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訴訟/知財問題

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[米国]
司法省の「児童オンライン保護法」擁護論は一貫性を欠く──人権団体が裁判で反論

(2006年11月21日)

 米国自由人権協会(ACLU)は11月20日、COPA(Child Online Protection Act:子どもをオンラインから保護する法律。児童オンライン保護法とも呼ばれる)を巡る裁判の最終弁論で、同法を擁護する米国政府に反論を行った。未成年に有害なオンライン・コンテンツの定義という点で司法省の主張は一貫性を欠いており、言論の自由を侵害する同法に法的強制力を与えるべきではない、というのがACLUの主張だ。

 この裁判は、1998年に立法化されたCOPAに対してACLUが起こした訴訟の締めくくりと言えるもの。COPAは、未成年に有害であると政府が判断したWebコンテンツを公開した個人に対し、厳しい刑事罰ならびに民事罰(罰金を含む)を課すという法律で、ACLUは8年にわたってCOPAが違憲であると訴えてきた。

 これ以前、フィラデルフィアの連邦地方裁判所と連邦控訴裁判所はCOPAを違憲と判断し、また2004年には米国最高裁判所がCOPAの施行を禁止する判決を支持した。しかし、COPAの刑事罰ほどには言論の自由を侵害せず、しかもオンラインでの児童の安全を確保できるような有効な手段の有無を確認するため、最高裁はACLUの訴訟をペンシルバニア地方裁判所に差し戻している。

 ACLUの顧問弁護士であるクリス・ハンセン氏は20日、同裁判所において、COPAの違憲性を裏付ける主張を繰り広げた。

 同氏はまず、「裸体を含む素材やコンテンツのうち、どのような種類のものが性的に露骨な表現で、どれが芸術的・科学的・政治的価値を持つかという定義を巡り、この裁判における政府側証人の間で意見の一致が見られない」と政府側を批判。今のままだとCOPAは幅広く解釈される可能性があり、この訴訟の共同原告であるNerve.comやSalon.com、Sexual Health Networkなどの合法的WebサイトにもCOPAが適用されかねないと訴えた。

 また、COPAはHTTPを通じてWebに送信されるコンテンツのみを保護し、インスタント・メッセージやVoIP中のWebコンテンツ、FTPによるコンテンツ送信については保護しないことを理由に、同氏は「COPAは真にオンライン・ポルノから児童を守ることにはならない」と説明。「オンライン上のわいせつな表現が児童の目に触れないようにするには、コンテンツ・フィルタや親の監視、教育的指導などの手段が有効だ」と主張した。

 一方、COPAを擁護する米国政府は、親の監視やコンテンツ・フィルタがCOPAに代わる有効な手段だとするACLUの主張に反論した。

 「片方の親しかいない家庭は少なくない。両親がいても、共働きという家庭はたくさんある。あらゆる家庭が常に児童のインターネット利用を把握できると想像するのは良い気分だろうが、実際には助けが必要だ。その助けを提供するのがCOPAだ」(司法省のジョエル・マッケルベイン弁護士)

 マッケルベイン氏は続けて、COPAの適用対象となっていないWebサイトがコンテンツ・フィルタでブロックされた例を挙げ、「わいせつとはまったく関係のないWebサイトがフィルタによってブロックされ、有益な情報を得られる場が奪われている」と述べた。

 また政府は、この裁判を担当するローウェル・A・リード判事に対し、同訴訟の共同原告の一部には法的権利がないと裁定するように求めている。共同原告とは、フリー・スピーチ・メディア、フィラデルフィア・ゲイ・ニュース、パウウェルズ・ブックストアーズ、エレクトロニック・フロンティア・ファウンデーション、アメリカン・ブックセラーズ・ファウンデーション・フォー・フリー・エクスプレッションといった団体を指しており、「これらの団体のメンバーは、COPAが与える影響について証言していない」と政府側は指摘した。仮にリード判事がそのような裁定を下した場合、ACLUによる訴訟全体が無意味になる。

 この裁判における証拠開示段階のための証拠提出期限は12月7日の予定だ。リード判事は来年初めまでに判決を下すものと予測される。

(エリザベス・モンタルバノ/IDG News Service ニューヨーク支局)




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