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訴訟/知財問題

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[米国]
「Linuxユーザーはマイクロソフトに借りがある」──バルマー氏が明言

(2006年11月20日)

米国マイクロソフト CEO スティーブ・バルマー氏

 米国マイクロソフトのCEOスティーブ・バルマー氏は11月16日、Linux OSはマイクロソフトの知的財産を侵害しているとの見解を示した。これは、オープンソース・コミュニティの懸念を裏づける発言だ。

 バルマー氏はシアトルで開催された「Professional Association for SQL Server(PASS)」コンファレンスで行った基調講演後の質疑応答の中で、マイクロソフトが今月初めにSUSE Linuxを提供するノベルと提携した理由について、「われわれの知的財産がLinuxに利用されており、マイクロソフトは株主のために、自社のイノベーションの適切な経済的見返りを確保したいと考えた」と説明した。

 ノベルとマイクロソフトは、11月2日に発表した提携の下、両社の競合ソフトウェア製品の相互運用性向上に取り組むことになっている。またマイクロソフトは、自社の顧客がSUSE Linuxに関する保守やサポートを受けられるようにするなどの目的で、ノベルに4億4,000万ドルを支払う。さらに、マイクロソフトはLinuxも利用したいと考えるWindowsユーザーにSUSEソフトウェアを推奨することでも同意している。

 今回のバルマー氏の発言によって、提携に含まれている「ノベルがマイクロソフトに4,000万ドルを支払い、マイクロソフトはSUSE Linuxユーザーを特許侵害で訴えない」という取り決めの重要性がより鮮明になったと言える。

 この取り決めでは、コードを作成してSUSE Linuxディストリビューションの開発に貢献する個人や非営利のオープンソース開発者、および同ディストリビューション用のコードを作成して報酬を得る開発者も、訴訟の対象にならないとされている。

 しかし、多くのオープンソース支持者が両社の提携を批判している。彼らの主張は、「今回の提携は、主要なLinux推進企業が特許侵害を認めたこと意味し、マイクロソフトが特許に関して法的措置に踏み切った場合、同社の立場を補強することにつながりかねない」というものだ。

 これまでバルマー氏を含むマイクロソフトの幹部は、GPL(GNU General Public License)が適用され、世界中のプログラマーの開発成果が取り込まれているLinuxカーネルが、マイクロソフトの特許を侵害しているかどうかについては沈黙していた。

 しかし、バルマー氏は16日、「ノベルはわれわれに資金を支払うことで、『SUSE Linuxのすべての利用者が適切に保護されている』と顧客に言える権利を手に入れることになった」とし、「これはわれわれにとって重要なことだ。こうした措置が取られなければ、基本的に、すべてのLinuxユーザーは、(特許に関して)負債があると考えざるをえない」と饒舌に語った。

 これに対し、オープンソースに関する法的問題を追っているGroklaw.netブログの編集者パメラ・ジョーンズ氏は、「バルマー氏は、FUD(恐怖、不安、疑念)をあおっているにすぎない。自分の主張が正当だと思うなら、訴訟を起こせばいい。彼の主張がマイクロソフトのユーザーからも支持されていないことがわかるだろう」と反論する。

 Linuxディストリビューター最大手のレッドハットの幹部も、バルマー氏の発言を一蹴した。「われわれは、マイクロソフトとノベルの提携契約の中で規定されているような関係を結ぶ必要性も、そうする根拠もないと考えている」(副法務責任者、マーク・ウェビンク氏)

 レッドハットはマイクロソフトが取る可能性のある法的措置について、「イノベーション税」を徴収しようとするものだと批判、「(特許侵害に関するマイクロソフトの主張から)顧客を保護できる」と強調する。

 また、ジョーンズ氏は、11月2日に提携が発表された後、ノベルが自社のWebサイトで、「今回の提携は、侵害行為とは一切無関係である」と説明していたことを指摘し、「どちらの言っていることが正しいのか」と皮肉っている。

 バルマー氏は16日、知的財産侵害の内容について詳しい説明はしなかった。だが同氏は、SUSE Linux以外のLinuxを利用するユーザーは、マイクロソフトのイノベーション成果にただ乗りしており、Linuxベンダーかユーザーか、いずれはだれかがその対価を支払わなければならないとする認識を示した。

 「SUSE Linuxを利用する顧客だけが、マイクロソフトの知的財産の対価を適正に支払っている。われわれはレッドハットなどほかのLinuxディストリビューターとも提携することに異存はない。SUSE Linuxに関する提携は、排他的なものではない」(バルマー氏)

(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)




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