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ITIL/運用管理

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[国内] 【インタビュー】
「ITILv3の最大の特徴はサービス・セントリックである」――ITIL“伝道師”のブライアン・ジョンソン氏

新版のポイントとCAが展開するITIL導入支援について語る

(2007年07月24日)

1980年代後半に英国政府が策定した、IT運用管理業務のベスト・プラクティス集である「ITIL」。その最新版「ITIL バージョン3」が今年5月30日に公開された。編集部は今年7月23日、CCTAにおいてITILの執筆経験を持ち、現在は米国CAでグローバル・プラクティス・マネジャーの職にあるブライアン・ジョンソン氏にインタビューし、バージョン3のポイントなどについて聞いた。

山上朝之
Computerworld編集部

――ITILの新版として、バージョン3がリリースされた背景について簡単に説明してほしい。

ジョンソン氏:バージョン2がリリースされた2001年から、すでに6年もの歳月が経過した。その間、IT環境は大きく変化し、ITILもIT環境の変化に合わせた対応が必要となっていた。また、これまでITILの課題として指摘されていたのが、全巻を通じて内容の一貫性に欠けるという点だ。これは、書き上げるまでに長い時間を要したために、執筆期間の前半と後半とで、内容にズレが生じてしまったことが原因だ。こうした事態を避けるために、バージョン3では全巻同時にリリースした。

「将来的には、ITILの執筆者を、さまざまな国から選任することが必要かもしれない」と語るCAのブライアン・ジョンソン氏
――バージョン3における主な変更点は何か。

ジョンソン氏:バージョン1とバージョン2は、各種プロセスの管理について詳細に解説することを主眼に置いて執筆されている。今回のバージョン3では、バージョン1/2の内容を7割以上継承しつつも、ITとビジネスをより直結させることをねらった。具体的には、サービスを中心にすえた「サービス・ライフサイクル」の概念を取り入れて再構成している。多くの企業がITを活用したサービスの提供に注目するなか、バージョン3のサービス・セントリックな考え方は、現在の企業が指向するIT環境に合致したものであり、ITをビジネスによりつなげやすくなるだろう。

 また、今年8月には、IT運用管理の実践的手法をわかりやすくまとめ直した、バージョン1の改訂版も出版される。バージョン3で扱っている、ITサービスのキャパシティ管理や可用性管理などは、既存のITIL をきちんと実践できている企業でないとなかなか導入できないかもしれない。バージョン1の改訂版は、そうした企業にとって有益なガイドラインになるだろう。

――ユーザー企業のITIL導入を支援するベンダーとして、CAはどのような展開を図っていくのか。

ジョンソン氏:ITILに盛り込まれた情報は実に膨大だ。それをすべて実践しようとすることは困難であり、バージョン1/2でITIL導入に失敗した多くの企業は、全巻の内容をすべて実践しようとしたのがよくなかったのではないだろうか。そこで当社としては、ユーザー企業が目指すIT環境に合わせてバージョン3の有効な活用方法をアドバイスし、ITILの導入と実践を支援していくつもりだ。

 もちろん、ユーザー企業にとってのIT最適化手法は各社まちまちであり、バージョン3だけが唯一正しい指標ということにはならない。例えば、プロジェクト管理に焦点を当てたいという企業であれば、それに即したフレームワークを提案し、ITサービス管理の強化を願っている企業であれば、それこそ最新のバージョン3に基づいた提案を行うことになろう。ともあれ当社の役割は、ITILやそれ以外のフレームワークも含めて、企業の目的に合った実践的な提案をしていくことである。

――今後もITILは更新されていくと思うが、その際により重要になる要素は何か。

ジョンソン氏:国際化に対応して、さまざまな国から執筆者を選任していく必要があるかもしれない。バージョン3では、事業目標に準じたITの役割と要件を記した「サービス戦略」の執筆に、2名の新しい執筆者が加わったが、彼ら以外は皆、ITILの執筆経験者である。個人的には、日本やドイツ、オーストラリアなど、さまざまな国から執筆者を選出し、今までにない新しいアイデアを盛り込んでいくことが大切だと考えている。現状、こうした取り組みは行われていないようだが、今後、必要になってくるのではないだろうか。




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