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ITIL/運用管理
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ITマネジャーがITILの導入を躊躇する10の理由
運用効率の向上とサービス管理の強化を約束するITILに、彼らが飛びつかないのはなぜ?
(2007年11月06日)
【4】投資
プロセスを実装するために必要な時間、人員、資金の確保は、ITIL導入者にとって、これまた大きな障害となる。ITILは短期間に満足できる成果が得られるようなプロジェクトではないため、予想される成果に対して投資額が多すぎると見る向きもあるようだ。だが、以下のホー氏の説明を聞けば、そんな不安も払拭することができるはずだ。
「スタッフをトレーニングして軌道に乗せるまでに必要な初期投資の額が大きすぎるのではないかと心配されているようだが、長い目で見ると、コスト削減とサービス向上がもたらす成果は、間違いなく(初期投資を含めた)投資額を上回るはずだ」(ホー氏)
【5】流行の波
今やすっかり業界内の流行語となってしまったことで、ITマネジャーたちはかえってITILの有用性に不信感を抱くようになったようだ。物理的な製品ではなく、目には見えない一連のプロセスであるだけに、ITILへのその思いは、なおさら強いのではないか。こうした人たちに向けて、ホー氏は、はやっているからという理由だけでITILブームに飛び乗らないようにとの警告を発する。
ホー氏は、「ITILへの関心度が急速に高まっているが、だからといってITILがすべての企業や組織にびったりと当てはまるわけではない」と釘を刺す。「現在の環境に問題がなければ、流行しているからといってITILの導入を急ぐ必要はない。ITILが組織のニーズにこたえる場合もあれば、そうでない場合もあるのだから」(同氏)
【6】プロセスの選択
ITILでは10の異なるプロセスを提唱している。そのため、多くのIT部門では自分たちが誤ったプロセスを選んでしまうのではないかという不安感を抱いている──とホー氏は指摘する。
具体的には、時間と金の無駄遣いになってしまうのではないか、各種のリソースを注ぎこんでもプロジェクトが成功しないのではないか、といったような不安だ。そのためホー氏は、ITマネジャーはあれこれ考えないようにし、事業目標に直接関係するプロセスだけを選択するようにすればいいのだとアドバイスする。
「企業は自分たちが最も必要としている部分――つまり、ITILで解決したいビジネス上の最大の課題――を最優先させればいいのだ。そこからすべてを始めればいい」(同氏)
【7】複雑さ
ITIL Version 3に収められている情報と資料は、前バージョンより50%以上も多くなっている。IT部門の中には、それが原因で導入に二の足を踏むところもあるほどだ。ホー氏は、このようなプロセスの複雑さに対する不安が、(1.で紹介した)変化に対する恐れの原因にもなっていると指摘する(もっとも、これはITIL Version2を導入している企業に限った話ではあるが)。
いずれにしろ、ITIL Version 3に大量の情報が含まれているからといって、ITIL Version2を導入している企業がすべてそれを1つずつ活用/適用しなければならないというわけではないのである。
「ITILに携わっている人たちは、持続的にサービスを向上させなければならないという強迫観念にとらわれて、不安を募らせ、多くのことに手を出そうとする嫌いがある」と、ホー氏はここでも物事を複雑に考えすぎないよう、いさめる。
【8】経営陣の期待
2.でも少し述べたが、ITマネジャーは、ITILプロジェクトを発足させるにあたって経営陣の支持を獲得するだけでなく、プロジェクトの過程においても経営陣の期待にこたえなければならない。そのプレッシャーが大きすぎるため、多くのITマネジャーは、自分たちの取り組みが、経営陣の壮大な目標にかなっていないのではないかとの不安を捨てきれない、とホー氏は見ている。
「ITILは決してすべてのIT問題を解決することのできる“特効薬”ではない。経営陣の過度な期待をうまくコントロールするようにすべきだ」(同氏)
【9】企業/組織の規模
ITILのベスト・プラクティスは、グローバル企業やフォーチュン500企業のためのフレームワークであり、自分たちのような小さな企業には適さない――中堅・中小企業の中には、こうした理由からITILを敬遠するIT部門もある。多くの要素が絡むプロセスは、小規模な環境では機能しない、と彼らは懸念しているわけだ。だが、ホー氏によれば、それは必ずしも事実ではない。
ITILは柔軟性に富んだフレームワークであり、「ある特定のサイズをすべての企業に当てはめようとするものではない」(同氏)のである。例えば、ホー氏が以前勤めていたプロクシマ・テクノロジー(今年初めにコンピュウェアに買収されたビジネス・サービス管理ベンダー)は、ごく小さな会社だったが、運用効率を上げるためにはITILが必要だと判断し、わずか2名のITスタッフでITILを導入したという。
「ITILはあらゆる規模の組織に適用できる」(ホー氏)
【10】創造性の抑圧
最後の不安はきわめて単純な不安だ。それは、ITプロフェッショナルが、プロセス・ベースのITILを導入することによって、テクノロジーに対する自分たちの創造性が抑圧されることになるのではないかと恐れている──というものである。
これに関してホー氏は、次のような見解を示す。
「企業が(ITILを通じて)IT部門を整備すれば、“与えられた問題を解決する”という従来の受身モードから、前向きでクリエイティブなモードに転換することができる。その結果、効果的なプロセスにのっとった運用管理を実践することが可能になり、それを基に、いっそう創造性をはぐくむこともできるはずだ」
























