲覧ができるようになるのはすばらしい前進だ」

 ポマロー氏とIntel、カーネギーメロン大学、ピッツバーグ大学の研究者から成る研究チームは現在、脳の活動の解読に取り組んでいる。

 ポマロー氏によると、同チームは「functional Magnetic Resonance Imaging(fMRI:機能的磁気共鳴画像)」測定装置を使い、頭に浮かんだ言葉やイメージによって脳の特定領域の血流がどう変化するかを調べている。人々は似たことを考えると、同様の脳パターンを示す傾向があると、同氏は付け加える。

 例えば、2人の人が熊のイメージを思い浮かべたり、「熊」という単語を聞いたり、さらには熊のうなり声を聞いたりすると、神経画像に同様の脳活動が示される。基本的に、さまざまな言葉やイメージにそれぞれ対応して脳内に標準的なパターンが現れるという。

 ポマロー氏によると、研究者は近いうちに、コンピュータ操作に利用可能なヘッドセットに脳活動の検知技術を組み込めるようになる見通しだという。次のステップは、脳内に埋め込める微小なセンサーの開発だ。

 こうした脳の研究を進めているのは、Intelとそのパートナーの大学だけではない。

 2年近く前、米国と日本の研究者が、猿の脳を使って、人型ロボットを制御することに成功したと発表した。デューク大学神経生物学教授で、このプロジェクトの研究リーダーを務めたミゲル・ニコレリス(Miguel Nicolelis)氏は、この研究が、麻痺のある人がまた歩けるようになるために役立つことを期待していると述べている。

 また、その1か月前にアリゾナ大学の准教授、チャールズ・ヒギンズ(Charles Higgins)氏は、脳と蛾の目によって導かれるロボットを開発したと報告している。同氏は、10〜15年後には、技術と生体有機組織が組み合わされた“ハイブリッド”コンピュータが使われるようになるだろうと予測した。

 Intelのポマロー氏は11月19日、さまざまな研究施設で、脳活動を検知する技術が開発されていると語った。

 「われわれが特定の言葉を正確に検知できるようになれば、頭の中でタイプ作業ができるようになるかもしれない」とポマロー氏。「文字や単語を思い浮かべることで、それらを入力できるようになる可能性がある」

 さらにポマロー氏は、多くの研究者による脳の理解が進めば、よりすぐれたマイクロ・プロセッサの設計に役立つだろうと語った。「脳の活動が解明されていけば、もっと賢いコンピュータが作れるかもしれない」

(Sharon Gaudin/Computerworld米国版)




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