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訴訟/知財問題

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[米国]
100以上のITベンダーらが特許改革法案に懸念を表明

「特許権の剥奪につながる」と署名入りの書簡を議員に送付

(2007年05月17日)

 現在米国議会で議論されている特許改革法案に対し、小規模ITベンダーやバイオ関連企業、ベンチャー・キャピタル・グループといった100以上の企業や団体は今週、「法案成立は自社のビジネスに破滅的な影響を与える」と懸念を表明し、議員らに署名入りの書簡を送付した。

 特許改革法案は2005年6月に米国下院議会の知財小委員会によって提出された。その内容には、特許を出願した順番に特許権を認める「先願主義」への移行や、特許所有者の賠償請求算定方法の見直し条項などが盛り込まれている。

 現在の米国の特許法は、特許出願の順番よりも実際の発明が早かった人を優先する「先発明主義」を採用している。しかし、この方式には特許審査が長期化するなどの欠点があり、法律の改正を求める声が上がっていた。

 今回、特許改革法案への懸念を表明したのは、アンバーウェーブ・システムズ(半導体ベンダー/ニューハンプシャー州)、インターデジタル・コミュニケーションズ(無線技術開発ベンダー/ペンシルバニア州)、LSI(ネットワーキング・ストレージ・ベンダー/ペンシルバニア州)などである。アンバーウェーブらが問題としているのは、損害賠償額算定方法の見直しに関する条項だ。

 改革法案では、特許に抵触する技術が製品の一部にしか利用されていない場合に、特許所有者が製品販売者に対して請求できる賠償請求に制限を設ける条項が盛り込まれている。特許侵害の賠償額の算定は、その製品で利用されている特許技術の件数によって決まることになる。

 アンバーウェーブの財務/ライセンス担当バイスプレジデント、ブライアン・ロード氏は、「(特許に抵触する)製品で利用されている特許件数によって損害賠償の算定が異なるという方法は、特許所有者の権利を露骨に奪う」と憤る。

 特許所有者を代表する業界団体のイノベーション・アライアンスは、「改革法案の条項は、競争が激化するグローバル・エコノミーにおいて、継続的な技術革新と米国のテクノロジー・リーダーシップに深刻な結果を及ぼす」と書簡に記している。

 一方、マイクロソフトやシスコシステムズといった大手ITベンダーは、今回の特許改革法案に賛成の立場を表明している。

 ある大手ITベンダーは、「特許商標局は疑問を抱くような特許でさえ安易に承認してしまう。特許所有者は、所有している特許が少しでも侵害されれば訴訟を起こし、巨額の損害賠償を手に入れる。一方、ごくわずかでも特許を侵害している製品は、(訴訟によって)その生産ラインが完全にストップしてしまう」と主張する。

 大手ITベンダーの製品が特許を侵害することについてロード氏は、「ある程度はしかたがない」と理解を示している。

 「大手ITベンダーが販売している製品の多くは、多機能で統合型の製品である。その中のある機能が特許を侵害したとしてもしかたがないことだ。彼らが最優先にするのは、製品を出荷することなのだから」(ロード氏)

 ただし同氏は、大手ITベンダーと小規模ITベンダーでは1つの特許に対する重みが異なると主張する。

 「数千件の特許(技術)を持ち、それぞれを寄せ集めて製品化する“アグリゲーター”であれば、所有している特許の1つや2つが侵害されてもさほど影響はないだろう。しかし、アンバーウェーブのような小規模ITベンダーは、少数の特許に会社の存続がかかっている」(ロード氏)

 同法案が今年4月に議会に再提出されたとき、マイクロソフトは「公正かつバランスのとれた取り組みだ」と同法案を称賛した。

 同社は、「米国の特許制度が今後も技術革新と経済成長を促すという重要な役割を果たし続けるためには、特許侵害の解決策を予測可能で公正なものにしなければならない」と主張している。

 法案の賛成派と反対派の主張は平行線のままだ。賛成派は金もうけのためだけに特許侵害者を告訴する、いわゆる“特許ゴロ”が一掃できるとし、反対派は自社の特許が価値を持たなくなると懸念している。

 なお、すべての大手ITベンダーが同法案を支持しているわけではない。クアルコムやテキサス・インスツルメンツは同法案に反対の立場を表明している。

(グラント・グロス/IDG News Service ワシントン支局)




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