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訴訟/知財問題

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[米国]
「iPhone」商標問題でアップルとシスコが和解

両社が製品名として使用――勝者はアップルとの見方も

(2007年02月23日)

 米国シスコが「iPhone」の商標をアップルに侵害されたとして訴えていた問題で、両社は2月21日、和解することで合意したと発表した。和解内容の詳細は明らかにされていないが、アナリストの間では、シスコが貧乏くじを引いたとの見方も出ている。

 共同声明では、両社はいずれもiPhoneの名称を自社製品名として使うほか、「セキュリティ分野や消費者向けおよび企業向け通信分野で相互運用性を確保する機会を探る」ことになったとしている。

 シスコは、2000年のインフォギア買収でiPhoneの商標を取得し、1年以上前からリンクシス部門のVoIP端末をiPhoneの名称で販売している。

 和解に伴って、両社の法的措置はすべて撤回されることになったが、和解内容の詳細は公表されていない。

 今回のiPhone騒動に関しては、アップルとシスコのどちらが勝利し、どちらが譲歩したのかについて、アナリストがさまざまな見方を披露している。

 エンダール・グループの代表で独立系アナリストのロブ・エンダール氏は、「シリコンバレーでは、アップルが笑って交渉の席を立ったときには、相手が言いくるめられているというのが通説だ」としたうえで、「今回、アップルは笑って席を立った」と述べた。

 エンドポイント・テクノロジーズ・アソシエイツのロジャー・ケイ氏も、「明らかにシスコが大盤振る舞いをしたように見える」としている。

 エンダール氏とケイ氏がこうした見方をしているのは、iPhoneという名称に価値があることが明らかな一方で、声明に盛り込まれている相互運用性に関する取り決め内容があまりにもあいまいであるからだ。

 エンダール氏は、「シスコがこの和解で、望んでいたものを手に入れたとは思えない」とし、アップルは過去に、パートナーとの約束を守らなかった前歴があると付け加えた。「アップルにはそうしたところがままある。パートナーはいつもあとで後悔する」

 一方、ケイ氏は、アップルがシスコに和解金を支払ったのではないかと見ている。「お金が動いていないのだとしたら、非常に奇妙だ。公表されている和解内容は、アップルばかりが得をするようなものだからだ」とケイ氏。同氏は、iPhoneという名称には、「数億ドル」の価値があると見積もっている。

 こうした見方について、シスコとアップルはいずれもコメントを控えている。

 エンダール氏もケイ氏も、iPhone問題が和解で決着したことに驚きはなかったとしている。なぜなら、アップルの側にも「法廷闘争に入るわけにいかなかった」(エンダール氏)事情があるからだ。

 アップルは、自社の携帯電話ベースのiPhoneと、シスコのVoIP端末のiPhoneとは分野が異なる製品であるという理由で、商標侵害は成立しないと公に主張していた。しかし、もしこの理屈がそのまま通って勝訴していたとしたら、アップルは競合他社から同様の主張をぶつけられるおそれがあった。

 「他社も同じ理屈でiPodという名称を使おうとしたかもしれない」(エンダール氏)

 ケイ氏は、「アップルがうまくやったのは明らかだ」と断言する。「ジョブズ氏が相手を丸め込むのがうまいというのはもはや伝説になっている。いわばコンピュータ業界のラスプーチンだ」

 一方、法律事務所マグワイヤ・ウッズの弁護士ケン・ドート氏は、商標に関する係争は、裁判に入る前に和解で解決されるのが一般的であり、特に、今回のように利害が大きくかかわる問題の場合はなおさらだと指摘している。

 「今回の和解はどちらの当事者にとってもプラスだと思う。アップルは商標問題に深く踏み込むことなく、望んだ名前を手に入れることができた。一方、シスコもアップルとある種発展的な関係を結ぶことができた」(ドート氏)

(グレッグ・カイザー/Computerworld オンライン米国版)




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