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[米国/欧州/国内]
米国通商代表部と日本政府、液晶や複合機などへの関税をめぐりEUを提訴
USTRのSchwab代表「EUの行為はWTOでの情報技術協定に反している」
(2008年05月29日)
米国通商代表部(USTR)と日本政府は5月28日、欧州連合(EU)が一部のIT関連製品に高い関税をかけている行為を世界貿易機関(WTO)の合意に反するものとして提訴した。USTRによると、これらの製品の輸出市場における売上高は、2007年の時点で700億ドルに上るという。
USTRと日本政府は、ケーブル・テレビ放送や衛星放送を受信するためのセットトップ・ボックスでインターネットにもアクセス可能な製品、液晶フラットパネル・ディスプレイ、複合機(ファクス、コピー、スキャナなどの機能を備えたプリンタ)の3製品分野に対して不当に高い関税をかけているとして、WTOへの提訴に踏み切った。
| USTR代表のSusan Schwab氏は、革新的なIT製品に対して高い関税をかけるというEUの行為はWTOでの合意に反している」と主張している |
米国通商代表のスーザン・シュワブ(Susan Schwab)氏は、「EUが、革新的な技術に新たな関税をかけるという行為をやめ、WTOの合意に従うことが重要だ。EUは、保護主義的な策を弄して新たな関税を考え出すのではなく、わが国と共同で新技術の普及促進に努めるべきである」との声明を出した。今回の提訴について、EUの代表者は、今すぐコメントすることはできないとしている。
EUの政策に対する米国の不満は、数カ月前から徐々に高まっていた。USTRは、EUの関税がWTOの情報技術協定(Information Technology Agreement:ITA)に反しているとの批判を行っていた。ITAは、企業向けに設計された幅広いIT製品の輸入関税を撤廃するというもので1996年に成立した。
これに対しEUは、ITAが消費者向け製品に対する関税の撤廃まで求めるものではないとして、これらの製品に6%から14%の関税をかけてきた。フラットパネル・ディスプレイなどITAが適用される製品の価格は近年、下落傾向が続いており、これらの製品を購入する消費者も増えている。このためEUは、一部のIT関連製品を消費者向け製品に区分しなおしている。
EUで通商問題を担当する欧州委員会は、製品区分の変更は正当な行為であると主張している。2007年9月、欧州委員会の通商担当広報官ピーター・パワー(Peter Power)氏は、EUの区分は「客観的な基準」に基づくものであるとしたうえで、「EUがITAの合意に反して製品区分の変更を行ったという米国側の主張には根拠がない」と語った。
一方、米国のIT業界団体であるInformation Technology Industry Council(ITI)は、WTOの合意に関するEUの解釈に異論を唱えている。ITIの技術/通商担当バイスプレジデント、ジョン・ノイファー(John Neuffer)氏は、「ITAには、消費者向け製品と企業向け製品の線引きなど存在せず、あくまでもハイテク製品を対象とした合意である」と強調する。そのうえで同氏は、今回問題となった製品を消費者向け製品に区分しようとするEUの試みは「作為的」と批判している。
USTRの声明は、EUがIT業界における技術革新を阻害し、多くの企業や消費者が購入する製品の価格をつり上げているとの批判をにじませており、ITIも今回の提訴を歓迎している。
(Grant Gross/IDG News Serviceワシントン支局)
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