【 ここから本文 】

ITIL/運用管理

ソーシャルブックマークに登録 : Yahoo!ブックマークに登録 はてなブックマークに登録 del.icio.usに登録 newsing it!に登録 Buzzurlにブックマーク livedoorクリップに登録 Slashdotにタレコむ イザ!ブックマークに登録 Twitterでつぶやく
print 印刷用ページの表示


ITIL

【連載】
エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]

第5回 モニタリング

(2008年04月09日)

もともとコミュニティ・ベースで開発が進められてきたオープンソース・ソフトウェアだが、今や多くの有力ベンダーがサポートし、企業が安心して利用できる環境が整っている。もちろん、OS、Webサーバ、メール・サーバなど、一部の分野では以前から企業利用が進んでいたが、最近は多様な分野において「エンタープライズ・オープンソース」が本格化しているのだ。本連載では、そうしたエンタープライズ・オープンソース・ソフトウェアを8分野に分け、各分野において特にすぐれたものを紹介していく。第5回目となる本稿では、モニタリング分野における秀逸なソフトを取り上げる。

Matt Prigge
InfoWorld米国版


モニタリング
商業的支援を受けた“新世代ソフト"が登場。急速に進化するオープンソース・モニタリング

 以前から「MRTG(Multi Router Traffic Grapher)」や「RRDTool」といった小型のオープンソース・モニタリング・ソフトは、企業で広く利用されている。それでも、これまでは大規模企業が必要とするさまざまな機能を備えたエンタープライズ・クラスのモニタリング・ソフトは、ほとんど存在していなかった。

 だが、この状況は急速に変わりつつある。現在、オープンソースのモニタリング・ソフトは急速に進化している只中なのだ。したがって今回は、現時点でモニタリング・ソフトのBOSSIE(Best of Open Source Software Awards)を決定するのは時期尚早であると判断した。

大規模環境への導入の課題は構築/メンテナンスの煩雑さ

 少し前までは、オープンソースのモニタリング・ソフトは5つか6つの異なるオープンソース・プロジェクトを包含していた。その構成例を挙げれば、広く普及しているモニタリング・ソフトの「Nagios」とその管理ツール、多数のNagiosプラグイン、高度なトレンド分析とグラフ作成が可能な「Cacti」、そして「WeatherMap」「Thold」などのCactiのプラグインを組み合わせたものだ。これらを併用すれば、強力かつ柔軟なモニタリング・システムを構築することができる。

 もっとも、複数のソフトウェアを組み合わせることにはデメリットもある。1つは、徹底的に調整しようとするとかなりの時間を要することだ。しかも、モニタリング対象のリソースを1つ追加するたびに、そうした調整が必要になる。

 また、アップグレードの複雑さもマイナス点だ。複数のコンポーネントが相互に依存していることから、モニタリング・システムの拡張が困難さを増すのである。それなりに経験のあるLinux/UNIXユーザーにはさほど大変なことには思えないだろうが、このアップグレード作業はLinux/UNIXの未経験者にとって身の毛がよだつことだろう。

 こうした事実は、モニタリング分野でオープンソースが普及するうえでの足かせとなった。Microsoft製品が大きなシェアを持つ多くの中規模企業でオープンソース・モニタリングが浸透していないのは、これが大きな理由だと考えられる。

 しかし、そうした状況も変わりつつある。ここ数年の間、商業的支援を受けた新しいオープンソースのモニタリング・ソフトが相次いで登場している。そうした新世代パッケージのいくつかは、これまで未統合だった異種ソフトウェアを緊密に結合するグルーを用意している。

 この分野の主要プレーヤーとしては、「GroundWork」や「Hyperic」、「Zenoss」などが挙げられる。

新世代パッケージとして注目される「GroundWork」「Zenoss」「Hyperic」

 「GroundWork」の特徴は、Nagiosベースのモニタリング・エンジンが有する柔軟性と、AjaxベースのWebポータルおよび管理インタフェースにある。また、Nagios用のプラグインおよびエクステンションを広くカバーしており、一般的なネットワーク・リソースのほとんどのモニタリングに対応している。

 「Zenoss」は、大規模利用を想定してゼロから設計されたネットワーク・モニタリング・ソフトである(画面1)。Nagiosプラグインをサポートしており、幅広いネットワーク・リソースのモニタリングが可能だ。Ajaxベースのユーザー・インタフェースを採用しており、LinuxやUNIXの初心者でもインストールやアップグレードを直感的な操作で行える。


