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訴訟/知財問題
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[米国]
【今週のウォール街】
IT景気に対する信頼感がHPとデルの追い風に
(2007年05月18日)
今週、米国ヒューレット・パッカード(HP)は好業績を発表したが、株価はその直後に下落した。一方、米国デルはニューヨーク州の検事総長に提訴されたが、株価は上昇した。こうした一見不合理な株価の動きの背景には何があるのだろうか。
HPは5月16日に好調な四半期決算を発表した。業界標準技術をベースにしたサーバやPCの大幅な販売増や、ノートPC市場の活況に支えられ、売上高は前年同期比13%増の255億ドルとなった。
さらにHPは、2007年度(10月31日締め)の売上高見通しを従来の980億〜990億ドルから1,005億〜1,009億ドルに引き上げた。新しい見通しが達成されれば、2007年度は前年比9%程度の増収となる。HPのような規模の企業の場合、一般に売上高の伸びは最大でも6%にとどまると見られている。
にもかかわらず、HPの株価は翌17日(米国時間)に、一時、前日比0.80ドル安の44.41ドルまで値下がりした。もっとも、多くのアナリストが指摘したように、HPは先週、今回の好決算を予告していたため、決算発表にサプライズがなかったのは確かだ(HPは先週、不注意で四半期決算情報を第三者に漏らしたのちに、その一部を公表した)。また、一部のIT投資家が好決算を受けて利益確定売りを行ったことが、株価下落の一因だったのかもしれない。
今後の焦点は、CEOのマーク・ハード氏が進めた組織再編によるコスト削減がほぼ一巡した今、HPがこれまでの成長ペースを維持できるかどうかである。ほとんどのアナリストは強気の評価を行っている。
クレディ・スイスは今週、「セクター・アウトパフォーム」(セクター平均を上回る)という同社の投資評価を維持した。トムソン・ファイナンシャルの調査によると、HPをフォローしている28人のアナリストのうち19人が、今月、同社に対して「バイ」(買い)または「ストロング・バイ」(強い買い)の評価を付けている。先月はこうした評価を付けたアナリストは17人だった。
HPの成長の大部分は、デルを犠牲にして達成されている。デルは今週、2つの打撃を受けた。1つはHPの販売が急増しているという発表があったこと、もう1つはニューヨーク州の検事総長に提訴されたことだ。提訴理由は、デルが不正な方法でコンピュータを販売したというものである。しかし、デルの株価は17日午前(米国時間)に一時、前日比0.69ドル高の26.61ドルの高値を付けた。前日16日も同1.25ドル高の25.92ドルで引けている。
ゴールドマン・サックスが調査リポートで指摘したように、株価上昇の一因は、今回の訴訟が、デルの会計方法に対する米国証券取引委員会(SEC)による調査と直接的な関係がなかったことで、安心感が広がったことにあるのかもしれない。
また、デルが経営の立て直しに真剣に取り組んでいるという認識もコンセンサスとなっている。1月にケビン・ロリンズ氏の後任としてマイケル・デル氏がCEOに復帰し、コスト削減策とともに、収益改善に向けた施策を相次いで打ち出している。顧客調査を踏まえてLinuxベース・マシンの製品ラインを強化したのもその一貫であり、同社幹部は、直販で成功した同社がチャネル販売を試す可能性も示唆している。
今週のニュースを受けてゴールドマン・サックスは、「ニュートラル」(中立)の投資評価を継続した。同社のアナリスト、ローラ・コニグリアロ氏は調査リポートの中で、「われわれの投資評価は変わっていない。つまり、デルは再建中の企業であり、利益と株価の改善につながるであろう大きな変革の初期段階にある」と述べている。
デルとHPにとっては、IT業界全体の景気に対する信頼感も追い風になっている。ほとんどの調査会社は、2007年に世界のIT市場が6.5%程度成長すると予測している。この成長率は昨年を若干上回る水準にとどまるが、ITベンダーの多くは直近の四半期に好調な収益を記録している。
こうした材料に基づくIT景気への信頼感を一因として、IT企業が多く上場するNASDAQ指数はこの2カ月間、上昇傾向が続いている。同指数は年初の2,423.16に対して、17日の終値は2,539.38だった。
(マーク・フェランティ/IDG News Service ニューヨーク支局)
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