画面1:「Zenoss」のダッシュボード設定画面。Ajaxの採用で容易な操作性を実現しているほか、Google Mapsなどとのマッシュアップも可能

 「Hyperic」は、Webサーバをはじめ、アプリケーション・サーバ、データベース・エンジン、ネットワークなどをモニタリングできるソフトウェアである。GroundWorkやZenossに備わるハードウェア・モニタリング機能や、ネットワーク・インフラの可視化機能はないが、特定のアプリケーションの提供に必要なリソースを検知し、それらを相互に関連づけることができる。

 もう1つ注目したいプロジェクトは、米国Qlustersの「openQRM」である。これは大規模環境での利用を想定したプロビジョニング・ソフトで、サーバの負荷をモニタリングし、必要に応じて仮想インフラに仮想サーバを追加する機能を提供する。Linuxサーバの自動プロビジョニングとモニタリングをサポートし、VMwareやXenなどの仮想マシンを管理することができる。制限はあるが、Microsoftの「Windows VM」にも対応している。

 以上紹介した4つのソフトウェアは、現在利用されているオープンソース・モニタリング・ソフトの一例にすぎない。特定ベンダーの製品が支配しているモニタリング・ソフト市場の勢力図が大きく塗り替えられるのも、もはや時間の問題だろう。



エンタープライズ・オープンソース[ベスト・セレクション]
第1回 業務アプリケーション
第2回 ネットワーク
第3回 プラットフォーム/ミドルウェア
第4回 セキュリティ
第5回 モニタリング
第6回 ストレージ管理
第7回 開発言語
第8回 開発ツール

関連記事

▲ページの先頭へ戻る


ホワイトペーパー

マネージドホスティング導入事例

間に合う!?「2ヶ月以内の3社のシステム統合を完遂せよ」

サーバ本稼働まで約1カ月で済ませたマネージドホスティング成功術

イベント/セミナー情報

HITACHI Open Middleware World 2008 Autumn JP1 Day

JP1が成功に導く、実践!仮想化&グリーンIT

注目の仮想化やグリーンITを中心に統合システム運用管理「JP1」の最新機能や活用ノウハウ、事例などを紹介

【会期】
2008年11月17日(月)13:30〜18:00
【会場】
アカデミーヒルズ40(東京・六本木)
【主催】
日立製作所

イベントの詳細はこちら

プロダクト・フォーカス

日立製作所

データを安全に長期保管し、さらなる活用を促す――日立の「Hitachi Content Archive Platform」

コンプライアンス/内部統制時代のニーズに応えるコンテンツ・アーカイブ・ストレージ

運用管理ソリューション

現場のニーズにこたえ続ける、定番の統合システム運用管理ソフト

内部統制を支援し、企業をさらに強く進化させる日立の「JP1 Version 8」

ITILを知り尽くしたプロフェッショナルが提供する“運用管理の最適解”

ユーザー企業の“運用改革”を強力に支援するDENSAのITILコンサルテーション&運用サービス

ビジネスPCの“新標準”「vPro」に対応し、PCの安定運用とセキュリティ強化を実現

クライアント管理の諸課題を解決するデルの企業向けデスクトップPC「OptiPlex 755」

キャッチアップ

ITILを生かしたストレージ管理の新アプローチ

ベスト・プラクティスをストレージ管理にも応用し、“データの洪水”に備える

OpenIDのこれまでとこれから――企業ITでも活用できるか

B2BでのID管理基盤作りには、各種標準仕様との相互運用が必須

「Active Directory」ドメインサービスの7つの強化ポイント

内部統制時代を迎え、進化するディレクトリ・サービス

データセンター管理のキーワードは「ITIL」と「自動化」――2つの調査に見るユーザー意識の高まり

「いずれも効率的なIT環境の実現に貢献」とアナリストが指摘

ITIL採用の陰に潜む“習熟度”の問題――CIOへの調査結果で明らかに

多くのCIOがスキル不足を懸念。「ITILを本格的に実践」との回答は米国で10%未満

ITIL導入ユーザーの3分の1は3年以内に新版v3に移行

コンフィギュレーションやサービスデスクから着手すべき――専門家が指南

ITマネジャーがITILの導入を躊躇する10の理由

運用効率の向上とサービス管理の強化を約束するITILに、彼らが飛びつかないのはなぜ?

ITIL導入の基礎知識

米国事例から学ぶ適用のポイント

ITIL導入企業の7割が効果に「満足」

「きわめて重要」と考える企業は減少

データセンターの管理に問題あり――5割近くが構成情報を把握せず

ITIL適用の遅れが一因

IT運用管理の「今ある課題」と「解決へのアプローチ」[前編]

“システムの大規模化・複雑化”と“時代的ニーズ”にどう対応するか

IT運用管理の「今ある課題」と「解決へのアプローチ」[後編]

課題に対する有効な解決アプローチを紹介

専門家がアドバイスするオフショアを成功に導く10の方法

自社に最適なオフショア・ベンダーを見つけだし、海外プロジェクトを円滑に進めるにはどうするべきか?

“戦略”重視の「ITIL Version 3」が正式リリース

サービス中心の「ライフサイクル・アプローチ」を採用

ITプロジェクトは「スピード最優先」の時代に

競争優位に立つために、2007年は投資の早期回収を目指せ

チェンジ・マネジメントの自動化を促進せよ──IT環境の変化に効率的に対応するために

現行プロセスを見直し、効率性・管理性・監査性を再検証する

セキュリティ強化にはどの標準/フレームワークが“適役”か

COBIT、ISO 27001、ITIL、SAS 70など

キーパーソン

「Dynamic IT」が目指すものとは――マイクロソフトの運用管理製品責任者に聞く

「企業のIT管理は仮想化で劇的に変わる」

「ITILv3の最大の特徴はサービス・セントリックである」――ITIL“伝道師”のブライアン・ジョンソン氏

新版のポイントとCAが展開するITIL導入支援について語る

トレンド・ウォッチ

中堅・中小企業のITサービス/サポート評価、総合力でNECがトップに――ノークリサーチ調査

提案力はIBM、価格はデル、サーバ・シェアは富士通が優位(2008年09月18日)

EMCジャパン、「CO2排出権付き」のストレージ製品リースを開始

自社ストレージ運用時の温室効果ガス排出量の“相殺”を可能に(2008年09月11日)

ネットワーク不通は続き、真相解明もまだ先――サンフランシスコ市IT局を襲ったWAN接続障害事件

「優秀なネットワーク管理者である私に嫉妬した上司らにはめられた」と容疑者(2008年07月24日)

「なくした“人生の一部”を取り戻せ」――オープンソースのノートPC追跡ソフト「Adeona」が完成

紛失/盗難にあったノートPCを持ち主の下へ――商用版にどこまで対抗できるか(2008年07月15日)

APCジャパン、データセンター向け運用管理アプライアンス「InfraStruXure Central」をリリース

ソフトウェアの追加により設計/監視/運用管理の一元化を実現(2008年07月10日)

Macの企業ネットワーク接続/管理の問題に取り組むアライアンスが発足

企業クライアントPCとしてMacを使いたいユーザーに朗報(2008年07月03日)

Webブラウザの約4割が未パッチ状態――チューリッヒ工科大学が報告

「問題の大半はベンダー側の対策不足にあり」と研究員が指摘(2008年07月02日)

SLAに関する、IT部門と事業部門の“温度差”が浮き彫りに

IT部門の努力不足なのか? それとも事業部門の要求が高すぎるのか?(2008年06月24日)

PCの誤設定で人生を棒に振った不運な男の話

悲惨としか言いようのない出来事も一歩まちがえれば「明日は我が身」(2008年06月19日)

2007年の国内サービスデスク/インシデント管理市場、前年比45%増の高成長を記録

2008年も引き続き高成長維持の見通し(2008年05月08日)

BMC、ITILリーダー育成を支援する新教育プログラムを提供

真に現場のリーダーになりうる人材の迅速な養成をサポート(2008年04月23日)

マイクロソフト、Officeの海賊版に警告を送る試験プログラムを開始へ

まずはチリ、イタリア、スペイン、トルコで開始し、全世界への適用を検討(2008年04月09日)

BMC、ITIL v3準拠のサービス・リクエスト管理ソフト「SRM Ver. 2.2」を発表

「サービス・カタログ」の提供で、サービス・リクエストの進行プロセスを自動化(2008年03月25日)

日本HP、ITILv3準拠のITサービス管理ソフト「HP Service Manager 7.0 software」を発表

ITサービス管理分野の旧2製品を統合、ITILに沿ったワークフロー管理をサポート(2008年03月13日)

日立、システム運用管理ソフト「JP1」のグリーンIT対応を強化

PCの省電力一元管理機能などをサポート(2008年03月12日)

すぐれたITサービス・マネジメントを実現する5つの方法――CAが調査結果を基に提唱

世界のトップ企業に共通するベスト・プラクティス(2008年02月22日)

Weekly Ranking

集計期間:10/01〜10/07



Computerworld Global
米国
英国
中国
ドイツ
オーストラリア
シンガポール
その他の国